ニュース

NVIDIAの創業者ジェンスン・フアン氏が半導体業界の最高栄誉「ロバート・N・ノイス賞」を受賞

2021年8月12日(現地時間) 発表

NVIDIAの創業者ジェンスン・フアン氏。オンライン上で見ているフアン氏は必ずしも実物ではないのかもしれない……。NVIDIAのYouTube公式チャンネルでは「GTC21でのNVIDIAの基調講演はどのように作成されたのか? キッチンの舞台裏を公開」で、その解説を行なっている

数え切れないほどの分野で半導体技術の発展に貢献

 米国半導体工業会(Semiconductor Industry Assocation、以下SIA)は8月12日(現地時間)、NVIDIAの創業者であるジェンスン・フアンCEOを、半導体業界最高名誉である「ロバート・N・ノイス賞」の2021年の受賞者に選出したと発表した。

 SIAは毎年、技術または公共政策において半導体産業に顕著な貢献をしたリーダーを表彰していて、フアン氏は2021年11月18日に開催されるSIA Awards Dinnerにて「ロバート・N・ノイス賞」を受賞する予定という。

 SIA会長兼CEOのジョン・ネウファー氏は「ジェンスン・フアンの並外れたビジョンとたゆまぬ実行力は、半導体業界を大きく強化し、コンピューティングに革命をもたらし、AI(人工知能)を前進させました。ジェンスンの業績は、ゲーミング、科学技術計算、自動運転など、数え切れないほどの分野でイノベーションをもたらし、今後も産業と世界を変革する技術を推進するでしょう。半導体技術の発展に貢献したジェンスンの数々の功績を称え、2021年度ロバート・N・ノイス賞を授与できることを喜ばしく思います」と述べている。

 フアン氏は1993年にNVIDIAを設立し、創業以来、CEOおよび取締役会のメンバーとして従事。3DグラフィックスからスタートしたNVIDIAは、ゲーミング市場を世界最大のエンターテインメント産業に育て上げ、最近ではGPU(Graphics Processing Unit)をコンピュータ、ロボット、自動運転車の頭脳として機能させることで、コンピューティングの新たな時代である最新AIの開発を活性化させてきた。

 また、フアン氏はこれまでに「IEEE Founder's Medal」「Dr.Morris Chang Exemplary Leadership Award」を受賞しているほか、台湾の国立交通大学と国立台湾大学、およびオレゴン州立大学より名誉博士号も授与している。また、2019年には、ハーバード ビジネス レビュー誌から、「世界で最も優秀なパフォーマンスを誇るCEOのTOP100」に選ばれ、2017年には、フォーチュン誌の「Businessperson of the Year」にも選出されている。フアン氏は、NVIDIAを創業する前に、LSI LogicおよびAdvanced Micro Devicesに在籍していた経験もあり、オレゴン州立大学で電気工学理学士号、およびスタンフォード大学で電気工学修士号を取得している。

 今回の受賞にあたりフアン氏は「NVIDIAの仲間の功績が評価され、全社員を代表して2021年度ノイス賞を受賞できたことを光栄に思います。AI、ロボティクス、デジタルバイオロジー、メタバースの時代に入ると、超指数関数的なテクノロジーの進歩が見られるようになります。半導体およびコンピュータ業界にとって、これほどエキサイティングで重要な時代はありません」とコメントを発表している。

 なお、この賞は半導体業界のパイオニアであるロバート・N・ノイス氏(Fairchild Semiconductorおよび Intel Corporationの共同設立者)に敬意を表して命名されている。