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AmazonがNVIDIAのシステムを搭載するPlusの自動運転トラックシステム1000台分を契約

2021年8月5日(現地時間) 発表

Plusの配送用トラック

レベル4の自動運転を目指すPlusの自動運転プラットフォーム

 NVIDIAは8月5日(現地時間)、自動運転トラックを開発するPlusがAmazonと契約し「NVIDIA DRIVE Xavier」を採用した自動運転プラットフォームを、少なくとも1000台供給することになったとブログで紹介した。また、この合意に先立ちPlusは、SPAC(特別買収目的会社)経由で株式を公開することを発表しているという。

 2020年の売上高が3860億ドルに達するなど、米国のネット通販業界をリードするAmazonは、自動運転技術や電気自動車技術に多額の投資を行なっていて、2020年にはNVIDIA DRIVE エコシステムのメンバーでもあるロボタクシー企業のZooxを13億ドルで買収。こういった契約は、貨物運送と旅客運送の両方の分野で自動運転システムの大規模な導入が進んでいることを示すとしている。

NVIDIA DRIVE Xavier SoC

 Plusが手掛ける運送用トラックの自動運転プラットフォームは、運転手が搭乗した状態でレベル4の自動運転を実現させることを目的に開発していて、NVIDIA DRIVE Xavier SoC(システム オン チップ)をシステムの中核に使用。このXavierは、自動運転機能を実現させるための車載向け量産SoCで「CPU」「GPU」「ディープ ラーニング アクセラレータ」「プログラマブル ビジョン アクセラレータ」「イメージ シグナル プロセッサ」「ステレオ/オプティカル フロー アクセラレータ」といった6種類のプロセッサを搭載。また、Xavierは安全性を考慮して設計され、安全な自動運転の実現に必要となる冗長性と多様性を備えているという。

 さらに、高性能なコンピューティング性能によりPlusの自動運転システムは「レーダー」「LiDAR」「カメラ」といった多数のセンサーを用いて周辺認識を行ない、さまざまなディープ ニューラル ネットワークをリアルタイムで同時に実行可能としている。

 このPlusとAmazonの契約は、自動運転による配送の普及に向けた取り組みの始まりにすぎず、すでにPlusは次世代AIコンピューティング プラットフォームである「NVIDIA DRIVE Orin」へ2022年から移行する計画を発表。この次世代システムに対しPlusは7000件以上の注文と予約注文をすでに受けているという。加えて、Amazonは1億5000万ドル相当のシステムを購入することを条件に、Plusの株式を20%取得する権利を獲得。これによりPlusのテクノロジとAmazonの配送トラックがより緊密に統合される可能性があるとしている。