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TOYOTA GAZOO Racing、ル・マン24時間で「GR010 HYBRID」が初日予選で最速タイムを記録

2021年8月19日 発表

新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」7号車

続いて「ハイパーポール」でポールポジションを目指す

 TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は8月19日、2021年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦「第89回ル・マン24時間レース」の初日(8月18日:現地時間)の予選で新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」がトップに立ったと報告した。

 マイク・コンウェイ選手、小林可夢偉選手、ホセ・マリア・ロペス選手がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、小林選手のアタックで3分26秒279というハイパーカーによるサルト・サーキットでの最速タイムをマーク。セバスチャン・ブエミ選手、中嶋一貴選手、ブレンドン・ハートレー選手の乗るGR010 HYBRID 8号車は、ハートレー選手がアタックし3番手を獲得。この2台のGR010 HYBRIDの間には、アルピーヌの36号車が割って入った。

 決勝レースのスターティンググリッドは、8月19日21時30分(現地時間)から行なわれる30分間のセッション「ハイパーポール」で決定される。このハイパーポールでは、予選で各クラストップ6に入った車両でタイムが競われる。TGRは5年連続のポールポジションを目指し、このハイパーポールに出場する。

 午後7時から1時間に渡って行なわれた予選では、小林選手とハートレー選手が新品タイヤと軽い燃料搭載量でセッション開始と同時にコースイン。7号車の小林選手はクリーンな周回でタイムアタックができ、トップタイムをマーク。一方で8号車のハートレー選手はコース上の混雑に阻まれながらも、その時点で7号車から1.392秒遅れの2番手につけた。予選アタックを順調に終えたことで、チームは決勝レースに向けた準備とタイヤの分析へと目的を切り替えたという。

 レース規定により、この水曜日と木曜日のトータル11時間にわたる練習走行と予選の間は、車両1台につき6セットのタイヤしか使用できないため、残りのセッションは使用済みタイヤで走ることになった。このため、GR010 HYBRIDの直接のライバルとなるハイパーカークラスの他の車両は、残る予選セッションでTGRのタイムを上回るべく、アタックを続けていたが、セッション中、フルコースイエローやスローゾーン制限などが発生してアタックの機会は限られたが、セッション終盤にアルピーヌ36号車が2番手に浮上したという。

新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」8号車

参加ドライバーのコメント

小林可夢偉選手(GR010 HYBRID 7号車)

 いつでもトップタイムは嬉しいことですが、あくまでも予選ですし、まだハイパーポールもあるので、それほど重要視していたわけではありません。GR010 HYBRIDの感触はよく、すべてがスムーズで、よいレースウィークのスタートが切れたと思います。24時間という長いレースですから、車両は快適でなくてはなりませんし、安定性も求められます。そのための作業を続けてきましたし、明日の木曜日もこの調子で頑張ります。

マイク・コンウェイ選手(GR010 HYBRID 7号車)

 よい一日で、着実なレースウィークのスタートが切れました。今日の主な目的は決勝レースへ向けた準備でした。テストデーでの作業に続き、さらなるテスト項目をこなし、とても上手くいきました。今日は涼しくなりましたが、GR010 HYBRIDはテストデーの時と変わらず、決勝レースへ向けていい兆候だと思います。

ホセ・マリア・ロペス選手(GR010 HYBRID 7号車)

 1年で最も重要なレースであるル・マンが、今日のセッションで公式に始まりました。チームは素晴らしい仕事をしてくれており、セッションが進むごとにクルマの感触はよくなっています。GR010 HYBRIDは本当に素晴らしいクルマです。もちろんポールポジション獲得は狙っていますが、最も重要なのは決勝レースだということはよく分かっています。

中嶋一貴選手(GR010 HYBRID 8号車)

 レースウィーク最初の走行日となりましたが、テストデーと比べコースの路面温度が大きく変わりました。われわれはさまざまなタイヤと、タイヤコンパウンドに合うセットアップを試すと同時に、制御システムについてもいろいろとテストしました。進展はありましたが、明日へ向けてまだやるべきことは多いです。7号車と比べると少しスピードが足りない感じなので、ハイパーポールまでになんとかしたいと思っています。

セバスチャン・ブエミ選手(GR010 HYBRID 8号車)

 テストデーに参加できなかったので、とにかく習熟と学習に費やしました。これまでここル・マンで走ってきた車両とは別物なので、自分を合わせる必要があり、スピードを取り戻すのに数周かかりました。GR010 HYBRIDの感触は予想以上によく、コースコンディションもセッションが進むごとにグリップが増しています。残るセッションでのさらなる進化を期待しています。

ブレンドン・ハートレー選手(GR010 HYBRID 8号車)

 とても順調な1日でした。GR010 HYBRIDを再びドライブできて最高です。本当にこの車両はここル・マンで生まれたかのようで、実家に帰ってきたように感じます。テストデーと比べると、路面温度がとても低く、風向きも違ったので、まったく異なるコンディションでした。そのおかげで、決勝レースで夜間走行に入るときの適切なタイヤ変更タイミングなど、さまざまなタイヤコンパウンドについて学ぶことができました。タイヤとセットアップの決定はテストプログラムの大きな要素ですが、すべてが上手くいきました。

この後2台の「GR010 HYBRID」はハイパーポールに挑む

WEC第4戦 ル・マン24時間 予選結果(総合順位)

順位No.ドライバー名チーム/車種周回ベストタイム
17マイク・コンウェイ・小林可夢偉・ホセ・マリア・ロペスTOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID153:26.279
236アンドレ・ネグラオ・ニコラス・ラピエール・マシュー・バキシビエールアルピーヌ・エルフ・マトムート/アルピーヌ A480-Gibson103:27.095
38セバスチャン・ブエミ・中嶋一貴・ブレンドン・ハートレーTOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID153:27.671
4708ルイス・フェリペ・デラーニ・フランク・マイルー・オリビエ・プラグリッケンハウス・レーシング/グリッケンハウス 007 LMH153:28.256
538ロベルト・ゴンザレス・アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ・アンソニー・デビッドソンイオタ/Oreca 07-Gibson103:28.807