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TOYOTA GAZOO Racing、小林可夢偉選手が新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」でル・マン24時間レースのポールポジションを獲得

2021年8月20日 発表

ポールポジションを獲得した小林可夢偉選手

トヨタとしては5年連続ポールポジション。8号車もフロントローを獲得

 TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は8月20日、2021年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦「第89回ル・マン24時間レース」の決勝スターティンググリッドを決定する「ハイパーポール」にて、新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」7号車がポールポジションを獲得。新たなハイパーカー時代の初レースで歴史にその名を刻んだことを報告した。

 GR010 HYBRID 7号車をドライブした小林可夢偉選手は、ハイパーポールセッションで3分23秒900というタイムをマーク。記念すべきハイパーカーでの初ポールポジションを獲得。チームにとってはル・マン24時間レース5年連続のポールポジションとなった。

 ポールポジションを獲得した小林可夢偉選手は、2017年の予選でサルト・サーキットのコースレコードを記録しているが、今年も最速タイムをマークして新たなハイパーカークラスの新基準を打ち立てた。また、小林可夢偉選手は4度目のポールポジション獲得となり、ジャッキー・イクス選手が持つル・マン24時間レースでのポールポジション通算獲得回数記録にあと1回に迫っている。

 GR010 HYBRID 8号車のアタックを担当したブレンドン・ハートレー選手は、7号車に僅か0.295秒およばず2番手と続き、TGRのGR010 HYBRIDは5年連続で2台揃って最前列グリッドからの決勝スタートとなった。

新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」7号車

 ハイパーポールのセッションに先立ち、現地時間午後2時から公式練習3回目が3時間にわたって行なわれたが、セッション残り25分の時点で、8号車を駆る中嶋選手がインディアナポリスコーナーでタイヤウォールにヒット。車両後部にダメージを負い、残るセッションは走行できず、8号車はハイパーポールへの準備を予定通りに完了できなかった。しかし、その後4時間にわたるインターバルで8号車を完璧に修復し、無事ハイパーポールに参加できたという。

 現地時間午後9時、各カテゴリーの上位6台がスターティンググリッドを決定する30分間のハイパーポールセッションが開始。2台のGR010 HYBRIDは共に新品セットのタイヤを装着し、最小限の燃料搭載で走行。小林可夢偉選手はセッション開始と同時に目覚ましいペースでのアタックを見せ、コースがクリアな状況でトップタイムを記録。また、ハートレー選手は7号車のポールポジションタイムに0.3秒届かず2番手。アルピーヌの36号車が1.674秒差の3番手となった。

 89回目を迎える伝統のレースは、現地時間で8月21日午後4時(日本時間午後11時)にスタートが切られる。

ハイパーポール出走ドライバーのコメント

ハイパーポールの表彰に立つ小林可夢偉選手(右)

小林可夢偉選手(GR010 HYBRID 7号車)

 ハイパーカーでの最初のポールポジションを獲得できたことは素晴らしいです。日曜日にGR010 HYBRIDでここル・マンを初めて走って以来、調整を続けてきたことで、着実な進化を遂げています。チームが最高の仕事で準備をしてくれたことが、このタイムに繋がったと思います。もう少しタイムを縮めることもできたと思いますが、トラックリミットに引っかかってしまったのは残念です。1周での最速ラップが取れればいいというものではなく、我々は決勝レースでの成功という目標に向けて準備を行なってきました。われわれはここ数年で何度かのポールポジションを獲得していますが、決勝レースでは勝てていないので、この予選の結果は何も保証してくれるものではありません。24時間レースは長いですし、いつもあと少しの運が必要なのです。

ブレンドン・ハートレー選手(GR010 HYBRID 8号車)

 まず感激したのは、燃料搭載を少なくし、新品タイヤで、夜へ向かうコンディション下でのGR010 HYBRIDが素晴らしかったということです。クルマの感触は文句なく、練習走行での一貴のアクシデントから迅速に修復してくれたチームに本当に感謝しています。そして、素晴らしいアタックでポールポジションを獲得した可夢偉に祝福を送ります。私自身は、アタックラップ中にミスしてしまったのでちょっと悔しいです。7速へと一気に2つギアを上げてしまい、タイムをロスしてしまいました。車両には差は無かったので、ポールポジション獲得のチャンスもあったと思います。さらにいいペースだった2度目のアタックではコース上の車両に阻まれ、万事休すとなりました。残念な気持ちはありますが、最前列グリッドを獲得できたことはよかったですし、7号車の結果も嬉しいです。

WEC 第4戦 ル・マン24時間 ハイパーポール結果(総合順位)

順位No.ドライバー名チーム/車種周回ベストタイム
17マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペスTOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID63:23.900
28セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレーTOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID73:24.195
336アンドレ・ネグラオ/ニコラス・ラピエール/マシュー・バキシビエールアルピーヌ・エルフ・マトムート/アルピーヌ A480-Gibson93:25.574
4708ルイス・フェリペ・デラーニ/フランク・マイルー/オリビエ・プラグリッケンハウス・レーシング/グリッケンハウス 007 LMH103:25.639
5709ロマン・デュマ/ライアン・ブリスコー/リチャード・ウェストブルックグリッケンハウス・レーシング/グリッケンハウス 007 LMH93:27.656
僅差で2番手となった8号車