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ポルシェ、EVスポーツカー「タイカン」「タイカンクロスツーリスモ」をアップデート 実質的な航続距離が伸長
2021年8月30日 15:54
- 2021年8月30日 発表
実質的な航続距離が伸び、機能を向上
ポルシェジャパンは8月30日、アップデートして幅広い変更点が加えられた「タイカン」「タイカンクロスツーリスモ」の新しいモデルイヤーの導入を発表した。
今回のアップデートでは、技術的進化により実質的な航続距離が伸びたほか、ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)とAndroid Autoの接続がシームレスになった。
また、タイカンでは初めてリモートパークアシストが利用可能になり、間もなくオプションとして発売開始となる「ペイントトゥサンプル」と「ペイントトゥサンプルプラス」により、珍しいカラーや個性的なカラーが選択可能となった。
アップデートの具体的な内容
新しいモデルイヤーのタイカンは、別途ホモロゲーションを取得するわけではないため、航続距離(WLTP)の数値は更新されないが、最新バージョンの実際の航続距離は日常の使用では長くなるという。この増加を実現するために幅広い技術的進化が盛り込まれており、ノーマルおよびレンジモードでは、フロントの電気モーターはほぼ完全に切り離され、4WDモードでは部分負荷時には無通電状態になるとのこと。さらに、コースティング時や停車時には、前後いずれのアクスルにも駆動力が伝達されず、この電気フリーホイール機能により、ドラッグ損失が抑えられる。ただし、ドライバーがさらなる出力を要求した際や、ドライビングモードを変更すると、再びミリ秒以内にモーターがONになるとしている。
新しいリモートパークアシストのオプションは、駐車スペースに出入りするときに、ドライバーが運転席に座っていなくても、スマートフォンを使って遠隔操作で取り回しができ、並列駐車や縦列駐車、ガレージでも自動制御が可能になる。システムは自動的に駐車スペースを検知し、車両の超音波センサーとカメラシステムを使って駐車スペースの寸法を測定。十分なスペースがある場合は、ドライバーはPorsche Connectアプリを使って駐車プロセスを開始してクルマから降車し、スマートフォンのアプリインターフェースのボタンを押したままにすると、駐車プロセスを連続的にモニターすることができる。ボタンを放すと、即座にタイカンの駐車操作は停止される。リモートパークアシストはiPhone 7とiOS 13以降のApple iPhoneに対応している。
インフォテイメントシステムについては、導入以来タイカンには第6世代ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)が装備されてきた。今回、iPhone向けApple CarPlayのサポートと並んで、Android AutoがPCMに組み込まれたことで、Google AndroidのOSを搭載したスマートフォンもサポートされることになった。これにより、走行安全性に悪影響を及ぼすことのない特定の電話機能やスマートフォンアプリであれば、PCM 6.0経由またはGoogle Assistant音声コマンドで操作可能となった。
さらに、音声アシスタントのボイスパイロットも日常の言葉での指示をさらに理解できるようになったほか、サテライトナビゲーションシステムの計算も迅速化し、おもに地点情報(POI)のオンライン検索を使用しながら、その情報がさらに明確に表示されるようになった。そのほかにもレイアウトとオペレーティングシステムが若干見直され、中央ディスプレイの左側のメニューオプションが3つから5つに増え、アイコンも個別に配置可能となった。
ボディカラーについては、1990年代にポルシェが導入した多くのカラフルな塗装仕上げを復活。ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャーの進化するパーソナリゼーション戦略の一環として、タイカンでは17種類の標準塗装カラーに加え、ペイントトゥサンプルとペイントトゥサンプルプラスも利用可能になる。
ペイントトゥサンプルでは、ムーンライトブルーメタリック、アシッドグリーン、ルビースター、リビエラブルー、ビオラメタリックなど、ポルシェ特有のカラーを含む63種類色が塗装可能。ペイントトゥサンプルプラスでは、ほぼ完全に自由に顧客がカラーを選ぶことができ、タイカンをお気に入りのアクセサリーの色に合わせることも可能になるとのこと。
4月からタイカンモデルライン担当副社長になったケヴィン・ギーク氏は「クルマをたえず技術的に進化させることは、ポルシェのDNAに組み込まれています。最新世代のタイカンは、驚くほどシームレスなスマートフォンコネクティビティーが特徴で、Android Autoも組み込まれることになりました。タイカンの電気のみの航続距離は、ますます拡大しています。春にラインアップに追加された新しいタイカンクロスツーリスモは、顧客の皆さまからの人気が非常に高く、すでに多数のご注文をいただいております」とコメントしている。
充電ネットワークの拡大にも注力
ポルシェジャパンでは国内チャージングネットワークの構築にも積極的に取り組んでおり、国内でもっともパワフルな150kW(CHAdeMO規格)の最高出力を誇る「ポルシェターボチャージャージングステーション」は、タイカンの車載バッテリーを30分で80%(走行距離約300km分)まで充電可能。
現在、ポルシェターボチャージャーが設置されたポルシェターボチャージングステーションは、都市型充電インフラとしてLINKS UMEDA、あべのハルカス、ヒルトン名古屋、ナゴヤセントラルガーデン、虎ノ門ヒルズで稼働しており、設置施設は順次拡大していく。
また、日本国内のポルシェセンターのうち、27拠点でポルシェターボチャージングステーションと同規格のDCチャージャーが稼働しており、2023年末までにはすべてのポルシェセンターでの設置が完了する予定としている。さらに、ホテルや温泉施設、レストラン、ゴルフ場などのレジャー施設を中心に展開する普通充電器設置プログラム「ポルシェデスティネーションチャージングステーション」には8kW出力充電器を設置。現在15か所で稼働している。