ニュース

ポルシェ、EVスポーツカー「タイカン」に後輪駆動モデル登場

バッテリー容量は79.2kWh、オプションで93.4kWhも選択可能

2021年1月28日 発売

1171万円

「タイカン」

 ポルシェジャパンは1月28日、EVスポーツカー「タイカン」の後輪駆動モデルを新しくラインアップに追加し、予約受注を開始した。価格は1171万円で、ステアリング位置は右側のみ。

 今回追加されたタイカンは、「タイカン ターボS」「タイカン ターボ」「タイカン 4S」に続くポルシェ初のフル電動スポーツカーの4番目のバリエーション。後輪駆動システムを備えたタイカンには、総容量79.2kWhのパフォーマンスバッテリー(シングルデッキ)を標準装備。オプションで総容量93.4kWhのパフォーマンスバッテリー プラス(2デッキ)を選択可能とした。

 標準装備されるパフォーマンスバッテリーは、ローンチコントロールとオーバーブーストモード使用時に最高出力300kW(408PS)を発生し、オプションのパフォーマンスバッテリー プラスを選択すると、最高出力は350kW(476PS)に増加。公称出力は、それぞれ240kW(326PS)と280kW(380PS)、WLTPモード航続距離は、それぞれ最大431kmと最大484kmとなる。

 どちらのバッテリーの場合も、0-100km/h加速は5.4秒で、最高速は230km/h。最大充電容量はパフォーマンスバッテリーで225kW、パフォーマンスバッテリー プラスで270kW。他のタイカンモデルレンジと同様に、カラーヘッドアップディスプレイと、最大22kWの充電容量を備えたオンボードチャージャーがオプション装備に含まれる。

 加速性能、スポーツカー特有のトルク、そして連続使用可能な卓越した出力といったメリットを備え、リアアクスルの永久励磁シンクロナスモーターの有効長はタイカン4S と同じ130mmで、パルス制御インバーターが最大600Aで作動。ドライブアーキテクチャーには、リアアクスルの永久励磁シンクロナスモーターに加えて2速トランスミッションも含まれる。また、モデルシリーズの他のバージョンと同じインテリジェントな充電マネジメントを備えるほか、0.22のCd値という優れたエアロダイナミクスは低いエネルギー消費量と長い航続距離に大きく貢献し、ブレーキによる最高回生出力は265kWとなる。

 タイカンのシャシーには中央ネットワーク制御システムが採用されており、統合されたポルシェ4Dシャーシコントロールが、全てのシャシーシステムをリアルタイムに分析および同期。PASM(ポルシェ アクティブサスペンションマネジメント)電子制御ダンパーシステムは、タイカンに標準装備されたスチールスプリングサスペンションまたはオプションの3チャンバーテクノロジー アダプティブエアサスペンションを補完。

 アダプティブエアサスペンションにはスマートリフト機能も装備されており、道路のバンプやガレージのドライブウェイなど、いつも通る特定の場所で車高を自動的に持ち上げるようにプログラムされる。なお、このスマートリフト機能は、高速道路でもアクティブに車高に介入し、効率と走行快適性を最大限にバランスさせるように車高を調整する。

 ブレーキは、フロントに対向6ピストン式アルミニウム製モノブロックキャリパー、リアに対向4ピストン式ユニットを標準装備。ベンチレーテッドブレーキディスクの外径は、フロントが360mm、リアが358mm。高性能のポルシェ サーフェスコーテッドブレーキ(PSCB)もオプションに用意され、ディスクの外径は、フロント410mm、リア365mmとなる。

 エクステリアデザインでは、フロントから見た場合の盛り上がったフェンダーとロー&ワイドな外観というポルシェ デザインのDNAを継承。後方に傾斜するスポーティなルーフラインがフォルムを形成し、造形的なサイドセクションも特徴としている。洗練されたキャビン、角度のついたCピラー、フェンダーの際立つショルダーによって、ポルシェ特有の強調されたリアを形成。リアライトバーのガラスルック“PORSCHE”ロゴなどのエレメントが、リアデザインを補完している。

リアデザイン

 装備面では、空力的に最適化された19インチ タイカン エアロ ホイールとブラックアルマイト仕上げのブレーキキャリパーを装着。タイカン 4Sと同じブラックのフロントエプロン、サイドシル、リアディフューザーを装着するほか、LEDヘッドライトを標準装備している。

 内装では、ダッシュボードの最高点を形成する曲面のフリースタンディングメータパネル、中央の10.9インチインフォテインメントディスプレイやオプションの助手席用ディスプレイなどを装着し、パーシャルレザー インテリアと8way電動調節機能付フロントコンフォートシートを標準装備。フロントに84L、リアに最大407Lの2つのラゲッジコンパートメントも備えている。

 加えて、レザーフリー インテリアを選択することができ、リサイクル素材で作られたインテリアは、フル電動スポーツカーの持続可能なコンセプトを引き立てるとした。

内装はバリエーションがあり、レザーフリー インテリアも選択可能

 ポルシェは2020年、世界中で2万台を超えるタイカンを販売。現在ノルウェーでは、ポルシェモデルの全販売台数の70%をタイカンが占めているといい、11月初めにはノルウェー国内で1000台目のタイカンが納車され、ノルウェーでのポルシェの販売台数は前年の2倍を超えているという。タイカンは、とりわけドイツ、米国、英国、中国の主要市場において、すでに約50の国際的な賞を受賞。後輪駆動の新型タイカンは、42.217kmをノンストップでドリフト走行し、電気自動車で最長のギネス世界記録も獲得している。