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ポルシェ、スポーツカーの伝統的な魂を受け継ぐ初のEV「タイカン」プレゼンテーション
「伝統と未来のパーフェクトな融合が、デザイン、パフォーマンス、フィーリングに表れている」
2019年11月21日 12:52
- 2019年11月20日 開催
ポルシェジャパンは11月20日、同社初のフル電動スポーツカーとなる「タイカン」のジャパンプレミアを実施した。
報道陣向けのプレスカンファレンスでは、タイカンの特徴や充電環境などについて、マーケティング部プロダクトマネージャーのアレキサンダー・クワース氏から商品プレゼンテーションがあった。ここではクワース氏のスピーチを用いながら、タイカンの詳細について触れてみたい。
クワース氏は解説の冒頭で、「本日はまったく新しいポルシェとなる、フル電動スポーツカーの『タイカン』を紹介できることを嬉しく思います。タイカンは新しい世代を迎えるポルシェのアイコンと言えます。われわれの未来を形にすると同時に、今までのポルシェの伝統を取り入れることで間違いなく本物のポルシェであると断言できます。この伝統と未来のパーフェクトな融合が、タイカンのデザインやパフォーマンス、そしてフィーリングに表れています」と、タイカンは紛れもないポルシェだと語った。
エクステリアのデザインも、ポルシェの伝統を用いながらEVならではの特徴が随所に散りばめられたとのことで、「タイカンはフロントから見るとまったく新しい印象があると同時に、馴染みのあるポルシェとしての顔も持っています。伝統的なポルシェデザインは、力強く張り出しのあるフェンダー、抑揚のあるボンネットなどで現しています。タイカンはエンジンスペースが不要なので、ボンネットは通常のモデルよりも低く設定することができ、ボンネットとフェンダーのメリハリが強調され、ポルシェのクラシックモデルを想起させるデザインとなっています」と解説。
また、新しいエレメントとしては、スリムなデザインの4灯式LEDヘッドライトが挙げられ、ヘッドライトの下には機能性を持つエアカーテンを装備。エアカーテンは、空気を車体内部に流してホイールハウスから排出させてるというもので、車体のタービュランスが起きやすいところに設置することで、理論的には車幅が狭くなり空気抵抗を削減しているという。また、タイカンを横から見るとシルエットはパナメーラより911に近いとし、4ドアセダンでありながらもスポーツカーそのものに仕上げたとのこと。リアまわりではEVゆえ排気システムやテールパイプが不要となり、大型のディフューザーを装備したことを紹介するとともに、「水平に伸びるLEDテールライトやポルシェロゴはデザインハイライトとなります。ポルシェロゴはガラス越しに見えるようになっていて、タイカンにマッチしています」と特徴点について語った。
インテリアのデザインと機能性も伝統と革新を融合させたといい、「インテリアをデザインするにあたって、デザインチームが出発点としたのが初代911です。ホリゾンタル(水平基調)なデザインを強調させ、インパネはドライバー中心に配置されています。まさにドライバーのために開発した初代911に通じるデザインとなっています。この伝統をデジタル世代のために新しく解釈し、『デジタル』『クリア』『サステイナブル』を際立たせて新しく設計しました」。
「まったく新しくなったポルシェ・アドバンス・コクピットは極限までデジタル化し、湾曲したインストルメンタルクラスターにはPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム)、センタータッチパネルが含まれます。また、画期的なのは4枚目となるパッセンジャー用のディスプレイです。このセグメントでは初となるパッセンジャー用のディスプレイを用意しました」と、インテリアではドライバー中心の視認性を確保しつつ、新しい機能性を豊富に取り入れたとのことだ。
動力性能やパフォーマンスについては、「どうしてタイカンが特別なのか、それは『ピュアポルシェ』だからです。タイカンに乗り込んでステアリングを握ったときに、それを実感するでしょう。フロントとリアアスクルに搭載された電動モーター、そして電気自動車に初めて搭載された自動切り替え式の2速トランスミッションによって、0-100km/h加速は2.8秒を達成(タイカン ターボS)。最高速は260km/hで、最大トルクは1050Nm。体験してみると本当に異次元のパフォーマンスです。ローンチコントロール使用時のオフブースト出力は761PSとなります。0-200km/hの加速を26回連続で行なっても、その性能はほとんど落ちません」。
「タイカンはストレートの加速性能だけでなく、ステアリングとハンドリングも最高です。バッテリーが車体の下に搭載されているので、重心は911よりも低くなります。そして車両下の全面にバッテリーが置かれているので、ウエイトバランスも理想的です。シャシーはポルシェのコアとなる専門知識の一部で、タイカンは次のレベルへと引き上げています。『ポルシェダイナミックシャシーコントロール』『スリーチャンバーエアサスペンション』『リアアスクルステアリング』などのシャシーシステムを提供することで、EVでありながらもタイカンはスポーツカーとなっています」とアピールした。
一方、充電については「タイカンのシステム電圧は800Vで、一般的なEV車両の倍です。これは高い再現性のパフォーマンスと急速充電を可能としています。バッテリー容量の総合は93.4kWhで、タイカン4Sの場合は463kmの航続距離を可能としています。また、毎日心配なく乗れるように、ポルシェではフルセットで充電の場を提供。自宅に充電器を設置できるようにさまざまなソリューションやサポートも展開します。そして、ポルシェはABBと共同で国内でももっともパワフルな150kWの出力が可能な充電器の開発を行ないました。この充電器を使用すると、10分で100kmの走行距離分の充電ができます。この充電器はポルシェ正規販売店に加えて、東京、名古屋、大阪の公共施設に順次設置される予定です」というように、オーナーの自宅、公共施設、正規販売店などの充電環境を整備していくことも発表している。
商品プレゼンテーションの最後にクワース氏は、「70年以上にわたってポルシェはスポーツカーを作ってきました。その伝統と魂が今、タイカンとなって新しい形を示します。つまり、それは“電動化された魂”とわれわれは考えます。ポルシェは自信を持ってタイカンをお届けします。ぜひご期待ください」と語った。