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点検整備の大切さをアピールする「令和3年度 自動車点検整備推進運動」発表会 10月1日から12か月点検に「OBD点検」追加
2021年9月8日 06:00
- 2021年9月7日 開催
国土交通省と自動車点検整備推進協議会は9月7日、9月~10月の2か月が「自動車点検整備推進運動」の強化月間になっていることをアピールする記者発表会を都内で開催した。
発表会では最初に、国土交通省 自動車局 整備課 整備事業指導官 森内孝信氏によるあいさつが行なわれた。
森内氏は「自動車は使用期間や走行距離に応じて日々劣化するため、日ごろから適切な保守管理を行なわなければ故障してしまいます。そうした思わぬトラブルを未然に防ぎ、安心・安全なドライブを楽しんでいただくためには、自動車ユーザー1人ひとりの点検整備に対する意識向上が欠かせません。『自動車点検整備推運動』は日本自動車整備振興会連合会など自動車関係の31団体にご協力いただきながら、自動車ユーザーの皆さまに日ごろからの点検整備の重要性を啓発する運動で、今回で28回目となりました」。
「また、今年の10月1日からは、12か月点検の項目に『OBD点検』という自動車に備えられたコンピューターによる点検が追加されます。このため、新たな点検項目の必要性にかかわる具体的な内容の周知や、定期点検実施率のさらなる向上に向けた啓発についても力を入れてまいります」と述べた。
森内氏のあいさつに続き、ゲストとして招かれたお笑い芸人・さらば青春の光の森田哲矢さんが登場。森田さんはM-1グランプリやキングオブコントで決勝進出を果たした若手実力派コンビであることに加え、YouTubeチャンネル「五反田ガレージ」で愛車の「ハイエース」を題材としたDIY動画を多数手がけていることでも知られている。
日ごろから仕事の移動でもクルマに乗っているという森田さんは、車両の日常点検はクルマの購入以来意識してはいるものの、まだ細かいところまでは把握し切れていないかもと不安を覗かせたが、司会者から今日の発表会を通じて日常点検に詳しくなってもらい、周囲の人にも発信してもらいたいとコメントされた。
森田さんと司会者によるショートトークに続き、今回の自動車点検整備推運動で制作されたスペシャルムービーのお披露目が行なわれた。
点検整備の大切さを知ってもらうために制作された3本のスペシャルムービーでは、アニメ「秘密結社 鷹の爪」に登場する戦闘主任・吉田君の従姉妹と噂されている謎のOL「吉田勝子」を起用。森田さんも見守るなか、まずは同日公開がスタートした2本が会場のスクリーンでお披露目された。
“一発撮り風”公開アテレコで“森田ワールド”を展開
3本目のムービーは10月1日の公開を予定しており、出演者として森田さんも抜擢されているのだが、スタジオでの正式な録音に先立ちスペシャルイベントとして“一発撮り風”公開アテレコ「MORITA TAKE」が実施された。
ステージ上にはマイクやディスプレイをセットにした収録機材も用意され、会場のスクリーンにも流れる森田さん登場シーンに合わせてセリフを“一発撮り”という予定だったが、収録がスタートすると森田さんが暴走。「この子(吉田勝子)かわいい!」「その人は彼氏!?」「めっちゃタイヤのことを言ってくれる、かわいい」と、台本のセリフを完全に無視して「(ムービー内の自分が)吉田勝子に恋をした」という設定で公開アテレコを駆け抜けていった。
10月1日から12か月点検に追加される「OBDの点検」デモも
続いてもう1人のゲストとして、日本自動車整備振興会連合会が開催している「全日本自動車整備技能競技大会」で2019年に優勝した経歴を持つ一級小型自動車整備士の池田誠司氏も参加。クルマの点検整備に関する基礎知識を○×形式で回答するクイズ大会が行なわれたあと、ステージ横に置かれた実車を使って「自動車点検整備デモンストレーション」が実施された。
自動車点検整備推運動では「エンジンルーム」5項目、「クルマの周り」4項目、「運転席」6項目の計15項目を日常点検の項目としているが、発表会ではここから「ワイパー」「エンジンまわり」「タイヤ」の点検ポイントを池田氏が解説していった。
ボンネットを開けてのエンジンまわりのチェックでは、ブレーキフルード、冷却水、バッテリー液が上限値と下限値の間まで入っているか、ウォッシャー液が十分に入っているかなどの確認が必要で、分かりにくい場合は車体を軽く揺らすと液面が動いて液面がはっきりするというテクニックが披露された。点検でフルード類が下限値を下まわっている場合はどこかから漏れているケースも想定されるので、整備工場などに相談してほしいと池田氏は語っている。
さらにデモンストレーションでは、10月1日から12か月点検の点検項目に「OBD(車載式故障診断装置)の点検」が追加されることを受け、実際にOBDを使った車両のチェックも披露された。
近年は衝突被害軽減ブレーキなどの運転支援技術が乗用車を中心に普及しており、交通事故などの抑制に大きな効果が期待される一方、故障や誤作動が事故の引き金になる恐れもあることから、確実な機能維持を図るためOBDによる検査が定期点検に追加されることになった。
OBDでの確認だけに、作業は車両のステアリングコラム下に設定されたコネクターに専用の診断機を接続して作動させるだけだが、「BKB(森田さんの親友というお笑い芸人)なら知ってますが、OBDですか?」と森田さんはボケをはさみつつ、簡単な操作だけでさまざまな項目をチェックできるOBD診断に感心しきり。今回のデモでは全項目がOKとなったが、仮にNGになった場合には、問題が起きている詳細まで表示できると池田氏から説明され、「めっちゃ楽になりますやん。日立(診断機のメーカー)様々ですね」と感想を口にしていた。
デモンストレーション終了後に池田氏は、「日常点検は専門知識や資格などは不要です。洗車するときやドライブ前などにも簡単にできますので、ぜひ点検を実施していただけますようお願いします」と呼びかけた。