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ロールス・ロイス、超高級EVの発表を予告 9月29日公開か

2021年9月27日(現地時間) 発表

ロールス・ロイスが“歴史的な発表”を前に電動車の歴史を振り返る

 ロールス・ロイス・モーター・カーズは9月27日(現地時間)、「ロールス・ロイスと電気のちから」と題したリリースを発表。同社のこれまでの電動車両への取り組みを紹介するとともに、9月29日13時(英国夏時間。日本時間21時)に“歴史的な発表”を行なうとアナウンスした。

 これまでロールス・ロイスは、電動化戦略について「2020年~2030年までの10年間のうちにオール・エレクトリック(完全電動)の車両を導入する」「その自動車はハイブリッド車ではなく、純粋なBEV(バッテリー駆動の電気自動車=ピュアEV)になる予定」「時期が来て、技術面、審美面、性能面のあらゆる要素がロールス・ロイスの基準を満たしたときにのみ発売する」とアナウンスしており、9月29日の発表はこれらの言葉に基づいたBEVであることが予想される。

 リリースでは、同社と電動車両のこれまでの関わりについてが紹介されるとともに、近年では2011年に「ファントム」をベースにしたバッテリー駆動のEV「ファントムEE(102EX)」を公開し、同モデルが生産を目的としたものではなく顧客、VIP、メディアや愛好家に電気駆動を体験してもらい、その際の経験や考えたこと、意見をロールス・ロイスのデザイナーや技術者と直接共有するためのたたき台の役割を果たしたことを紹介。

 もともとファントムに搭載されていた6.75リッターのV12ガソリンエンジンとギヤボックスは、リチウムイオンバッテリーパック、リアのサブフレームに搭載された2基の電気モーターと、これに接続されたディファレンシャル内蔵式単段トランスミッションに置き換えられており、こうしたシステム構成によりファントムEEは最高出力290kW、最大トルク800Nmを発生しており、オリジナルのV12エンジン搭載車の最高出力338kW、最大トルク720Nmと比べて遜色ない性能を発揮したという。

 その一方で航続距離が限られること、頻繁に充電する必要があること、バッテリーの寿命がわずか3年間であることなどは、ロールス・ロイスが顧客の期待に応えるために解決しなければならない大きな課題だったという。

ファントムEE(102EX)

 また、2016年には最新の軽量プラットフォームに独自開発のオール・エレクトリック・ドライブトレーンを搭載し、完全な自動走行を実現するコンセプトカー「ロールス・ロイス・ヴィジョン・ネクスト100(103EX)」も発表している。

ロールス・ロイス・ヴィジョン・ネクスト100(103EX)

 今回の発表について、ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者であるトルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏は「1900年4月、当社の創業者であるチャールズ・ロールズは、自動車の電動化について予言しました。それから120年を超える年月を経て、わたくしは、この10年以内にフル・エレクトリックのロールス・ロイスを市場に投入することを公式にお約束しました。そして現在、わたしたちは、この種のクルマとしては初めてとなる超高級電気自動車を生み出すという歴史的な事業に着手しています。この事業は、本家ロールス・ロイスのエンジニアやデザイナー、スペシャリストたちの素晴らしいスキル、専門知識、ビジョンと献身によって、多くの人が考えているよりも早くに実現することになるでしょう」。

「この画期的な試みのなか、わたしたちは業界でも例のないほど優れた遺産を受け継いでいます。ロールス・ロイスの創業者や創成期にともに働いた人々は、電気のちからに関する重要な先駆者であると同時に、その時代の自動車工学における第一人者でもありました。ロールス・ロイスの新たな電動化の未来の到来を告げるにあたり、これまで一度も語られることのなかった先駆者たちの感動的な物語を共有し、当社が操業を始めた時代に新鮮かつ魅力的な光を当てることができることを、わたくしは誇りに思い、また謙虚に受け止めたいと思います」とコメントしている。