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トヨタ、2022年のWRC参戦ドライバー決定 オジエ選手のフル参戦は2021年で最後
2021年10月7日 18:11
- 2021年10月7日 発表
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は10月7日、2022年のWRC(FIA世界ラリー選手権)を戦う、ドライバーのラインナップを決定。チーム3年目のエルフィン・エバンス選手、カッレ・ロバンペラ選手、セバスチャン・オジエ選手に加え、2017〜2018年にかけてチームの一員としてWRCを戦ったエサペッカ・ラッピ選手が復帰した。
2022年シーズンのWRCは新時代を迎え、現行のWRカー(ワールドラリーカー)に替わり、ハイブリッドシステムを搭載する「Rally 1」がトップカテゴリーラリーカーとなる。
チームは現在、新しい技術規則のもと、2022年に向けて開発の重要な局面を迎えているが、ドライバーに関してはWRC優勝経験のある4名を決定。エバンス選手とロバンペラ選手は全戦で新しいRally 1をドライブしフルタイム出場、今シーズン限りで終了するオジエ選手は、ラッピ選手と3台目のシートをシェアするという。
エバンス選手は、2020年にチームに加わり、ラリー・スウェーデンとラリー・トルコで優勝。最終戦までもつれ込んだドライバーズタイトル争いでオジエ選手に次ぐ選手権2位を獲得。2021年シーズンも、第4戦ラリー・ポルトガルと、第10戦ラリー・フィンランドで優勝し、あと2戦を残した状況で2021年もオジエ選手とタイトル争いを演じている。
ロバンペラ選手は、2020年にチームに加入。トップカテゴリーのWRカーで臨んだ最初のシーズンだったにも関わらず、2戦目で表彰台を獲得。そして、2021年シーズンは第7戦ラリー・エストニアでWRC最年少記録となる20歳で初優勝。さらに、第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャでも優勝する若手フィンランド人ドライバー。
オジエ選手は、ヤリスWRCで戦った初年度の2020年に、通算7回目のドライバーズイトルを獲得。2021年シーズンは、ラリー・モンテカルロ、クロアチア・ラリー、ラリー・イタリア・サルディニア、サファリ・ラリー・ケニアで4勝、2位のエバンスに24ポイント差を築きドライバー選手権をリード。2022年はラリー以外の活動にも時間を割きたいと考えているため、WRCフル参戦は2021年が最後。オジエ選手が2022年シーズン出場するイベントは、後日決定する。
ラッピ選手は、チーム参戦初年度の2017年にドライバーの1人として加わり、WRカーによる出場4戦目だった母国のラリー・フィンランドでヤリスWRCを駆りWRC初優勝。また、2018年は表彰台に3回立ち、チームのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献した。
2022年シーズンは、2021年と変わらない、エバンス選手、ロバンペラ選手、オジエ選手、3名のドライバーに、チーム創成期のメンバーだったラッピ選手を加え、全員がWRC優勝経験者という強力な布陣で新時代のWRCに挑戦する。
参戦ドライバーの決定に、チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ氏は「2022年、そしてWRCの新しい時代に向けて、このような強力なドライバーラインアップを実現することができて大変嬉しく思います。タイトルを狙えるドライバーとして、エルフィンとカッレが引き続き我々と一緒に戦ってくれるのは、本当に喜ばしいことです。エルフィンは非常に安定したドライバーですし、マニュファクチャラーズタイトル争いにおいて、常に大きく貢献してくれています。また、ラリー・フィンランドでの優勝でも証明されたように、彼は絶対的に速いドライバーであり、間違いなくチャンピオン候補のひとりです。カッレは、今シーズン本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。常に成長していますし、これからさらに経験を積み重ねていけば、彼もまたチャンピオン候補になるでしょう。セブは偉大なるチャンピオンであり、来シーズンはドライバーズタイトルを狙って戦うことはないでしょうが、それでも我々にとっては本当に貴重な存在です。最後に、エサペッカを再びチームに迎え入れることができて嬉しく思います。彼は以前、我々のチームで勝てることを証明してくれましたし、その後さらに大きく成長したと思っています。彼のモチベーションは非常に高く、先週末のWRカーによる復帰戦では速さを見せてくれました。セブとシートをシェアするのに、エサペッカは最適なドライバーだと思います。チャンピオンシップ争いで我々を支援してくれるだけでなく、自分自身の勝利のためにも戦ってくれることでしょう」とコメント。
エバンス選手、ロバンペラ選手、オジエ選手、ラッピ選手、各ドライバーのコメントは、以下のとおり。
エルフィン・エバンス選手
来シーズンもTOYOTA GAZOO Racing WRTで走れることになり、本当に嬉しいです。このチームでのここまでの2シーズンはとても楽しい日々でしたし、先週末にチームのホームイベントであるフィンランドで優勝できたことは、私にとって特別な喜びです。今、私たちは新しいレギュレーションのもと、新たな時代を迎えようとしています。チームのみんなと協力しながらRally 1カーを開発するのは本当にエキサイティングな仕事ですし、来シーズンは可能な限り最高の結果を出せるように頑張りたいと思っています。その前に、まずは今シーズンをいい形で締めくくり、チームのタイトル獲得に貢献したいと思います。
カッレ・ロバンペラ選手
TOYOTA GAZOO Racing WRTで来年も走る事ができてとても嬉しく思います。このチームでの最初の2年間は本当に良かったと思います。多くのことを学びましたし、大きなプレッシャーを感じることなく、自分らしい走りをしながら学習する機会をチームは与えてくれました。来年はクルマが完全に新しくなり、大きな変化があるため、チーム全体にとって大きなチャレンジになるでしょう。しかし、すでにチームとは親密な関係を築いていますし、一緒になってクルマを開発している時に、ドライバーとして自分のアイディアを提供できるのはとてもポジティブなことです。チームは精力的に仕事を進めていますし、これ以上は望めないくらい、ベストな形で彼らの力になれることに興奮しています。
セバスチャン・オジエ選手
このシーズンが終わり、家族と過ごす時間が増えることが楽しみですが、同時にTOYOTA GAZOO Racing WRTに残り、来年もいくつかのラリーに参戦するチャンスを得られたことを大変嬉しく思います。私が望んでいた、スポット出場の機会を与えてくれたチームには本当に感謝しています。どのラリーに出場するのかはまだ完全には決まっていませんが、マニュファクチャラー選手権でチームをサポートし、クルマを開発するために全力を尽くします。この新世代のクルマがWRCというスポーツに何をもたらすのかワクワクしますし、チームが非常に力を入れて開発していることも知っていますので、とても楽しみです。
エサペッカ・ラッピ選手
TOYOTA GAZOO Racing WRTに復帰することができて、最高の気分です。まるで自分の家に戻ってきたような気持ちです。過去には数々の素晴らしい思い出がありますし、ラリー・フィンランドでチームの人たちと再び一緒に仕事をすることができて、本当に嬉しかったです。ヤリスWRCに乗り込んだ瞬間、これこそ自分のクルマだと改めて感じました。もちろん、来年はクルマが新しくなりますし、自分はまだ乗ってもいませんが、新しいレギュレーションによって大きな変化が起きるように思います。それでも、新しいクルマでラリーに出場できるのは興味深いことですし、将来がとても楽しみに感じられます。