ニュース

SUPER GT第6戦オートポリス、ダンロップの16号車レッドブルNSX-GTがGT500のポールポジション獲得 GT300は重くても驚速のBRZを破ったハイブリッドプリウス

2021年10月23日~24日 開催

ポールポジションを獲得した16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組、DL)

 SUPER GT 第6戦「2021 AUTOBACS SUPER GT Round6 AUTOPOLIS GT 300km RACE」がオートポリスインターナショナルレーシングコース(大分県日田市)で10月23日~24日の2日間にわたって開催されている。2020年はパンデミックの影響でオートポリスのレースは中止になっており、2019年以来2年ぶりの開催となる。

 第6戦は、獲得したポイントに応じて性能調整のために搭載されるサクセスウェイトがGT500はポイント×2kg、GT300はポイント×3kgとフルに搭載される最後のレース。第7戦もてぎからはそれが半分などに軽減され、最終戦となる第8戦富士ではすべてのサクセスウェイトが降ろされた状態でレースが行なわれることになる。このため、ランキング上位勢に関しては重たいうちに可能な限りポイントを獲り優位なままサクセスウェイトを降ろしたいし、下位のチームでは上位チームがサクセスウェイトを降ろす前に上位に入って、可能であれば上位に追いつきたいレースになる。

 GT500は16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組、DL)がポールポジションを獲得、2位は14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)、3位は64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)となった。

 GT300は31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組、BS)が、サクセスウェイト100kgを搭載しながら新たなコースレコードを記録するという驚きの速さを見せた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)を0.227秒上回り、コースレコードでポールポジションを獲得した。2位は61号車で、3位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)。

GT500クラスは、ダンロップタイヤの16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがQ1、Q2ともトップタイム

ポールポジションを獲得した16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組、DL)

 GT500の予選1回目(Q1)は15台のうち、上位8台が予選2回目(Q2)へと進める戦いになる。今回は気温が14℃と想定よりもかなり低い気温になっており、路面温度もそれにあわせて低め。そのため各チームとも通例よりも早くコースにマシンを送り出し、タイヤを温めるという作戦に出た。

 このQ1でトップタイムをマークしたのは16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組、DL)で1分31秒389で新しいコースレコードをマークして堂々トップで通過だ。2位も同じダンロップタイヤを履いた64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)でこちらも従来のコースレコードを上回っている。NSX勢は4位に8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)が4位、そして車両としてランキング2位の17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)が7位で4台が通過しており、ホンダとしては上々の結果だ。

 トヨタ勢のトップは14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)が3位を含めてQ2に3台が進出。ニッサン勢のトップは23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)で、1台のみがQ2へ進んだ。

 Q2でもダンロップ勢の勢いは続き、16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが1分31秒770というタイムをマークしてポールポジションを獲得した。16号車のドライバーである笹原右京は自身初めてのポールポジションを獲得になる。

 2位はその16号車にわずかに0.007秒差というタイムの14号車 ENEOS X PRIME GR Supra、3位は64号車 Modulo NSX-GT。4位は8号車 ARTA NSX-GT、5位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R、6位は37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ組、BS)となった。

GT500クラス 予選結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤサクセスウェイトQ1Q2
116Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原右京/大湯都史樹DL241分31秒3891分31秒770
214ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS701分31秒9851分31秒777
364Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹DL101分31秒4381分32秒068
48ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺BS301分32秒3101分32秒128
523MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI521分32秒6221分32秒335
637KeePer TOM'S GR Supra平川亮/サッシャ・フェネストラズBS561分32秒6991分32秒728
717Astemo NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲットBS821分32秒6891分32秒828
839DENSO KOBELCO SARD GR Supraヘイキ・コバライネン/中山雄一BS401分32秒4341分33秒078
924リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/佐々木大樹YH321分32秒726
1038ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS221分32秒782
1112カルソニック IMPUL GT-R平峰一貴/松下信治BS561分32秒853
1236au TOM'S GR Supra関口雄飛/坪井翔BS801分33秒012
131STANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS1001分33秒070
1419WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/宮田莉朋YH401分33秒174
153CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/千代勝正MI561分33秒333
14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)は2位
64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)は3位

GT300クラス、100kg積んでもコースレコードのBRZをさらに上回るタイムをマークしてハイブリッドプリウスがポールポジション獲得

31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組、BS)がGT300のトップタイム。コースレコードを記録

 予選1回目(Q1)はGT300の通例どおり、Aグループ、Bグループの2つに別れて行なわれた。それぞれ14台が出走し、上位8台までが予選2回目(Q2)へと進むことができる。

 Q1のAグループでは、今シーズン厳しい戦いが続きポイントもあまり獲得出来ていない31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組、BS)がトップタイムをマークした。それに続いたのは、ランキングトップでサクセスウェイト上限となる100kgを搭載している61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)。

 61号車は前戦のスポーツランドSUGOをポール・トゥ・ウィンで優勝しており、その余勢を駆ってこのレースでも調子はよさそう。その一方ランキング3位で同じく100kgを搭載している244号車 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威組、YH)は13位とQ1脱落となった。これを見れば、100kgのサクセスウェイトはこのコースではかなり厳しいはずだが、61号車には重さは関係ないのだろうか……。なお、Aグループ3位は31号車と同じaprチームの30号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(永井宏明/織戸学組、YH)だ。

 Q1のグループBでトップタイムをマークしたのは、18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平組、YH)。18号車は午前中の練習走行では2度もトラブルでコース脇に止めることになったが、それを克服してのトップタイムだ。2位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)、3位は60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)だ。シリーズランキング上位勢ではランキング2位の56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)は9位で惜しくもQ2へは進めなかった。

 GT300のQ2はコースレコードの出し合いとなり、ハイレベルの予選が展開された。最初にコースレコードを破ったのが61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。これで決まりかと思われた最終盤に、31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTがそのタイムを0.227秒上回って1分42秒039の新しいコースレコードをマークしてポールポジションを獲得した。61号車が2位で、3位には52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、4位は65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)、5位は96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、DL)、6位は60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)。

GT300クラス 予選結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤサクセスウェイトQ1Q2
131TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴BS1分42秒6871分42秒039
261SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL1001分42秒8691分42秒316
352埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS661分42秒7521分42秒727
465LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/菅波冬悟BS751分43秒5801分43秒112
596K-tunes RC F GT3新田守男/阪口晴南DL241分43秒3761分43秒391
660SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL871分42秒9381分43秒605
788JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH781分44秒0171分43秒748
82muta Racing Lotus MC加藤寛規/阪口良平BS691分43秒7011分43秒869
95マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号平木湧也/平木玲次YH181分43秒6971分44秒110
1018UPGARAGE NSX GT3小林崇志/名取鉄平YH91分43秒7101分44秒113
1121Hitotsuyama Audi R8 LMS川端伸太朗/篠原拓朗YH1分43秒7201分44秒163
126Team LeMans Audi R8 LMS本山哲/片山義章YH1分43秒4821分44秒223
1387グランシード ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH241分43秒7141分44秒578
1430TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学YH241分43秒1041分44秒578
1510GAINER TANAX with IMPUL GT-R星野一樹/石川京侍DL211分43秒9361分45秒326
169PACIFIC NAC CARGUY Ferrari木村武史/ケイ・コッツォリーノYH361分43秒1731分45秒654
1735arto RC F GT3ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジYH1分44秒193
1856リアライズ日産自動車大学校 GT-R藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラYH1001分43秒791
194グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH601分44秒258
2050Arnage AMG GT3加納政樹/柳田真孝YH1分44秒191
2125HOPPY Porsche松井孝允/佐藤公哉YH271分44秒337
2211GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信DL781分44秒370
2355ARTA NSX GT3高木真一/佐藤蓮BS901分44秒590
2434Yogibo NSX GT3道上龍/密山祥吾YH151分44秒407
25244たかのこの湯 GR Supra GT三宅淳詞/堤優威YH1001分44秒919
26360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤YH1分44秒734
2722アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹YH1分45秒392
2848植毛ケーズフロンティア GT-R田中優暉/内田優大YH1分45秒221
297Studie PLUS BMW荒聖治/山口智英YH2分11秒723
61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはコースレコードを記録。100kgのサクセスウェイトを搭載しての2位は驚異
52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)

 日曜日は13時半から決勝レースが行なわれる予定になっており、予選日同様晴れになることが予想されている。決勝も熱いレースが展開されることに期待したい。