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日野、「ダカール・ラリー2022」参戦車両が完成 オフロードでのテスト走行実施
2021年10月25日 18:01
- 2021年10月25日 発表
初めてレース用ハイブリッドシステムを搭載したマシンを開発
日野自動車は10月25日、「日野チームスガワラ」として参戦するダカール・ラリー2022の参戦車両が完成したことを発表した。
3度目のサウジアラビア開催となる2022年大会では、2020年のレースに参戦したボンネット車両(北米専用車)ベースに、さらなる軽量化が図られ、日野初のレース用ハイブリッドシステムと高馬力エンジンを搭載。開発・テストを繰り返し、圧倒的な動力性能を実現したという。そして日野チームスガワラは、受け継がれるチャレンジングスピリットを胸に、長年にわたる経験と技術を駆使し、レース用ハイブリッドシステムを搭載した車両で「世界一過酷」と言われるダカール・ラリーに挑む。ダカール・ラリーはサウジアラビアを舞台に2022年1月2日~14日に開催される。
チーム代表兼ドライバーである菅原照仁氏は「10月のテスト走行でハイブリッドやオートマチック、足まわりといったセッティングを煮詰めてきました。加速性能も飛躍的に向上し、期待の持てる速さに仕上がりました。本番で大型ライバル勢にどこまで立ち向かえるかを楽しみにしています」と述べている。
また、プロジェクトチーフエンジニアの榎本満氏は「ダカール・ラリー2020に参戦したボンネット車をベースに、徹底的に加速性能を向上。エンジンは新開発の高効率ターボで800ps化、瞬発的なモーター出力が期待できるバッテリー(キャパシタ)を採用し、エンジン+ハイブリッドの合計で1000psオーバーを実現しています。さらに、瞬時に変速するレース用ATや高強度アルミとGFRPを多用した超軽量リヤボデーの採用など、新技術を満載しました」とコメントしている。
また、日野チームスガワラ公式YouTubeチャンネルでは、日野自動車のテストコースでのテスト走行の模様や、パイプフレームに外板を装着する作業やハイブリッドモーターや駆動系パーツの組み付けシーンなど貴重な制作動画も公開されている。
参戦車両の主な仕様
ドライバー | 菅原照仁(監督兼任) |
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ベース車両 | HINO 600シリーズ |
エンジン型式 | A09C-TI(ターボインタークーラー付き) |
エンジン形式 | ディーゼル4サイクル直列6気筒 |
排気量 | 8,866L |
エンジン最高出力 | 588kW(800PS)/2,900rpm |
エンジン最大トルク | 2,295Nm(234kgfm)/1,700rpm |
HV最高出力 | 206kW(280PS) |
システム最高出力 | 794kW(1,080PS) |
駆動方式 | フルタイム4WD |
トランスミッション | AT(前進6速・後退1速) |
トランスファー | Hi-Loレンジ切替付、センターデフロック付 |
タイヤ | XZL 14.00R20 |
車両重量 | 8,600kg |
ボディサイズ | 6,700×2,500×3,100mm(全長×全幅×全高) |
ホイールベース | 4,170mm |
燃料タンク | 800L |