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トヨタ、WEC 2021シリーズチャンピオン獲得に豊田章男氏がコメント発表
2021年11月8日 19:37
- 2021年11月8日 発表
11月6日(現地時間)に開催されたWEC(FIA世界耐久選手権)最終戦バーレーンで、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)「GR010 HYBRID」の8号車、7号車の2台が1-2フィニッシュ。中嶋一貴選手のラストレースとなる8号車が勝利し、7号車が2021シーズンのドライバーズチャンピオンを獲得したことを受け、チームオーナーの豊田章男氏がコメントを発表した。
同大会では、中嶋一貴選手、セバスチャン・ブエミ選手、ブレンドン・ハートレー選手のGR010 HYBRID 8号車が今季3勝目を挙げ、WECレギュラードライバーとして最後のレースとなった中嶋選手はラストレースを勝利で飾った。
2位でレースをフィニッシュした、小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手、ホセ・マリア・ロペス選手の3名が駆るGR010 HYBRID 7号車は、今シーズンのル・マン24時間レース覇者の存在に加えて、ハイパーカー時代の初代ドライバーズチャンピオンを獲得。チームについても第5戦バーレーン6時間で、4度目となるチームチャンピオンを決めている。
WECのレギュラードライバーから勇退を発表した中嶋選手は、WECのレースに通算59戦出場し17勝。2018-2019年シーズンには、ブエミ選手とフェルナンド・アロンソ選手とのトリオで、日本人として初となる、4輪サーキットレースでのFIA世界チャンピオンに輝いている。
今大会に出場した2台のGR010 HYBRIDには、3度のル・マン24時間制覇を成し遂げた中嶋選手の耐久レースでのキャリアに敬意を表した特別なマーキングが施された。8号車の最終スティントでは中嶋選手がステアリングを握り、GR010 HYBRIDをドライブしてWEC最後の走りを披露。そして、現地時間の22時、中嶋選手がドライブする8号車がトップでチェッカーを受け、2012年1月にTS030 HYBRIDでの初走行から10年にわたるWECでの中嶋選手の戦いは幕を閉じた。
中嶋選手は「このような最高の結果でWECのキャリアを終えることができ、本当に嬉しいですし、最高のチームメイトに恵まれた私は幸運でした。チームとして最後まで全力で、諦めることなく戦い続けました。ファイナルラップでは、感情を抑えきれず、ドライビングに集中するのが大変でした。しかし、なんとかトップでチェッカーフラッグを受けることができ、私自身はレースで勝利、7号車がドライバーズタイトル獲得、TOYOTA GAZOO Racingがチームタイトルを獲得するという最高の結果となりました。本当にみんなの反応が嬉しく、感動しています。チームメイトや、TGRの関係者、ずっと支えてくれた全ての人に本当に感謝しています」とコメントしている。
TOYOTA GAZOO Racingチームオーナーの豊田章男氏のコメント
中嶋選手のラストランとなる最終戦での優勝と、2021年シーズンのドライバーズチャンピオン獲得に、TOYOTA GAZOO Racingチームオーナーの豊田章男氏がコメントを発表。以下はその全文となる。
可夢偉、マイク、ホセ、一貴、セブ、ブレンドン、そしてチームのみんな
先週言わなかったけど、まずはチームチャンピオンおめでとう!
ハイパーカー最初の年に6戦全戦で優勝してくれました。しかし、それらが決して楽な勝利でなかったことはわかっています。
新たな挑戦として我々がつくったGR010 HYBRIDはドライバーにとって“安心して運転できるクルマ”“運転しやすいと思えるクルマ”では決してなかったと思います。
優勝していない方のクルマがなにかしらのトラブルを抱えて走り続けていたこともありました。ル・マンでは前戦で起こしたトラブルに対策しきれずドライバーの絶大な努力のもとで走り切ることができた勝利でした。
そんな2台のクルマをチャンピオンカーにしてくれたこと本当に感謝しています。
みんな、ありがとう。
可夢偉とマイクとホセはドライバーズタイトルもおめでとう!
「ル・マン優勝おめでとう!」
「ドライバーズチャンピオン“も”おめでとう!」
この両方を言えていなかったのでようやく言えてホッとしました。本当によかった!!
2021年の世界耐久選手権、あと2つ感謝の言葉を伝えさせてください。
ひとつは新たなクラスでの戦いを支えてくださったパートナーの皆さまと応援し続けてくれたファンの皆さまに向けての感謝です。
今シーズンも一緒に戦っていただきありがとうございました。
もうひとつは……
今回のバーレーンでの勝利を最後にこのシリーズのドライバーズシートから降りることを決めた一貴への感謝です
一貴は2012年からこの挑戦に力を貸してくれていました。10年間、戦ってくれたレースの距離はおよそ3万キロ。シーズン前の30時間走行テストなども考えればもっと長い距離かもしれません。耐久レースという本当に過酷な道の上でトヨタのハイブリッドを鍛え続けてくれたこと感謝しています。このハイブリッドの進化は今の世の中、そしてこれらからの世の中にも大きく関わっていくものになっていると思います。
3万キロの戦いをありがとう。
そして、2016年にあと13.629km長く走らせてあげることができていたら...
そんなこともやはり思い出します。しかし、あの時のことも含めて我々トヨタを強くしてくれたのも一貴だと思います。
10年間、本当にありがとう。
これからも
“トヨタのもっといいクルマづくりのため”
“モータースポーツのため”
そして
“自動車産業のため”に
一緒に戦っていってほしいと思っています。
引き続き、力を貸してください。
チームオーナー 豊田章男
追伸
2016年に同じくあと13.629km長く走らせてあげることができなかったアンソニーも今シーズンで引退と聞きました。
ル・マンで初めて勝てた時はドライバーという立場ではなかったけれど影でチームを支え、勝利に貢献してくれていました。 改めてアンソニーにも感謝の言葉をおくります。
ありがとう。おつかれさまでした。