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ブリヂストンとミシュラン、タイヤ・ゴム業界におけるサステナビリティの進化へ向けて連携

2021年11月19日 発表

 ブリヂストンと仏ミシュランは11月19日、11月22日~23日(現地時間)にオランダ・アムステルダムで開催される「スミサーズ・リカヴァード・カーボンブラック・カンファレンス」において、マテリアル・サーキュラリティに貢献する再生カーボンブラックの利用拡大についての公開討論に参加すると発表した。

 今回の公開討論において、両社はカーボンブラックの再生技術の確立と新品タイヤ生産への利用拡大の展望について話をするとしており、その実現に向けてタイヤメーカー各社、カーボンブラックサプライヤー、再生資源への還元技術を持つスタートアップ企業など、タイヤ・ゴム業界にかかわるすべてのステークホルダーとの連携の必要性を訴えるという。

 今後、共同イニシアチブの一環として、サーキュラーエコノミーの実現に向けたタイヤ・ゴム業界としての取り組み方針の検討を促進していくとともに、2022年には両社から、再生カーボンブラックの利用拡大に向けた技術要件や課題と対策についての具体的な報告を行なうとしている。

 今回の発表について、ブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエー 戦略・変革担当 バイスプレジデントのジェイコブ・ロンショルト氏は「再生カーボンブラックの利用拡大はサステナブルなモビリティ社会の実現を目指すブリヂストンにとって不可欠なものです。今回の公開討論を契機に、ブリヂストンはミシュランやその他ステークホルダーの皆さまとともに、CO2削減や100%サステナブルマテリアル化に向けた取り組みをさらに推進していきます」とコメント。

 また、ミシュラン エンド・オブ・ライフ・ラバー・プロダクツ・ビジネス バイスプレジデントのサンダー・ファルミューレン氏は「タイヤ業界における再生資源の利用について、その制約やハードルについてこれまで長らく議論が続けられてきました。今後、業界全体のマテリアル・サーキュラリティの実現に向けて使用済みタイヤの再生資源としての利用拡大についてより積極的な活動を推進していくにあたり、ミシュランのビジョンをブリヂストンと共有できたことを嬉しく思います。同社とともに、タイヤ業界のバリューチェーンにかかわるすべてのステークホルダーの皆さまと連携しながら歩みを進めてまいります」と述べている。

 なお、世界では毎年およそ10億本のタイヤがその役割を終えると推定されるなか、使用済みタイヤの原材料の再利用や再生技術の研究が進められている。一方で、よりサステナブルなエコシステムを構築し、タイヤ・ゴム業界全体におけるマテリアル・サーキュラリティを実現するにはさまざまな障壁があるのが実態という。

 タイヤの重要な原材料であるカーボンブラックに占める再生カーボンブラックの割合は、再生から使用にいたる循環が未確立であるため、世界全体で1%未満に留まっている。再生カーボンブラックの利用が拡大されることで、タイヤ・ゴム業界ではタイヤの性能を維持したまま石油由来の原材料の使用量を抑制することができると同時に、新品のカーボンブラックを使用した場合に比べ、製造時のCO2排出量を約85%まで削減することができるという。