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セレンス、AIを活用する「Cerence Browse」をトヨタモーターノースアメリカが初採用

2021年12月16日(現地時間) 発表

 セレンス(Cerence Inc.)は12月16日(現地時間)、トヨタ自動車の米国部門トヨタモーターノースアメリカ(TMNA)がトヨタとレクサスの次世代マルチメディアシステムに、セレンスのAIを活用したクラウドベースの「Cerence Browse(セレンスブラウズ)」を採用すると発表した。

 Cerence Browseは、リアルタイムに情報をスキャンして意味を抽出する機械読解AIを活用。「スペースニードル(米国シアトル市にある展望台)について教えて」や「スペースニードルの高さは?」など、一般的なユーザーの質問に対して、まるで人間が話すのと同じように可能な限り最良の回答を返すという。

 このCerence Browseにより、トヨタとレクサスの搭乗者は、地理データ、株式情報、天気、天文、レジャー、通貨、政治、食やグルメ、有名人、ニュース、イベントなどの一般的な情報を含め、リアルタイムにさまざまな情報の問い合わせが可能になるとしている。

 以前の音声ソリューションでは、天気の確認、道順の取得、レストランの検索など、主に運転や旅行に関する問い合わせが目的とされていたが、Cerence Browseでは、さらに新しいレベルの包括的な情報検索をリアルタイムにもたらし、TMNAが提供する車内体験をさらに広げるとしている。

 トヨタモーターノースアメリカ コネクテッドテクノロジーズのバイスプレジデント兼エグゼクティブチーフエンジニア、チャラン・ロタ(Charan Lota)氏は「トヨタとレクサスのお客さまは、日常生活をより便利で生産的にする革新的でインテリジェントな車内体験に大変注目しています。私たちは、Cerence Browseを導入して、他のスマートホームやモバイル音声アシスタントで利用する情報に、外出先からでもアクセスを可能にする最初の自動車メーカーになることを誇りに思います。新しいレクサス『NX』およびトヨタ『タンドラ』の購入者は、この素晴らしい機能の最初の体験者になるでしょう」とコメント。

 セレンスのCEOステファン・オルトマン氏は「Cerence Browseは、自動車メーカーが質問に対する人間のような独自の応答を可能にする、素晴らしい深層推論ネットワーク(Deep Reasoning Network)技術です。Cerence Browseを導入することで、トヨタはユーザーのエンゲージメントと満足度の向上、そして車内での音声アシスタントの全体的な使用の増加を期待できます」と述べている。