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シトロエン、新型「C4」「E-C4」発表会 「Cセグハッチバックへの再参入で販売を加速する」とポンタス・ヘグストロム社長

2022年1月7日 開催

新型「C4」と新型BEV(バッテリEV)「E-C4」の発表会に出席したGroupe PSA Japan株式会社 代表取締役社長 兼 CEOのポンタス・ヘグストロム氏(右)、マーケティング部ダイレクターのトマ・ビルコ氏(左)

 シトロエン(Groupe PSA Japan)は1月7日、1月22日に発売する新型「C4」と新型BEV(バッテリEV)「E-C4」の発表会を、東京都渋谷区の代官山T-SITEで開催した。

 新型C4はCセグメントに属するハッチバックモデルで、MI 6、AMI 8、GS、GSA、BX、ZX、Xantia、Xsara、C4、C4 CACTUSといった歴代シトロエンが世に提示してきた“ひとびとのためのちょうどいいサイズ”のクルマ。ハッチバックのエレガンスとダイナミズムを備えつつ、SUV的な力強さと個性を融合させたデザインが与えられている。

 新型C4ではBセグメントおよびCセグメント専用となる最新世代のコンパクトプラットフォーム CMP(Common Modular Platform)を採用し、直列3気筒1.2リッターターボエンジン、直列4気筒1.5リッターディーゼルターボエンジンをラインアップするとともに、日本におけるシトロエン初のフルEVであるE-C4をラインアップしている。

 E-C4については、最高出力100kW(136PS)、最大トルク260Nmの高効率電動モーターと50kWhの大容量リチウムイオンバッテリパックを採用する。このバッテリパックは液冷ヒートポンプで充放電時のバッテリ温度の管理と最適化を図っており、1個当たり約13.1kgのモジュールを18個組み合わせ、総体積は約220L、重量は約350kg。このバッテリパックは一般的なEVプラットフォームと異なりフロントシート座面下、リアシート座面下、センターコンソールなど車体を上から見たときにH型に重量配分を考えてバッテリを分けて効率的に配置した。航続距離はWLTCモードで405km、0-100km/h加速は9.7秒、最高速は150km/hとした。

日本におけるシトロエン初のフルEV「E-C4 ELECTRIC」(465万円)。ボディサイズは全グレード共通で4375×1800×1530mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2665mm
エクステリアではV字型のLEDシグネチャーライトをはじめ、高めのアイポイント、クーペのようななだらかに傾斜するルーフラインなどを特徴とする。装着タイヤはミシュラン「e-PRIMACY」(195/60R18)
インテリアではダッシュボードのデザインに横方向の広がり感を強調する水平基調を用い、センター部に10インチのタッチスクリーン・インフォテイメントシステムを搭載。その下にエアアウトレット、さらに下には新たにダイヤルと押しボタンのフィジカルな空調コントロールを設け、運転中の操作性をアップ。レーンポジショニングアシスト、アクティブクルーズコントロールなどの操作はロジックを変更し、ステアリング左に集約。シフトセレクターはクロームで仕上げたトグルスイッチを新採用し、指先の軽いタッチでの操作を可能にしている
ICE(内燃機関)としてはガソリンモデルの1.2リッター PureTechターボエンジン、1.5リッター BlueHDiディーゼルターボエンジンを用意

2021年のシトロエンは8年連続の販売増

Groupe PSA Japan株式会社 代表取締役社長 兼 CEOのポンタス・ヘグストロム氏

 新型C4の発表会には、Groupe PSA Japan 代表取締役社長 兼 CEOのポンタス・ヘグストロム氏が出席して2021年の振り返りを行なうとともに、Groupe PSA Japan マーケティング部シトロエンプロダクトマネジャーの水谷昌弘氏が車両概要を紹介した。

 はじめに登壇したヘグストロム社長は、2021年にグループPSA(Peugeot S.A.)とFCA(Fiat Chrysler Automobiles N.V.)が対等合併してできた「ステランティス」(Stellantis N.V.)について触れ、FCAジャパンとGroupe PSA Japanの7つのブランドは合計で2021年の販売台数が4万4000台を超えて対前年比は10%を超え、両社は輸入車メーカーの中で最も成功を収めた2社となりましたとコメント。シトロエンについても8年連続の販売増を達成し、販売台数は5800台を超えたという。

 この成長の主たる要因は3つあるとし、第一に「ベルランゴの好調な販売」、第二に「個性的なプロダクトデザインと、あらゆる面での快適性の追求が評価されたこと」、第三に「オンラインとオフラインのハイブリッドなコミュニケーション戦略の成功」を挙げる。

2021年の販売台数は5800台を超えた

 第一の「ベルランゴの好調な販売」について、ヘグストロム社長は「2021年は、ベルランゴにとって初めて通年で販売した年でした。2019年、デビューエディションがオンライン予約で6時間足らずで完売した勢いは衰えず、ベルランゴは2020年8月のデビュー以来、快進撃を続けています。昨年は、シトロエンの売上のおよそ半分がベルランゴによるものでした」と説明。

2021年のシトロエンの売上のおよそ半分がベルランゴによるもの

 また、第二の「個性的なプロダクトデザインと、あらゆる面での快適性の追求が評価されたこと」については「2016年のパリモーターショーで発表されたコンセプトカー『CXPERIENCE(Cエクスペリエンス)』にインスパイアされた『C3』を皮切りに、快適性を重視した新しいデザイン言語を最新のシトロエン製品に組み込んだことです。この新しいデザイン言語は、シトロエンがその伝統を再評価し、コアバリューとして快適性とユニークさに改めて焦点を当てたことから生まれました。シトロエンが定義するクルマの快適性とは、いかにスムーズな乗り心地か、いかに居心地のよいインテリアか、いかに荷物を積みやすいか、つまり、あらゆる面での快適性を意味しています。このようにあらゆる面で快適性を重視している自動車ブランドはシトロエンだけなのです。お客さまにとってとても新鮮な、新しいブランド価値を提供することに成功したと言えます」と述べた。

Cエクスペリエンスと新型C4の比較

 そして第三の「オンラインとオフラインのハイブリッドなコミュニケーション戦略の成功」については、「お客さまが実際にショールームに足を運び、シトロエンの世界を体験していただけなければ、いくら優れたプロダクトでもその存在を知られることはありません。私たちは、お客さまとのタッチポイントを増やすべく、オンラインPRイベントとオフラインの展示会を組み合わせ、お客さまをショールームにお誘いする仕組みを続けてきました。2021年は、NEW C3のオンライン発表会をここ蔦屋書店代官山店で実店舗の展示と組み合わせて開催しました。また、昨年の6月には、電動化によって静かでより快適な乗り心地を実現した『C5エアクロスSUV プラグインハイブリッド』をオンラインでPR発表し、さらにサイクルモードライド大阪や、あのフジロックフェスティバルなどで実車の展示をいたしました。昨年11月のNEW C3エアクロスSUVのフェイスリフトの機会を捉えて、下北沢でシトロエン流のお客さま向け展示イベント『La Fete a la Facon de CITROEN』を開催しました。この度の新型C4とE-C4エレクトリックのローンチは、シトロエンとして初となる『パワー・オブ・チョイス』の提案ですので、週末にコアターゲット層が訪れるここ代官山で、今までの成功の方程式を再現することにしました」と、新型C4の発表会を代官山で開催した背景などを語った。

2021年にはさまざまなイベントを開催

 一方、新型C4については新型C4とE-C4エレクトリックは、コンセプトカー「CXPERIENCE」のデザイン言語を初めて全面的に取り入れたモデルで、日本の道路にマッチするコンパクトなサイズと、伝説的なハイドロニューマチックサスペンションを現代風にアレンジしたPHCサスペンション、プログレッシブ・ハイドローリック・クッション・サスペンションを搭載し、シトロエンならではの乗り心地の良さを実現しているとアピール。

 また、フルEVであるE-C4については「シトロエンの伝説的な乗り心地を静かなキャビンで楽しみたいという、時代を先取りする人々からの注目を期待しています」と述べるとともに、「新型C4とE-C4エレクトリックは、新しいお客さまだけでなく、大切なシトロエンのファンや過去のGS、BX、エグザンティア、C4などのオーナーにも注目されると信じています。新型C4とE-C4エレクトリックは、長らくラインアップになかったCセグメントハッチバックへの再参入です。これらのモデルの追加により、今年のシトロエンの販売はさらに加速すると考えています」と述べあいさつを締めくくった。

長らくラインアップになかったCセグメントハッチバックへ再参入

新型C4のポイントは?

Groupe PSA Japan株式会社 マーケティング部シトロエンプロダクトマネジャーの水谷昌弘氏

 水谷氏からは新型C4の車両概要の説明が行なわれた。2021年の日本市場における純輸入車マーケットは25万9000台となり、2020年から1.7%増という結果となった。その内訳を見ると、Cセグメントモデルの販売台数は7万2000台(1月~11月末)となり、輸入車の最大マーケットになっているという。そのCセグメントをボディ別に見ると、SUVが45%で最大シェアとなるが、ハッチバックはそれに続く25%のシェアとなり、今回の新型C4はこの競争の激しいCセグメントハッチバックに属するモデルとなる。

2021年の日本市場における純輸入車マーケットについて。Cセグメントモデルの販売台数は7万2000台(1月~11月末)
Cセグメントにおけるハッチバックモデルシェアは25%

 その新型C4のポイントは「ユニークなコンセプトとデザイン」「究極的な快適性とその体験」「ブランド初のBEVを含むパワートレーンの選択の自由」の3点。

新型C4のポイント

 まずデザイン面では高い車高、ひと目で分かるフロントフェイス、衝撃を吸収するエアバンプなどを備え、先代C4とC4 CACTUSをモダンに融合させたのが新型C4と水谷氏は語る。また、先代から3cmほど高めて170mmとした最低地上高、従来からタイヤの直径を約5cm大きくしたことにより、1.22mという高いアイポイントを実現しており、「この数字は同セグメントの競合車と比べて7cm~10cm程度高く、この視認性のよさは予防安全への配慮から導き出されたもの」(水谷氏)という。

 また、フロントグリル中央のダブルシェブロンから続くクロームのラインが左右にV字型のLEDシグネチャーライトへと伸びやかに繋がるデザインは、2016年のパリモーターショーでワールドプレミアされたCXPERIENCE、2019年に発表された創業100周年を記念した電動コンセプトカー「19_19 Concept」に直接的なインスパイアを受けたもの。

 ボディサイズは4375×1800×1530mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2665mmで、セグメントリーダーであるフォルクスワーゲン「ゴルフ」と比べて8cm長く、1cm広く、5.5cm高いスタイルとなっている。プラットフォームはICE(内燃機関)とBEVを混流生産することを可能にした最新世代のコンパクトプラットフォーム CMP(Common Modular Platform)を採用する。

デザインについて
新型C4のボディサイズ

 インテリアではダッシュボードのデザインに横方向の広がり感を強調する水平基調を用い、ピアノブラックとサテンクロームを程よく配したモダンなデザインを採用。センター部の高い位置に10インチのタッチスクリーン・インフォテイメントシステムを搭載したほか、5.5インチデジタルインストルメントパネルやポップアップ式のカラーヘッドアップディスプレイを搭載するなど、最新の装備が与えられている。また、シフトセレクターはクロームで仕上げたトグルスイッチを新採用しており、指先の軽いタッチでの操作を可能としている。

インテリアの特徴

 快適性については、シトロエン創業以来100年以上に渡るクルマ作りのテーマ、コンフォート(快適性)をさらに押し進めた「CITROEN ADVANCED COMFORTプログラム」という開発コンセプトのもと、“ハイドロニューマチック”の現代的解釈であるPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)を採用。

 PHCは通常のツインチューブダンパーの構造に第二のダンパーシリンダーが加わったもの。このセカンダリーシリンダーには複数のポートが開けられており、その内径にあったセカンダリーピストンが存在。サスペンションのストロークが進むとこのセカンダリーピストンがシリンダーに入り込み、ハイドローリックバンプストップとして作用する。これにより、サスペンションが小さく細かく動く状況や、サスペンションのストロークスピードが低い状況では減衰力が低く抑えられるため、ソフトでスムーズないわゆる“ゆるフワ”な乗り心地を提供するという。一方でサスペンションが大きく動く状況では、前述のセカンダリーピストンとシリンダーが産み出す減衰力で衝撃をスムーズに吸収し、大きな凹凸でも底付き感のない懐の深いフィーリングを提供するとのこと。

 また、シートにはアドバンストコンフォートシートを全車に採用。これはシート生地裏に特別なフォームを配することで、身体とシートの“当たり”感を改善したもので、生地裏のフォームのボリュームも従来の2mmから15mmへとアップしたことでしっとりふっかりとした柔らかさを実現し、疲労につながる車体の微震動をシートが吸収するという特徴を持つ。水谷氏は「ボディからの振動を吸収し、乗員にベストな乗り心地を提供する設計」と評した。

PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)を搭載
しっとりふっかりとした柔らかさを実現したアドバンストコンフォートシート

 そのほか、助手席側のダッシュボードにタブレット端末を固定するスタンドを用意し、専用ホルダーに入れた端末を走行中でも安全・快適に操作することができる「シトロエンスマートパッドサポート」を備えたこと、約30km/h~180km/hの速度域に対応する「アクティブクルーズコントロール」や、アクティブクルーズコントロール作動中に渋滞などで前走車が停車した場合は適切な距離を保ちつつ完全停止と3秒以内の再発進が可能な「トラフィックジャムアシスト」、万が一の衝突時にエアバッグやシートベルトプリテンショナーが作動すると自動的にブレーキをかけ、二次的な衝突リスクを軽減するシトロエン初の装備「ポストコリジョンセーフティブレーキ」など17の運転支援システムを装備することなどを紹介した。

シトロエンスマートパッドサポート
17の運転支援システムを装備
コネクティビティ
収納スペース
広大なスライディングガラスサンルーフ
ラゲッジスペース
ボディカラー
インテリア仕様
価格表
E-C4について