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トヨタ、自動走行でドリフトする「GRスープラ」 クローズドコースの周回に成功

2022年2月2日(現地時間) 発表

自動走行でドリフトするGRスープラ

 トヨタ自動車の研究機関TRI(Toyota Research Institute)は2月2日(現地時間)、世界初となる、クローズドサーキットにおいて自律的にドリフト走行する車両のプログラムに成功したと発表。公式Webサイトには、GRスープラが自動でドリフト走行しながらコースを周回する映像を公開した。

 実験は、サンダーヒルレースウェイにある2マイルのクローズドコースで行なわれた。自動運転研究用に特別にカスタマイズされたGRスープラがテストに使用され、コンピューター制御のステアリング、スロットル、クラッチ、シーケンシャルトランスミッション、ブレーキを装備した。

 また、ドリフトのエキスパートドライバーからデータを収集する目的で、サスペンション、エンジン、トランスミッション、シャーシ、および安全システム(ロールケージ、消火など)は、フォーミュラドリフトで使用されているものと同様に変更された。

 自動運転でドリフト走行させる新しいテクノロジーには、NMPC(Nonlinear Model Predictive Control:非線形モデル予測制御)を使用。このNMPCコントローラーによって、タイヤの限界点を超えた車両の動作領域を制御することが可能となり、ドリフト走行からグリップ走行にスムーズに移行できることを実証した。

 この研究の背景にある考え方は、突然の障害物や路面凍結などの危険な道路状況において、事故を回避するために制御されたドリフトを利用すること。

 TRIのHuman Centric DrivingResearchのシニアマネージャーであるAvinash Balachandran氏は「TRIの目標は、人間に取って代わるのではなく、人間を増強および増幅する高度なテクノロジーを使用することです」と述べるとともに、「このプロジェクトを通じて、私たちはクルマが制御できる領域を拡大し、通常のドライバーにプロのレーシングドライバーの本能的な反射神経を与えて、最も困難な緊急事態に対処し、道路上の人々をより安全に保つことができるようにすることを目標としています」とコメントしている。

自動でドリフト走行するGRスープラ