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パイオニア、カーナビとドライブレコーダー機能が合体した新製品「NP1」ファーストインプレッション
2022年2月10日 11:30
- 2022年2月10日 発表
この春にリリースされるパイオニアの車載用ガジェット、それが「NP1」だ。今回、正式発表を前に少しだけ体験することができた。キチンとしたレビューは後日お届けするとして、まずは簡単に紹介しておこう。
さて、このNP1。前後にレンズが付いた箱形の筐体は、見た目にはちょっと大きめのドライブレコーダーって感じ。実際のサイズも118×36×93mm(幅×高さ×奥行き)と、手のひらにちょうど載るぐらいのコンパクトさ。だが、実は多くの機能がギュっと詰め込まれた驚きのアイテムなのだ。
機能の1つ目はカーナビ。「えっ? 画面ないじゃん!」と思うかもしれないけれど、実はこれ、操作はもちろん検索や案内まですべてを音声のみで行なう。使い方はウェイクコマンドである「NP1(エヌピーワン)」で呼び出して、「○○して」と語りかけるだけ。要はスマートスピーカー的な音声による対話型ナビで、同社では「スマート音声ナビ」と定義している。
当然、スマート機能を利用するにはネット接続が必要になるが、使用開始時からの一定期間は製品価格に含まれるカタチ。例えば1年分の初期費用をカバーするタイプだと製品価格は6万5780円。それ以降は通信量とサービス利用の更新料を別途支払うことになる。
こうした説明を事前に受けた際、目的地の検索に関してはこれまでのカーナビにも音声検索が搭載されているし、スマホアプリでもごく普通の流れなのでイイとしても、案内は画面がないとキツいのでは? と思ったのが正直なところ。が、実際に装着車両に乗り込んで走ってみたところ「お、これでも大丈夫かも」と、思い直した。
というのも、曲がる交差点までの距離や走行レーンを教えてくれるのはもちろん、直進する交差点でも「間もなく直進です」と逐次教えてくれるのだ。逆に「目的地まであと何分?」「今どこを走っているの?」のように尋ねれば、それにもキチンと答えてくれるので安心度は高い。それでも不安な場合、スマホアプリ「My NP1」を使うことでスマホ上にカーナビのような地図画面を表示することも可能と至れり尽くせり。もちろん、車載型のカーナビのように細かなカスタマイズはできないけれど、ルート探索に関しては同社の「サイバーナビ」で使われている「スーパールート探索」と同様なリアルタイム交通情報やプローブデータを使ったものなので不満は出ないはずだ。
2つ目はドラレコ。こちらはスタンドアローンでも利用できるもので、車内と車外を同時にフルHDで記録することが可能。ただし、通信タイプとすることでより便利な機能が追加されている。たとえば、衝撃感知時のいわゆる「イベント録画」はリアルタイムにサーバーにアップロードしてくれるから、SDカードのトラブルで記録できていなかったなんてことはないし、登録したスマートフォンに通知を送ってくれるから駐車時の異常監視にも対応可能(別途、駐車監視用電源ケーブルが必要)。
大雑把に書くとこの2つがメインの機能。ただ、個人的に一番注目したのが2つの機能を上手く組み合わせた「ドライブコール」だ。これは地図画面とドラレコ画面を車外の人と共有するというモノ。前方と車内映像を切り換えられるし、車内の音声も共有できるから、まさに同じクルマに乗ってドライブしている感覚。今回、試してみた感じでは遅延は数秒だし、映像も割とフレームレートが高いようでカクカクしないしと、実用面でも不満を感じさせない仕様。なかなか会うことができない遠方の友人とバーチャルドライブしたり、自宅への道案内に使ったりとなかなか面白そうなことができそうに感じられた。
標準搭載している通信機能を使った車内Wi-Fiもオプションで利用できる。こちらはNTTドコモの「In Car Connect」での利用となり、別途申し込みと利用料が必要。利用期間は同社の車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」と同じく、365日プラン、30日プラン、1日プランから選択できる。価格も同様で順に1万3200円、1650円、550円。
これまではカーナビが「主」でドラレコが「従」だったけれど、このNP1はドラレコメインでカーナビがサブといったイメージ。「地図画面のないカーナビ」がどこまで受け入れられるかは未知数ながら、新しいことができそうなガジェットなのは間違いなし。発売されるのが楽しみだ。