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ボルボ、ワイヤレス充電技術を現実の都市環境に組み込むテスト 「C40 Recharge」を用いてスウェーデンで実施

2022年3月3日(現地時間) 発表

スウェーデンのイェーテボリで「C40 Recharge」を用いてワイヤレス充電技術のテストを実施

 ボルボ・カーズは3月3日(現地時間)、新しいワイヤレス充電技術を現実の都市環境に組み込み、将来のEV(電気自動車)への応用の可能性をテストしていると発表した。

 このワイヤレス充電テストは、3年間にわたり、EVである「XC40 Recharge」の少数の法人向け車両を、北欧地域最大のタクシー事業者であるCabonline(カボンライン)のタクシーとして使用し、スウェーデンのイェーテボリにある複数の場所でワイヤレス充電するというもの。

 戦略的イニシアティブである「イェーテボリ・グリーン・シティ・ゾーン」で計画されている数多くのプロジェクトの1つとなり、市内の指定地域が持続可能な技術開発のための実地試験場として活用される。

 テストで使用される充電ステーションは、ワイヤレス電気充電システムの主要プロバイダーであるMomentum Dynamics(モメンタムダイナミクス)が提供。対応する車両が道路に埋め込まれた充電パッドの上に駐車すると自動的に充電が開始され、ドライバーはクルマから降りることなく便利に充電を行なうことができる。

ワイヤレス充電のイメージ

 ボルボ・カーズは、クルマと充電パッドの位置合わせを容易にするため、360度カメラシステムを使用する予定。XC40 Rechargeでは、ワイヤレス充電の電力は40kW以上となり、有線の11kW ACの充電器の約4倍、有線の50kW DC急速充電器とほぼ同等の充電速度が得られるとしている。

 また、実験に使用されるボルボ車は1日12時間以上使用され、年間10万kmを走行する予定。これは、ボルボのEVの商業利用シナリオで初めてとなる耐久性試験でもあるとしている。

 ボルボ・カーズの研究開発部門の責任者であるマッツ・モーバーグ氏は、「イェーテボリ・グリーン・シティ・ゾーンでは、新技術を現実の環境で試し、将来的に広く導入できるように時間をかけて評価することができます。選ばれたパートナーと新しい充電技術を一緒にテストすることは、私たちの将来のクルマのための代替充電システムを評価するよい方法です」とコメントしている。

 ワイヤレス充電プロジェクトに参加するそのほかのパートナーは、スウェーデンのボルボ車の販売会社であるボルボ・ビルおよびボルボ・カー・ソレッド、スウェーデンのエネルギー会社であるVattenfall(ヴァッテンフォール)とその充電ネットワークであるInCharge(インチャージ)、イェーテボリ市のエネルギー会社であるイェーテボリ・エネルギー、イェーテボリ市所有の市経済開発機関であるビジネスリージョン・イェーテボリなどとなる。