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三菱ふそう、電気小型トラック「eCanter」に新仕様「庫内乾燥機能付冷凍冷蔵車」「サイドオープン仕様コンテナ車」

2022年3月10日 発表

KRSに納車されたeCanterの新架装仕様「庫内乾燥機能付冷凍冷蔵車」

新たな仕様を追加することで利用シーンを拡大

 三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は3月10日、電気小型トラック「eCanter」の架装仕様を拡大し、「庫内乾燥機能付冷凍冷蔵車」「サイドオープン仕様のコンテナ車」を追加したことを発表した。

 eCanterは、MFTBCが開発した量産型電気小型トラックで、電動駆動により排出ガスが一切出ず、従来のディーゼル車と比較して騒音や振動も少ないため、都市内輸送のほか深夜早朝での輸送に適したモデル。

 今回MFTBCは、eCanterでは国内初となる「庫内乾燥機能付冷凍冷蔵車」2台を、キユーソー流通システムのグループ会社であるキユーソーティスに納車。架装メーカーのトプレックが手掛けた冷凍冷蔵車は、庫内を前後2室に仕切り、冷凍(フローズン)帯の-30℃から冷蔵(チルド)帯、常温帯、加温帯の30℃まで幅広い温度帯に設定でき、食品や医薬品などさまざまな貨物に対応できるとしている。

 また、庫内乾燥装置を搭載することで、結露水のふき取り作業や乾燥待ち時間が不要となり、作業員の負担軽減と作業時間の短縮に貢献するとともに、結露水による雑菌の繁殖を抑え、庫内を清潔に保てるという。この2台のeCanterは、今後KRSの東京SLC(東京都府中市)を起点とした配送業務に使用されるという。

eCanterの電気駆動システムは、モーター(最大出力135kW、最大トルク390Nm)と、370V・13.5kWhの高電圧リチウムイオンバッテリパックを6個搭載。車両総重量は7.5tクラスで、急速充電では最大約1.5時間、普通充電では最大約11時間の充電で、航続距離は約100kmを確保している。画像はトナミ運輸に納車されたeCanter

 さらに、トナミ運輸へeCanterでは国内初となる「サイドオープン仕様のコンテナ車」2台を納車。サイドオープン仕様は日本トレクスのキットを使用していて、トナミ運輸の砺波整備工場(富山県砺波市)が架装を実施。ウィングボディよりも側面パネルの開放時の高さが低く、軒や天井が低い建屋への集配送に最適なだけでなく、側面パネルは地面と平行に近い角度で開くため、日差しや雨よけの役割も果たしてくれるという。このサイドオープン仕様の2台は、富山市内での配送に使用される予定としている。