三菱ふそう×オリックス、「環境配慮型電力小売事業」で業務提携 商用EVトラック「eCanter」を合わせた提案を展開

RE100（脱炭素）の達成やCO2排出量の削減など運輸業界の活動を支援

　三菱ふそうトラック・バス（MFTBC）とオリックスは12月27日、オリックスの環境配慮型電力の小売に関し、業務提携を行なったと発表した。今回の業務提携では、MFTBCが電気小型トラック「eCanter（イーキャンター）」と合わせて、オリックスの環境配慮型電力を提案。クライアントは、オリックスの豊富な環境配慮型電力のメニューから、自社の課題に応じた低CO2（二酸化炭素）排出係数メニューや、再生可能エネルギーを選択可能としている。

　eCanterというゼロエミッション車両と環境配慮型電力を同時に提案することで、クライアントの環境配慮への取り組みを支援し、ひいては物流業界などの脱炭素化の加速に貢献を目指すという。まずは先行販売拠点にて活動を開始し、2022年以降に順次展開地域を北海道、四国、沖縄を除く全国に拡大する予定。

オリックスの吾妻木質バイオマス発電所

　MFTBCはeモビリティのパイオニアとして、2039年までに国内の新型車両を全てカーボンニュートラルに走行するモデルとする目標を掲げていて、2017年に発売した国内初の量産型電気小型トラックとなるeCanteは、走行時にCO2を排出しないことが特徴。これまで世界で300台以上を納車していて、クライアントから引き続き強い引き合いがあるという。

　また、eCanterを含めたeモビリティへの社会的な転換を後押しするべく、eモビリティの運用・普及における一連のサイクルを包括する「エコシステム」の構築も推進。車両の電動化の基盤となる電力に関する今回の協業は、このエコシステム構築の取り組みの一環でもあるとしている。

　一方のオリックスは、小売電気事業者として、2009年に電力小売事業を開始。現在では東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、九州電力の供給エリアで、主に店舗やオフィスビルなどの特別高圧および高圧電力施設を対象に電力供給を実施。また、クライアントの工場や倉庫、店舗などのエネルギー使用状況を把握し、省エネルギー手法の提案から実施までをトータルに支援する「省エネルギーサービス」も提供している。

　MFTBCとオリックスは、両社の得意分野の掛け合わせによって、クライアントの脱炭素の取り組みを支援し、カーボンニュートラルな社会の実現へ向けて歩みを加速するとしている。

環境配慮型電力メニューについて

再生可能エネルギー由来電力

　自社グループで運営するバイオマス発電所などでの再生可能エネルギー由来の電力を提供。産地証明可能な「環境価値」を証書化した「トラッキング付き非化石証書」を付与。RE100やRE Actionの報告に有効な電力メニューを、3段階から選択可能。