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三菱ふそう、2039年までに国内工場をカーボンニュートラル化へ

2021年7月19日 発表

三菱ふそうトラック・バスの川崎製作所

 三菱ふそうトラック・バス(以下:MFTBC)は7月19日、ダイムラートラックが掲げる全世界の製造拠点をカーボンニュートラルにするという目標に沿って、2039年までにすべてのMFTBCの工場のカーボンニュートラル化に挑戦すると発表した。

 ポルトガルに所在するMFTBCの連結子会社三菱ふそうトラック・ヨーロッパ(Mitsubishi Fuso Truck Europe S.A.、以下:MFTE)のトラマガル工場は、2022年までにカーボンニュートラルとなる見込み。

 日本国内の工場は2039年までのカーボンニュートラル化を目標としていて、すでにMFTBCの川崎・中津の両工場では、2015年比で二酸化炭素(CO2)排出量を17%削減したという。

ダイムラートラックグループは2039年までに日本、北米、ヨーロッパですべての新車をカーボンニュートラルで走行する車両に

 ダイムラートラックグループは「日本、北米、ヨーロッパで2039年までにすべての新車をカーボンニュートラルにて走行する(“tank-to-wheel”)車両とする」という目標を掲げ、2022年までに、日本、米国、ヨーロッパの主要な販売地域において、バッテリー駆動の量産車両を製品ポートフォリオに加える目標の下に開発を進めていて、2027年以降には、水素で駆動する燃料電池車両の量産モデルを加える意向を持つ。最終的な目標は、2050年までにカーボンニュートラルな輸送を達成することとしている。

 こうした製品に関する目標に加えて、生産プロセスなどバリューチェーンの他の側面でのサステナビリティにも取り組んでいて、ヨーロッパのすべてのダイムラートラックグループの工場は、2022年までにカーボンニュートラルを達成する予定。

三菱ふそうは2039年より早期の達成を目指し、ダイムラートラックグループで協力

 MFTBCの取り組みとしては、MFTEのポルトガルに所在するトラマガル工場が、2022年末までにカーボンニュートラルとなる見込みで、日本の川崎、富山、中津の3工場も、トラマガル工場に続いて、遅くとも2039年までのカーボンニュートラル化達成を目指すとしている。

 MFTBCでは、2039年をカーボンニュートラル化の目標年に設定しているが、目指すのは可能な限り早期の実現という。ヨーロッパのトラマガル工場やその他のダイムラートラックグループの生産拠点は、2022年までにカーボンニュートラルの達成に向けて順調に進んでおり、これらの拠点の知見がMFTBCの取り組みの加速にもつながると考えており、また、MFTBCからも取り組みをダイムラートラックグループの他拠点・企業に展開することで、グループ全体のカーボンニュートラルへの取り組みの加速に貢献することを目指す。

 三菱ふそうトラック・バス 代表取締役社長・CEO ハートムット・シック氏は「気候変動は地球規模で取り組み解決すべき問題です。そのため、商用車の電動化は、商用車メーカーとお客様だけでは実現できません。業界間の連携と政府の支援も、物流とサプライチェーン全体で効果的な変革を達成するにあたっては不可欠な要素です。この大きな挑戦を成功させるには、官民の協働が欠かせません」とコメントしている。

三菱ふそうトラック・ヨーロッパのトラマガル工場