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日産、研究開発中の「全固体電池の積層ラミネートセル」試作生産設備を初公開
2022年4月8日 11:36
- 2022年4月8日 発表
2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEV投入を目指す
日産自動車は4月8日、2028年度の実用化を目指して研究開発を行なっている全固体電池の積層ラミネートセルを試作生産する設備を初公開した。同社は本設備を総合研究所(神奈川県横須賀市夏島)内に設置し、全固体電池の技術開発を推進するとしている。
全固体電池は「従来比で約2倍となる高いエネルギー密度」「優れた充放電性能による大幅な充電時間の短縮」「より安価な材料の組み合わせによるバッテリコストの低減」「ピックアップトラックなども含めた幅広いセグメントへの搭載が可能」と、EV(電気自動車)の競争力と普及を促進させるゲームチェンジャーとして期待されている技術。
日産は長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」で、2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEVを市場投入することを目標に掲げ、2024年度までに横浜工場内へ同電池の量産化に向けたパイロットラインの設置を目指している。
今回公開された試作生産設備では、パイロットラインで量産試作を行なう仕様の材料、設計、製造プロセスの検討が行なわれる。また日産は、全固体電池は2028年度に1kWhあたり75ドル、さらにその後はEVがガソリン車と同等のコストレベルとなる65ドルまで低減可能なポテンシャルがあると試算している。
日産の研究開発を担当している副社長の中畔邦雄氏は「日産は分子レベルのバッテリ材料研究から、安全で高性能なEV車両開発、さらにはEV蓄電池として活用した街づくりまで、幅広く研究開発を行ない、電動化技術をリードしてきました。過去の経験から得られた知見は、全固体電池の開発を支えています。全固体電池については、重要な要素技術が積みあがってきています。今後、開発部門と生産部門で一体となってこの試作生産設備を活用し、全固体電池の実用化を加速します」と述べている。