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日産、フォーミュラEチーム「e.dams」買収 同レースの活動をさらに強化

2022年4月12日 発表

日産がフォーミュラEの活動をさらに強化

 日産自動車は4月12日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権に「日産e.dams」として参戦しているレースチーム「e.dams」を買収すると発表した。今回の買収に伴い、オーナー変更と新しい経営体制は本日付で有効となり、日産フォーミュラEを担当するゼネラル・マネージャーのトマソ・ヴォルペ氏がe.damsのマネージング・ダイレクターを兼務し、フランソワ・シカール氏が新たにスポーツ・ダイレクターに任命される。

 日産はe.damsとパートナーシップを組み、2018年に日産e.damsチームとしてフォーミュラE世界選手権に初参戦。2021年3月にはシーズン9(2022/23)からシーズン12(2025/26)までフォーミュラEに継続して参戦することを発表している。日産のフォーミュラEへの参戦は、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」で掲げる電動化と持続可能性への長期的なコミットメントに沿ったもので、今回の買収は日産がフォーミュラEの活動をさらに強化する取り組みの一環となる。

 今回の発表について、日産自動車の最高執行責任者であるアシュワニ・グプタ氏は「日産の従業員、そして世界中の日産ファンとお客さまがワクワクしてくれていることと思います。85年以上前に初めてモータースポーツに参戦したときから、勝利への飽くなき探求心が、常に日産を前進させてきました。私たちはレースへ参戦することで、技術的に大きく飛躍し、お客さまにとってより良いクルマを開発するための絶好の機会を得ることができると信じています。『e.dams』チームの買収は、フォーミュラEやエキサイティングでハイパフォーマンスなモータースポーツに対する当社の長期的なコミットメントを示しています。私たちはモータースポーツを愛しています。しかし、それだけではありません。革新的でワクワクするドライビングを提供し、ゼロ・エミッションで持続可能な社会を実現することへ情熱を注いでいます。今回の買収により、当社の電動化戦略は、より一層加速していくことでしょう」とコメント。

 また、トマソ・ヴォルペ氏は「日産がe.damsを引き継ぐにあたり、あらためて2019年に他界されたジャン-ポール・ドリオに想いを寄せています。日産とビジョンを共有し、パートナーシップを発展させた彼の意思は、息子であるオリビエ・ドリオとグレゴリー・ドリオに引き継がれました。その2人とこれまで一緒に仕事ができたことに深く感謝しています。私たちは、フォーミュラEはEVが楽しくスリリングであること、そして日産のEV技術が最先端であることをお客さまにお伝えするための最高のプラットフォームであると考えています。2018年にレースに参戦して以降、『e.dams』が蓄積してきた長年のノウハウから多くのことを学んできました。今回の発表を機に新たなスタートを切り、さらに多くの成功と経験を積み重ねていきたいと思います」と述べた。

 なお、e.damsの元オーナーであるオリビエ・ドリオ氏とグレゴリー・ドリオ氏も「フォーミュラEで、日産のような世界的なブランドと提携できたことは光栄なことでした。そして、これまでともに達成してきたことを誇りに思っています。これからは日産が手綱を握り、レースへの参戦を継続していくことになります。情熱的で革新的な企業にチームを引き継ぐことができてうれしく思いますし、シーズン8とその先のシーズンでのさらなる成功を祈っています」とコメントを寄せている。