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ステランティスとクアルコム、次世代インフォテインメントシステムの開発で業務提携

2022年4月14日(現地時間)発表

ステランティスとクアルコム、次世代インフォテインメントシステムの開発で業務提携した。供給については2024年以降を目指している

ドライバーと車両の関係を次のレベルに引き上げる

 ステランティスとクアルコム・テクノロジーズは4月14日(現地時間)、最新の「Snapdragon Digital Chassis」を利用して、2024年からステランティスの持つ14の自動車ブランドにおいて、インテリジェントでカスタマイズ可能かつ没入型の車載体験を数百万台の車両に提供するための、複数年にわたる技術協力関係の締結を発表した。

 この契約によりステランティスは、すべての主要な車両で高性能かつ低消費電力のSnapdragon Automotive Platformを活用し、すべてのソフトウェア領域をハイパフォーマンスコンピュータに統合するという計画を促進するとともに、戦略的なコンポーネントに関するステランティスのサプライチェーンの確保にも寄与するとしている。また、Snapdragon Cockpit Platformsとテレマティクスシステムの5G機能を活用することで、継続的にアップグレード可能な、パーソナライズされた最先端の体験を求める顧客の進化する期待に応えることができるという。

 ステランティスのCEOであるカルロス・タバレス氏は「クアルコム・テクノロジーズとの技術提携は、ソフトウェア定義のアプローチによって車両を変革する際に、情熱と才能にあふれた社内チームと一緒に働く業界のリーダーを特定するための1つの例です。これにより安全でパーソナライズされ、常に接続された機能を通じて、お客さまのライフスタイルのニーズをより満たすことができるようになります。クアルコム・テクノロジーズの自動車業界での幅広い経験と、半導体のリーダーとしての規模により、ステランティスの新しいプラットフォームの主要要素を垂直統合し、エレクトロニクスのサプライチェーン全体をより緊密に管理して、最高の技術へのアクセスを提供し、ステランティスの量産能力を発揮させ、Dare Forward 2030の野望を達成することができます」と述べている。

 クアルコムの社長兼CEOである、クリスチアーノ・アモン氏は「Snapdragon Digital Chassisソリューションを将来の車両に導入することで、21世紀の車両を再定義するステランティスとの取り組みを拡大できることを光栄に思います。半導体、システム、ソフトウェア、サービスを網羅したオープンで拡張性の高い包括的な自動車用プラットフォームを構築することで、ステランティスだけでなく、より幅広い自動車エコシステムが、自動車のデジタル時代への転換をリードできるよう支援していきます」とコメントしている。

 今後ステランティスは、ドライバーと車両の関係を次のレベルに引き上げるため、次世代Snapdragon Cockpit Platformを使用して、AmazonおよびFoxconnと共同で設計・エンジニアリングしている「STLA SmartCockpit」の車載通信およびインフォテインメント・システムの強化を推進を図る。また、Snapdragon Cockpit Platformは、タッチパネルや音声制御のコックピットコンソールに高解像度グラフィックスを提供するだけでなく、車内全体にプレミアムオーディオとクリアな音声通信を実現し、完全に没入できる車内体験の供を目指して設計が進められるという。

 そしてSnapdragon Cockpit Platformは、STLA Brainの強化にも使用され、利便性と安全性のための新しいレベルのデジタル・インテリジェンスを模索し、AIを活用したパーソナライズされた体験の提供や、常時接続によるOTA(Over-the-Air)アップデートや主要な車両システムの診断と修理など、直感的なAI機能によって車載パーソナルアシスタント機能の強化に貢献するとしている。

 なお、これらの次世代インフォテインメントシステムを最初に搭載するのは、マセラティブランドを予定しているという。