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AMDとECARX、次世代EV向けデジタルコックピットで提携 Ryzen Embedded V2000プロセッサーとRadeon RX 6000シリーズGPU搭載

2022年8月4日(現地時間) 発表

 AMDとECARXは8月4日(現地時間)、次世代型EV(電気自動車)向け車載コンピューティング・プラットフォームの開発において協業するなど戦略的提携を行なうと発表した。新たに開発するプラットフォームについては、2023年後半の世界的展開に向け量産予定としている。

 ECARXは、自動車向けデジタル・コックピット・デザインを手掛ける企業で、AMDの高い演算能力を持つグラフィック・レンダリング機能を組み合わせることで、両社は革新的な車内体験の実現を目指すとしている。

 ECARXの共同創設者である李書福氏は、ロータス、Lync & Co、ポールスター、スマート、ボルボ・カーズなどのグローバル・ブランドを傘下に置く中国の自動車グループ、ジーリーホールディンググループ(浙江吉利控股集団)の創設者兼会長となっており、ECARXのテクノロジーは、過去3年間で世界320万台以上の自動車に搭載されたとされる。

 ECARXが開発するデジタル・コックピットは、ECARXのハードウェアやソフトウェアと、AMD Ryzen Embedded V2000プロセッサー、AMD Radeon RX 6000シリーズGPUが搭載された初の車載向けプラットフォームとなり、このデジタル・コックピットは、運転者情報モード、ヘッドアップ・ディスプレイ、リアシート・エンターテインメント、マルチディスプレイ、マルチゾーン音声認識、ハイエンド・ゲーミング、フル3Dのユーザー体験など、高度な機能を搭載する。

 AMDのコーポレート・バイスプレジデント兼エンベデッド・ビジネス担当ジェネラル・マネージャーであるラジニーシュ・ガウル氏は「自動車メーカーが、次世代型電気自動車向けに没入型の体験やインテリジェントな機能の実現を目指す中、AMD製品を搭載したECARXのデジタル・コックピットは、世界の自動車市場のこうしたニーズに対応します。中国初の戦略的エコシステム・パートナーとしてECARXと連携し、Ryzen Embedded V2000プロセッサーやRadeon RX 6000シリーズGPUを搭載したデジタル・コックピットを開発できることを楽しみにしています」とコメント。

 ECARX会長兼CEOの沈子瑜氏は「世界の自動車産業は、インテリジェントな未来に向かって形を変えています。そのスピードはこれまでにないほど速く、演算能力やグラフィック機能への需要も急速に高まっています。今回の事業提携により、インテリジェント・コネクテッド・カーによって消費者にさらなる価値の提供を目指しているOEMやティア1は、デジタル・コックピット体験をさらに強化することが可能になります」とコメントしている。