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ダイハツ、“嬉しさの連鎖”を実現する新サービス「Nibako」提供開始 車両と荷箱を1日単位で貸し出し移動販売をサポート

2022年9月6日 発表

ダイハツ工業の地域活性化活動の1つ「Nibakoプロジェクト」が本格始動

 ダイハツ工業は9月6日、軽トラックと荷台に載せる荷箱を貸し出す新サービス「Nibako」の提供を開始。発表会を開催した。

 Nibakoは、軽トラック「ハイゼット トラック」の荷台に設置可能な荷箱を活用し、移動販売を始めたい小売業などの事業者をサポートするオールインワン移動販売パッケージ。自動車メーカーならではの安全・安心、高品質で利便性の高いNibakoを、車両込みで1日1万3200円~、1か月6万6000円という料金(メーカー希望貸し渡し価格。実際のレンタル期間やレンタル料金は要問い合わせ)でレンタルするとともに、新たに移動販売を始める人への事業相談も受け付ける。加えて、販促物の提供や追加備品の貸し出しといった別料金サービスも用意。将来的には行政書士などによる申請代行などもサービスとして提供を検討しているとのこと。

 Nibakoのサービス提供は、まずはダイハツ東京販売、埼玉ダイハツ販売、ダイハツ千葉販売、京都ダイハツ販売を中心に地域を限定して開始。順次地域を増やし、全国規模への拡大を目指すとしている。なお、この4エリアでは10月以降にNibakoを使った店舗でのマルシェを開催する予定としている。

事業概要。ダイハツは販売会社にNibakoをリースし、販売会社はNibakoと軽トラックをNibako事業者にレンタル。Nibako事業者は消費者に物販サービスを届けるという流れ。事業者向け、消費者向けにそれぞれWebシステムが提供される

 Nibakoは軽トラックの荷台に積載される簡単に取り外しができる荷箱で、本体と内装備品で構成されており、それらを組み替えることでさまざまな用途に対応。棚や商品などのすべてを納めることができるため、簡単設営・簡単撤収が可能で、女性1人でもお店を開くことを可能としている。助手席側をガルウイング仕様とすることでお店を開店するときに目立つ設計としたほか、立体的な商品展示を可能としているため、ディスプレイ効果も高いとのこと。現在、より簡単にほかの軽トラックへの載せ替えができるよう、リフトキャスターやスタンドなどを開発中とした。

Nibakoの外寸は1900×1300×1300mm(長さ×幅×高さ)。重量は150kg
Nibakoの特徴。取り外し可能な荷箱は開店時に目立つガルウイング仕様。荷箱に積載される内装備品を組み替えることで、さまざまな用途に対応
Nibakoのセールスポイント。1人でも簡単に設営ができ、撤収も容易。立体的な展示によるディスプレイ効果も見込める

 発表会に登場したダイハツ工業 代表取締役社長の奥平総一郎氏は、「移動販売を始めたい方が世の中にはたくさんいらっしゃいますが、移動販売で消費者さまに特別なものやサービスをお届けしたいと思っている方がたくさんいらっしゃいます。そんな方たちをダイハツはサポートしたいと思っております。Nibako事業者さまだけではなく、出店場所を提供する地域の方々、イベント事業者さま、商品提供者さま、販売ツールなどを提供する方々、そして消費者さまもつなぎ、すべての方々に嬉しさの連鎖を実現したいと思っています。嬉しさの連鎖の実現を将来、われわれ津々浦々の6000店舗が担い、社会にとって必要不可欠なインフラになる。ダイハツは真のライフパートナーを目指してまいります」とNibakoへの思いを述べた。

ダイハツ工業株式会社 代表取締役社長 奥平総一郎氏
Nibakoには利便性の高いECサイトなどにはない“買い物の楽しさ”があるという
事業者が消費者に喜びを届ける「嬉しさの連鎖」を起こすため、ダイハツが架け橋となってサポート
Nibako事業者だけでなくさまざまな人に「嬉しさの連鎖」を実現したいという
「嬉しさの連鎖」を日本全国6000店のダイハツ販売店が担い、社会にとって必要不可欠なインフラになることが、将来目指すべき姿としている

 また、新事業にスピード感をもって取り組むべく立ち上げた社内のバーチャルカンパニーについても触れ「クルマを開発、生産、販売するという本業にも働きかけ、仕事を変えていく、ダイハツにとっての新しい役割も担ってまいります」と語ったほか、「地域にさまざまな人々が集うことで、町が、暮らしが、豊かになっていく。2019年の東京モーターショーで私が思い描いていた夢が、いよいよスタートすることになります」と、Nibakoのサービスは2019年から構想を練っていたプロジェクトであると話し、「われわれダイハツは、これからもお客さまに寄り添い、地域を豊かにする活動を続けてまいります」と、今後の意気込みを表明した。

Nibako事業に取り組むうえで、新しくNibakoカンパニーが設置された

 続けて、ダイハツ工業 取締役 営業CS本部長の武田裕介氏が、Nibakoサービスへの想いと事業概要について紹介。「Nibakoプロジェクトは、地域に寄り添う活動の1つといたしまして、消費者さまにお店の方が近づいていき、便利主体のECサイトにはない特別なものや、ぬくもりと笑顔をご提供できる新たなサービスにしたいと心から思っております。まずは事業者さまにスポットを当てて、寄り添うことからスタートし、事業者さまから消費者さまへの嬉しさの連鎖を広げていく。そのことが、各地域のお客さまに寄り添い、暮らしを豊かにすることにつながると信じて、これまで数多くの実証実験を続けてまいりました」と語り、実証実験を重ねることで、ニーズの深掘りや、ニーズに沿ったものづくり、商品の並べ方の工夫やゾーニングといった商品展示のノウハウを得たと述べた。

ダイハツ工業株式会社 取締役 営業CS本部長 武田裕介氏

 武田氏はNibakoプロジェクトの全体スケジュールについても触れ、2022年度は事業導入トライアル期として、小売事業者向けに150台程度のNibakoを提供するとともに、NibakoのWebサイトや事業者向けの会員サイトもスタート。2023年度には、ワーケーションタイプなど、多用な種類のNibakoの展開のほか、各種情報サービスを順次強化していき、2025年度には全国3500台以上のレベルで事業の安定化を目指していくとした。

Nibakoプロジェクトのスケジュール。全国展開は2023年度からを予定。2024年度のサービス拡大期を経て、2025年度には事業安定を目指す

 2021年6月からNibakoの実証実験に取り組んできたという京都ダイハツ販売 代表取締役社長 池辺聡志氏は、Nibakoに関わっている中で「仲間が仲間を呼ぶ嬉しさの連鎖がどんどん広がっていることを一番強く感じます。今までの自動車屋さんの商売ではなかなかお付き合いができなかった事業者さまや、市町村の皆さま方と絆ができあがりましたし、結果として京都の地域、あるいは京都にお住まいの方々に寄り添うことができてるんじゃないかと思っています」と話した。

京都ダイハツ販売株式会社 代表取締役社長 池辺聡志氏
「Nibakoには地域とつながる、地域のお客さまの役に立つ、そういった力があると確信をしております」と語ったダイハツ東京販売株式会社 代表の小林幸彦氏。東京都内で個人事業主や法人など105社にチラシを配布しているという

 最後に武田氏は「2021年度までのこの3年間、『D-AS計画』という名の方針で進んでまいりました。D-AS計画とは、“ダイハツの愛と底力計画”であります。今年度からの新しい方針は『超D-AS』といたしました。われわれの夢の到達点であります、真の生活者ライフパートナーを目指してまいります」と話すとともに、「このNibakoプロジェクトは、地域の方々の夢や喜びをつなげていくプロジェクトとして、われわれの柱となるものと思います。1歩ずつ進んでまいりたいと存じます」と、Nibakoプロジェクトはダイハツが目指す地域を豊かにする活動において重要であると語った。

2019年度~2021年度まで“ダイハツの愛と底力計画”となる「D-AS計画」を推進。2022年度からはさらに進んだ「超D-AS」と定め、“真の生活者ライフパートナー”を目指す