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SUPER GT第6戦、坂東代表定例会見 モバイルネットワークの改善へ取り組む

2022年9月18日 実施

SUPER GT第6戦SUGO、GTA坂東代表による定例記者会見

 SUPER GT第6戦SUGOが開催されたスポーツランドSUGO(宮城県村田町)で9月18日、GTA代表 坂東正明氏による定例記者会見が行なわれた。2022年シーズンも残すところ3戦。今季3回あった450kmレースを振り返るとともに、今後のSDGsに向けたロードマップに関して最終戦もてぎで詳細を発表すると語った。

 坂東氏は冒頭のあいさつで「(レース開催日の周辺道路の渋滞について)早めにお客さまが入れるように、もう少しスムーズに流れるような対応策を考えていただければ」と述べた上で、混雑でつながりにくいモバイルネットワークについても、「今改善できるものと来年の開催時に改善できるもの」と分けて考えて「各サーキットでクオリティを上げていかないと」とし、質疑応答に移った。

最終戦もてぎで、2030年とその後に向けたロードマップを発表

──これまでの450kmレースを振り返ってみていかがか。

坂東氏:戦略の幅は大きくなったと思う。エンジン(燃料)の使い方、タイヤの使い方が変わり、タイヤメーカー自身も変わってきている。タイヤとエンジンメーカーには、「(450kmレースは)2023年以降のロードマップを作り上げるための3回のテストですよ」という言い方をしてきたので、そのテストとしてはいい450kmレースだったと思う。ただ、メーカーの戦略がピンポイントにならないようにするには、450km+αの距離が必要になるかもしれない。

 また、もてぎの最終戦にて、今後のSDGsに対するロードマップを発表します。燃料に対しても、合成燃料を使い、2030年に向けて、さらには中長期にどうするか?ということもみんなで発表します。これは世界中で他はやっていないこと。日本のモータースポーツの1つでもいいから合成燃料でやって、10年後にも(エンジン・排気)音を出そうと。それを協力してみんなでやっていく体制、姿勢を作り、みなさんに参加していただきたい。

 そうすることでモータースポーツに参加する意義を各企業がちゃんと説明できるような状況を作り上げたい。それがJRP(日本レースプロモーション、スーパーフォーミュラを主催)、S耐、MFJなどいろいろな方面に広がっていけばうれしいこと。

──WECが2024年からGT3規格のレースカテゴリーを導入すると発表している。将来的にWECと手を組んでレースする可能性はあるのか?

坂東氏:(各レース運営元が)おのおのでGT3に対応するイベントをやっている。SROモータースポーツグループも、DTMも、GT3もやっている。我々GTAもSUPER GTではGT3に対応するGT300をやっている。共通でやれることがあるのであれば(相互参戦などを)考えられる。

 けれども、GT300から(WECの)ル・マンに参戦しやすいではなく、WECからGTAのGT300に参戦しやすいという考え方もある。おのおののポジションにいったりきたり、というのは同じカテゴリーのGT3になればありえる。より多くの日本のファンに向けてコラボしていけるようなことができるのであれば「協力してやっていきましょう」という話は(運営組織の代表と個人的に)している。

GTA代表取締役 坂東正明氏

──第2戦富士のレースアクシデント以降、前方でアクシデントが発生したときのハザードランプの点灯、ピットインするときの方向指示器による後方への伝達など、安全面でのマナーをチームやドライバーに示したが、まだ徹底されていないという声もあるが。

坂東氏:ルール、レギュレーションで決めるのが1つの策ではあるが、(まずは)見本となるものをやる。あとは各自に委ねる。われわれは勝つためだけのレースをやっているのではなくて、モータースポーツの振興・発展・認知度の向上をしていくなかで、ファンにいいレースを魅せるためにやっている。

「プロ化」という言葉が1つある。ドライバーやチームにそれを認識してもらわなければいけない。FIAのルールで許されているなかで、やれることは来季から作り上げてレギュレーションにする。でも、FIAが定めるものの中で実施する部分においては、どこまでやるかはドライバー自らの判断になる。

「だろう運転」ではダメ。それでもアクシデントはあるわけだけれど、意識を高め、それができる集団であるという風になっていかないとならない。ルールは作るが、1人1人、各チームにおいてもよりクオリティを高めていただければ。

──来期以降、450kmなど長いレースが増える可能性はあるのか。

坂東氏:それができるレース、面白くなるレースであれば、そのうえで環境に配慮したカーボンニュートラルになるものであれば、できるだけ(距離を伸ばしたい)。300kmもあるだろうし、450kmもあるだろうし、1000kmまではいかなくても、(お客さんなどに)望まれるのであればそういうレースを作りたい。

──冒頭で話をしていたネットワークのアクセスのしにくさについて、どう改善していくのか。

坂東氏:まさに今、今日の状況をキャリアなどに伝えるべき。その上でサーキット側と一緒に通信キャリアや総務省に話をしにいく、というようなことをやっていかないと。これで車両のテレメトリデータを送受信することになったらどうなるか。

 コストのかかることだが、これをやっていかないとイベントがついていかない。イベントを大事にするならサーキットとともに協力し、我々も投資しなければならない。(利用環境の実情など)GTA側が分からないことは(お客さんやプレス側から)教えてほしい。サーキット経由でキャリアさんなどに声が届くようにご協力いただければ。