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フェラーリ、ワンオフモデル「SP51」 ルーフのないフロントエンジン V12 スパイダー

2022年9月28日(現地時間) 発表

フェラーリ「SP51」

 フェラーリは9月28日(現地時間)、ワンオフシリーズ最新作となる「SP51」を発表した。

 SP51は、フェラーリ・スタイリングセンターがデザインし、「812 GTS」のプラットフォームをベースに、レイアウト、シャシー、エンジンを受け継いだフロントエンジン V12 スパイダー。この新ワンオフモデルはルーフが一切存在しない、あらゆる意味で真のロードスターである点が最大の特徴となる。

 このスペシャル・プロジェクトプログラムの目的は、ユニークなフェラーリを生み出すことで、要望に添ってエクスクルーシブなデザインを作り出し、クライアントは唯一無二のモデルのオーナーとなることができるというもの。各プロジェクトはクライアントのアイデアを出発点とし、それをフェラーリ・スタイリングセンターのデザイナーチームが発展。車両のプロポーションとフォルムを決定したら、デザインを詳細に検討し、スタイリング用クレイモデルを製作した上で、新ワンオフの製造工程に入るとのこと。全プロセスには平均約2年を要し、その間、クライアントはデザインの評価や検証プロセスに密接に関わり、跳ね馬のロゴを装着し、マラネッロ生まれの全モデルと同じ卓越した水準で設計されたユニークなフェラーリが誕生するという。

 SP51は、有数のフェラーリ・コレクターでもある台湾在住のクライアントのためにデザイン。50年ぶりに復活したマラネッロのフロントエンジン V12 スパイダーをロードスターへと変貌させることに成功し、その大胆なスタイリングには、ひと目で心を奪う力があるとした。同時に、ベースとなった812 GTS の特徴的なエレガンスも受け継いでおり、さらに限界を押し広げることで、オープンエア・ドライビングのまったく新しい楽しみ方を提示しているとのこと。

 SP51のエアロダイナミクスは、CFD(数値流体力学)シミュレーションや風洞実験、動的テストによって精密に磨き上げられた結果、キャビン内部の究極の快適性が保証され、音や風に関する快適性も、ベースとなったモデルと同じ水準に達しているという。

 SP51のスタイリングは、ボディ表面のシームレスでたくましい起伏によって、力強さと美しい調和を感じさせ、むき出しのカーボン・ファイバーをエクステリアとキャビンに幅広く採用したことが、モダンであると同時にしなやかで官能的なフォルムに貢献している。

 ボディカラーは、SP51のために特別に開発された3層コートの新色「ロッソ・パッショナーレ」を採用。エレガントでありながら堂々たる風格も感じさせる印象を強めているのが、1955年の「Ferrari 410 S」をインスピレーションとした青と白のリバリーで、ボディ全長にわたって続くだけでなく、インテリアにも反映されている。

 フロントでは、特別にデザインされたヘッドライトによって独特の力強いアイデンティティーを創出。このSP51のみの特別なホイールは、各スポークにカーボン・ファイバー製のウイング形状を持ち、進行方向の面にトーンの異なる洗練されたダイヤモンドカット仕上げが施される。

 リアは、スポイラー下に配置されたテールライトによるアーチ形のテーマが特徴。キャビンのすぐ後ろにある左右のフライング・バットレスは、2個の深いカーボン・ファイバー製スクープによって、視覚的印象を和らげている。この2個の要素の間を横断するカーボン・ファイバー製ウイングは、側面がバットレスに折り重なっていることで、タルガトップを思わせるデザインとなっている。フライング・ブリッジでロールフープをエレガントに隠したこのソリューションは、1960年代初頭のフェラーリのスポーツ・プロトタイプへのオマージュとなる。

 キャビンは、クラフトマンシップと創造性が高みに達しているといい、キャビンのパーソナライゼーションでは、アルカンターラトリムのメインカラーに、エクステリアのためのカスタムメイドである「ロッソ・パッショナーレ」を選んだことと、前後を貫くエクステリア・リバリーをキャビンにも拡大したことの、2つのアイデアが柱となっている。

 白と青のストライプはバルクヘッド上のダッシュボード中央とセンター・トンネルにもあしらわれ、ステアリング・ホイールのステッチにも採用。エクステリアとインテリアにシームレスな連続性を感じさせるとともに、ロードスターならではのアーキテクチャーも重要な役割を果たしているとした。

 このほか、ドアパネルの特別仕上げとダッシュボードの下部、シートのサイドにあしらわれたKvadratの青いインサートと白のクロスステッチでもリバリーを反映。また、光沢のあるカーボン・ファイバー製トリムがインテリアに幅広く採用され、組み合わされたネロ・モモ・オパーコのエレメントと調和しており、こうしたビジュアルが生み出すスタイリッシュでエレガントな品格を、何か所かの白い刺繍がさらに強調している。なお、跳ね馬と車両のロゴは、ステアリング・ホイールのリム下方にもあしらわれている。

フェラーリ「SP51」完全ワンオフのスパイダーモデルを紹介