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ダイハツ、新「タント」シリーズ発表会 個性際立つ3モデルでユーザーニーズに応えていく

2022年10月3日 発表

新しく追加された「タント ファンクロス」とダイハツ工業株式会社 代表取締役社長 奥平総一郎氏

 ダイハツ工業は10月3日、「タント」「タント カスタム」を改良するとともに、「タント ファンクロス」を追加して発売した。価格は138万6000円~199万1000円。

 同日に行なわれた発表会では、ダイハツ工業 代表取締役社長 奥平総一郎氏があいさつを実施。1949年に規格が制定されてからの軽自動車の歴史について触れつつ、現在では日本の自動車保有台数の約4割を占めるまでに成長したことを紹介。「これだけ多くのお客さまに愛されている軽自動車だからこそ、お客さまに寄り添い、日々の暮らしをより安全、安心、豊かにしていく」ことが、ダイハツの責務であるとした。

軽自動車の保有台数は全体の約40%を占め、日本全国を支えるライフラインになっているという

 また、2003年に発売したタントから始まった「スーパーハイト系」ジャンルの車両は、現在では軽自動車市場の約半分近くを占めており、ユーザー層も広がり、用途も多様化してきたと述べ、2023年に20周年を迎えるタントの歴史を紹介。タントシリーズの累計販売台数は約260万台を超え、「多くのお客さまにご愛顧いただけていることを、大変ありがたく思っております」と感謝を述べた。

 今回の改良については、タントならではの利便性を向上させるとともに、タント カスタムは上質、洗練されつつ、存在感を強調させるスタイルに進化させ、拡大するアウトドア志向のニーズに応えるべくタント ファンクロスを追加。個性際立つ3つのモデルに加え、福祉車両国内販売N0.1というフレンドシップシリーズも含め、ユーザーのニーズに応えていくとした。

スーパーハイト系市場の販売台数と構成比
タントの歴史
タントはシリーズ累計販売台数約260万台を誇る

 新しくなったタントの商品概要については、同社製品企画部 チーフエンジニア 秋本智行氏が解説。

現行モデルの特徴。大開口のミラクルオープンドアと、広い室内空間などの使い勝手のよさに加え、DNGAやスマートアシストによる高い基本性能と予防安全技術を備える
スーパーハイト系市場の拡大により、ユーザー層とニーズが多様化
新タントシリーズの位置付け。個性の異なる3モデルをラインアップ

 タントは、親しみやすくシンプルなモデルを目指し、エスクテリアデザインはそのままに、内装を統一感のあるグレーでコーディネートし、明るくすっきりとした室内空間にブラッシュアップ。ボディカラーは親しみを感じるイメージを強化するため、ライトカラーを採用し、新色を含めた全11色のラインアップを設定。さらに、フラットで広い荷室空間を実現するデッキボードや、荷室からリアシートのスライド操作ができるレバーを採用したほか、電動パーキングブレーキ仕様の設定拡大など、使い勝手のよさを進化。加えて、燃費性能では、エンジン制御の最適化を図り、スーパーハイト系トップの低燃費となるWLTCモード燃費22.7km/Lを実現させたことを紹介した。

新タントの商品概要

 タント カスタムは、上質で迫力のあるスタイルに進化させ、ヘッドライトやバンパーの立体感と、クルマ全体のワイド感を強調し、迫力のあるフロントフェイスに変更するとともに、グラフィックやメッキ加飾を変更することで、洗練・上質感を演出。ブラック基調の内装は、深みのあるブルーを配色し、レザーを増やしたシート表皮やメッキ加飾により、シャープで緻密な印象とした。ボディカラーは上質さを表現したクロムグレーメタリックと、クールバイオレットクリスタルシャインの新色を含む全9色のラインアップを設定したことを紹介した。

新タント カスタムの商品概要

 新しく追加されたタント ファンクロスは、「手軽にアウトドアやキャンプを楽しみたい」と考える人が増加しており、普段遣いからアウトドアまで幅広く使いたいというニーズに応えるため、タントならではの使い勝手のよさと、アウトドアのさまざまなシーンで活躍する、新時代のアクティブでタフなアウトドアモデルとして開発。

 エクステリアはアウトドアでも活躍するルーフレールを標準で装備したほか、スクエアで力強いヘッドライトデザインや、タフさを感じさせるバンパーなどで、アクティブな印象を表現。インテリアはオレンジの差し色やカモフラージュデザインのシート表皮を採用し、ワクワクした気持ちになれる空間に仕立てたとのこと。

 さらに、タント ファンクロスでは、タント、タント カスタムの利便性はそのままに、撥水加工シート表皮やラゲッジルームランプなどの専用装備を設定し、アウトドアでの利便性を向上。ボディカラーはアースカラーを中心とした全13色のラインアップとしたと紹介した。

新タント ファンクロスの商品概要
3モデルそれぞれの価格帯

 また、フレンドシップシリーズも利便性を向上させており、「タント、タント カスタム、タント ファンクロス、フレンドシップシリーズと、お客さまのライフスタイルに寄り添った、お気に入りの1台として選んでいただけるクルマに仕上がった」と新タントシリーズについて語った。

フレンドシップシリーズの改良点
フレンドシップシリーズの価格帯

 最後に、同社取締役 営業CS 本部長 武田裕介氏が、営業施策について紹介した。

 冒頭で武田氏は「ダイハツはお客さまからタント含めまして大変多くの受注を頂戴しております。本来、タイムリーにお客さまのもとへおクルマをお届けするのがメーカーとしての務めでございますが、昨今の厳しい部品供給課題により、お客さまへの納車が遅れることとなりまして、ご迷惑をおかけしております。われわれの責任をしっかり果たせるように努力し、1日でも早くお届けしてまいりたいと存じます」と、長期化する納期についてお詫びを述べたのち、「このような厳しい環境下ではございますが、本日いよいよ新タントを皆さまにお披露目できること大変うれしく思っております」と喜びを語った。

 新タントは、8月22日に先行受注を開始しており、現在月に1万2500台という受注計画の2倍以上となる2.8万台の総受注があると紹介。そのうち、約25%がタント ファンクロスであると語り、今後、販売店に実車が配備されてからは、3割くらいがタント ファンクロスが占めるのではないかという予想を述べた。

新タントシリーズの先行受注台数

 また、タントはスーパーハイト市場を切り開いたパイオニアとして、“OPEN JAPAN”をキーワードに、タント ファンクロスは、“ひらけ、新時代アウトドア”をキーワードにしたTV-CMの放映も開始。スペシャルサイトと合わせて、それぞれの世界観を届けていくとした。