ニュース

MINI、ポール・スミスとコラボした電動コンセプトカー2台を日本初公開 10月7日から表参道で期間限定展示

2022年10月7日〜12日 期間限定展示

2台の電動コンセプトMINIを表参道で期間限定展示

 ビー・エム・ダブリューは、10月7日から12日まで東京・表参道エリアにポップアップショールームを期間限定で開設し、ファッションブランドのポール・スミスとコラボしたイベント「MINI×Paul Smith in 東京」を開催する。ショールームではポール・スミスがデザインした電動コンセプトカー2台を展示するとともに、その2台に関するストーリーをパネル展示するカフェも併設する。入場は無料。

 10月5日、招待者や報道陣向けにお披露目された会場には、デザイナーのポール・スミス氏自身と、ビー・エム・ダブリューのデザイン部門責任者であるオリバー・ハイルマー氏の2人も登場し、コラボ車両の誕生秘話などを語った。

会場となるのはBA-TSU ART GALLERY(東京都渋谷区神宮前5-11-5)

サステナブルを意識した2台。新たな電動MINIは2024年登場予定

ポール・スミス氏(左)とビー・エム・ダブリューのデザイン部門責任者オリバー・ハイルマー氏(右)

 展示している電動コンセプトカーは、「MINI STRIP」と「MINI Recharged」の2台。いずれもポール・スミスのデザインチームが、既存の車両をベースに内外装を再構築したデモ車両となっている。二酸化炭素排出量の削減をはじめとするサステナブルなものづくりを、ビー・エム・ダブリューにとって「中心地」と位置付けるなかで、環境負荷の低減につながる素材、もしくは再利用可能な素材を至るところに活用して仕上げた。

車両が展示されている1階の様子

「MINI STRIP」は欧州などで販売しているEV(電気自動車)「Mini Cooper SE」の車体をもとにデザインしたもの。外装のボンネットなどは鋼板をプレス加工して錆止めを塗布しただけで、塗装は一切行なっていない。プレスした際などにできた金属ならではの傷跡もあえてそのままにし、使い込んでいくにしたがってダメージジーンズのように唯一無二の見た目になっていくことも狙っている。

MINI STRIP
充電口のカバーのイラストはポール・スミス氏の「落書き」
サンルーフはスケルトン状態
ボンネットまわり。外装の傷のように見える部分も磨いたりせず、そのままの状態に

 フェンダーからタイヤ周辺にかけての部分と、サイドシルカバーなどは3Dプリンターで作られ、一般的には内側で固定されているところを、目に見える形で外側からボルト留めしている。内装のダッシュボードやドアの一部、ラゲッジルームのトノカバーはコルク製で、ポール・スミス氏いわく「コルクを砕いたときに出てきた樹液が接着剤になった」として、化学的な接着剤を使うことなく成型することができたという。

フェンダー付近は3Dプリンターで作られている
運転席まわり
ダッシュボードなどはコルク製。化学的な接着剤は使わず、樹液で固めたという

 通常はプラスチックやファブリック素材で覆われているドアの内側などは、シースルー素材でカバーしているだけで、中身がむき出し。ステアリングまわりもアルミ素材による独自のデザインで、自転車のハンドルに使うバーテープが巻かれた手作り感のあるデザインに。センターコンソールがあった部分には、スマートフォンを固定するホルダーが代わりに作り付けられている。

スマートフォンを固定するホルダー
ホイールにポール・スミスのロゴ
MINI STRIPのデザインについて語る2人

 もう1台の「MINI Recharged」は、1998年に1800台限定(うち1500台が日本向け)で販売された「Mini Paul Smith Edition」をベースに、内燃機関を取り除き電動化したもの。当時デザインされたこのクラシックMINIの外装は、ポール・スミス氏自身が塗装屋に依頼する際に、そのとき着ていた服の色をモチーフにして決まったという経緯がある。

MINI Recharged
ボディカラーを決めるとき、来ていた服をその場で切り取って塗装屋に渡したという

 こちらもシートからフロアマットに至るまで、MINI STRIPと同様にサステナビリティを意識した再生可能素材が用いられており、ドア内側もシースルーになっていて中身が見える状態。コンパクトな車両であることから、ポール・スミス氏のように背の高い人でも乗り降りしやすくなるように、オリジナルデザインのステアリングは取り外しが容易に行なえる。

運転席まわり
ハンドルは簡単に取り付け・取り外しが可能
ボンネットを開けるとポール・スミス氏のサインが
ホイールにはやはりポール・スミスのロゴ

 ポール・スミスといえば特徴的なシグネチャーストライプの印象が強いブランドだが、これら2台にはそうしたあしらいがどこにもない。「ストライプにすると、ただの装飾になってしまう。もっと新しいことをしたかった」とポール・スミス氏。1997年に初めてコラボしたときには、ボディをシグネチャーストライプで彩ったMiniを作り上げたが、「その当時より自分はインテリジェントになった」とし、サステナビリティ+電動という今とこれからの時代のあり方にマッチしたデザインを意識したことをにおわせた。

ちなみにクラシックなMINIを電動化するカスタムは、本国イギリスの工場でもすでにサービスとして提供しており、イギリスのユーザーにとっては珍しいものではないとのこと
1997年の初コラボの際に作り上げたシグネチャーストライプのMINI

「MINI STRIP」のベースとなったMini Cooper SEは日本国内では販売されていないが、その次世代版として日本導入も期待される新たな電動MINIは「2024年に登場する予定」と、ビー・エム・ダブリューのMINIディビジョン営業部長である山口智之氏。それに先駆け、2023年3月2日にはイベント「MINI DAY 2023」を開催し、そこで新型MINIなどの詳細情報を明らかにすると語った。

MINIの新たな展開を予告するビー・エム・ダブリュー MINIディビジョン営業部長 山口智之氏