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三菱自動車、軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」月販400台からを想定 2019年度から販売増に

2022年11月24日 一般販売再開

2シーター:243万1000円

4シーター:245万3000円

軽商用EV(電気自動車)「ミニキャブ・ミーブ」

 三菱自動車工業は10月13日、ワンボックスタイプの軽商用EV(電気自動車)「ミニキャブ・ミーブ」の一般販売を11月24日より再開すると発表した。同発表を前にした10月11日に、同社 国内営業本部 軽EV推進室室長の五島賢司氏が登壇する説明会が開催され、ミニキャブ・ミーブの一般販売を再開する狙いについて話した。

 一般販売が再開されるミニキャブ・ミーブは、総電力量16kWhの駆動用バッテリを搭載して、一充電あたりの航続距離133km(WLTCモード)を実現するCDグレードを用意。価格は2シーターモデルが243万1000円、4シーターモデルが245万3000円となっている。

ミニキャブ・ミーブの2011年度〜2020年度の累計販売台数は9304台

 これまでミニキャブ・ミーブは、2011年12月より配送業などを中心に販売され、2021年3月末に一旦生産を終了し、一部法人向けとして販売を続けていた。2011年度〜2020年度の累計販売台数では、9304台が販売されている。

 発売当初の2011年度と2012年度については、年間販売台数で2000台を超えたものの、2015年度以降は年間販売台数500台を割り込むなど減少傾向が続いていた。しかし、2019年度から販売台数が増加に転換、2020年度の年間販売台数については1500台に迫る状況となっている。今回の一般販売再開で、月間販売台数400台くらいを想定しているという。

ミニキャブ・ミーブの一般販売再開の背景

 ミニキャブ・ミーブの一般販売再開の背景として、五島氏は「世界的な脱炭素化への関心が高まっておりまして、日本においては前菅政権において、2050年カーボンニュートラル宣言が公表されました。そのような世界的な動きを背景に、多くの企業で脱炭素の取り組みが加速しておりまして、社有車などのEVシフトの動きも活性化しており、ミニキャブ・ミーブに対する引き合いも増えている状況です。ミニキャブ・ミーブについては、商品ライフサイクルの観点で販売中止を決定していたのですが、このような動き、また多くの問い合わせを受けて、方針を転換して販売継続を決定したという経緯になっております」と説明した。

 また、2011年度から10年以上、商用軽EVを販売してきたことについて、五島氏は「ミニキャブ・ミーブを発売した2011年当時は充電インフラも発展途上で、商用軽EVは当社のミニキャブ・ミーブ以外の選択肢もなく、残念ながらお客さまにおける商用軽EVについての認知度でも低かったという状況がございました。しかしながら、長年の販売によって商用軽EV販売のノウハウ蓄積、耐久性や信頼性の向上、また販売店でのアフターサービス対応能力の向上という点で、当社にとって一定の成果があったと考えております。このようなネットワーク全体のEV対応力というのは、一朝一夕には備わらないので、その点で弊社の強みになっていると考えております」と強調した。

主な変更点としては、荷室ユーティリティの強化のほか、ルームミラー/ドアミラーの変更、オートライトコントロールの追加、ASC(Active Stability Control)やメーター内インジケーターの追加となる。電費モードがJC08モードからWLTCモードへと変更された
荷室については、600×450×600mmサイズの段ボールを14個積むことができる大容量の荷室を確保するとともに、荷物を固定するためのフックや荷室を仕切るレールなどを設置しやすいよう、10か所にユーティリティナットを標準装備とし、用途に合わせて多彩にアレンジできるなど、商用車としての使い勝手を高めた

 一般販売を再開するミニキャブ・ミーブについては、EVシステムやバッテリはこれまでのモデルのものを踏襲。総電力量16kWhの駆動用バッテリを搭載して、一充電あたりの航続距離は133km(WLTCモード)となっている。

将来的な電動化に向けた取り組み

 将来的な三菱自動車の電動化への取り組みとして、五島氏は「電動化に向けた当社の強みというのは、アライアンスと、独自技術によるさまざまなオプションが選択できるところにあると考えております。具体的には、当社の独自技術であるPHEVやEVを活用する一方、アライアンス内の他社の電動ユニットやコンポーネントを活用したり、当社のPHEVで開発したモーターやフロント、リアのユニットを他社に提供したりすることも可能です。将来的には、アライアンスグループとして、さらに高効率な電動ユニットコンポーネントへ共通化することができると考えております。そして、この幅広いコンポーネントのオプションを組み合わせることで、それぞれの国や地域のニーズに合致させ、三菱自動車らしさを加味した魅力的なクルマ作りを順展開してまいります」と、軽EV領域においてもその発展の可能性があることを示した。