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電通、音声実況AI「Voice Watch」で誰もがスポーツ観戦を楽しめる社会に

2022年10月15日~16日 展示

電通の音声実況AI「Voice Watch」

 トヨタ・モビリティ基金は、アイデアやソリューションの社会実装を目指すコンテスト「Make a Move PROJECT」において“障がいの有無などにかかわらず誰もがモータースポーツ観戦を楽しめることができるアイデア”を公募しており、100件超える応募があることを発表するとともに、17について10月15日~16日に岡山国際サーキットで実証実験を実施している。

 電通 Dentsu Future Creative Centerは。視覚障害者でも楽しめるようなモータースポーツ実況を目標に音声実況AI「Voice Watch」を開発。スーパー耐久岡山の実証実験に持ち込んでいる。

 Dentsu Future Creative Centerの調査によると、現在の実況では目で見えている部分についてはあまり解説が行なわれず、周辺情報の解説が多めになっているという。目に見えている部分について解説が少ないのは健常者にとっては当たり前の部分だが、そこが視覚障害者にとってはモータースポーツを楽しむ上でハンデになっており、モータースポーツ観戦に出かける上で気後れする要因になっているとのこと。そのような思いもあって、AIによる実況システム「Voice Watch」を開発した。

 また、人口規模の小さなマイナースポーツや学校や地域の運動会では会場に実況解説者がいない場合が多く、そのエリアでの活用も視野に入れているとする。

 実際にAI実況を聞いてみたが、「○○が何秒、○○が追い上げ」など確かに丁寧に解説されている。しかしながら、チーム名、エントリー名、ゼッケンなどが頭に入っていないと、サーキットでのポジション再構成が頭の中だけでは非常に難しい。レース観戦に慣れている健常者でも難しいため、ハプティックでのサーキットポジションマップなど補助機器があるほうが理解が早いのではと思われた(もちろんコスト面が最大の課題だろう)。

 また、今回聞いた限りでは、状況を正確に予測してくれているようだが、「あーーー」「おーーーー」などのあおり音声はなく、淡々とした正確な実況に聞こえた。開発スタッフによると何かアクシデントが起きた場合は、そのような音声が流れるよう学習されているとのこと。このようなAIよる実況音声がさらに一般的になれば、推しのチーム専用の実況などニッチな新しいサービスにもつながるようにも思える。

 正確な実況という意味では完成度が高かっただけに、単純な実況という意味ではシンギュラリティが近そうだとの感触を持つほどのサービスだった。AIおそるべしだ。

音声実況AI「Voice Watch」を聞く、トヨタ・モビリティ基金 理事長代行 早川茂氏