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京セラ「高精細 空中ディスプレイ」を体感できる、3年ぶりにリアル開催の「CEATEC 2022」

2022年10月19日~21日 開催

京セラ「高精細 空中ディスプレイ」

CEATEC 2022に展示された京セラ「高精細 空中ディスプレイ」

「Society 5.0」の実現を目指し、「共創」によって未来を描く「 CEATEC 2022(シーテック 2022)」が10月18日~21日の4日間にわたって、幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催されている。2022年には3年ぶりのリアル開催となった会場には、さまざまな技術や新製品が展示されている。

 東芝の最高出力2MW「超電導モーター」やソニー「VISION-S 02」などの大きなものは関連記事で紹介しており、本記事では将来の車載技術となりそうなものなどを取り上げていく。

高精細 空中ディスプレイの仕組み
リアルな3D画像をグリグリ動かすことができる

 3年ぶりのリアル開催となるCEATECで目に付くのは、非接触タイプの技術になる。この2年、世界中の人たちはコロナウィルスと戦ってきた。その中で、有効な技術、リアルでなければ見せられない技術は非接触タイプのものだろう。

 京セラの展示で驚かされたのは「高精細 空中ディスプレイ」。まるで空間にそのものが存在するように、高精細な3D映像が浮かび出ている。今回の展示では、宝石を空間(空中)に再現し、その近くまで指を持って行くと宝石の方向を自在に変更できる。つまり、ジェスチャー操作との連携もとくに優れているものだった。

 車載用途での転用を考えれば、3Dグラフィックスを活かしたメーターパネルやIVIパネル、アバターコントロールなどがすぐに想像できる。クルマのコクピットは自動化や電動化が進む昨今重要度を増しており、新しい表示方法や操作方法の登場が期待されている。高精細 空中ディスプレイであれば、より分かりやすく楽しい表示方法を実現できるように感じた。

 京セラは、触覚伝達技術「ハプティビティ アイ」「ハプティビティ」などのハプティック技術も持っており、非接触での操作方法も多様な組み合わせが実現できる。現状、この高精細 空中ディスプレイの視野角は、上下左右に30度くらいとのこと、広視野角であるにこしたことはないが、狭視野角であればパーソナルユースに使えるなど、可能性に期待したい。

路車協調システム。会場では実際に体験できる

リアルでないと分からない技術もある

 そのほか京セラブースには、先日発表されたばかりの白色光と近赤外光一体型ヘッドライトを世界初搭載する「車載ナイトビジョンシステム」の体験や、路車協調システムのシミュレータ体験などが行なえる。

 ニュースや記事などで最新技術動向を理解できる部分もあるが、この高精細 空中ディスプレイや非接触技術、触覚技術などはやはり体験しないと納得できづらい技術になる。そういった意味で、3年ぶりとなったCEATEC のリアル開催は、大きな意味を持つものになる。