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明日開幕「CEATEC 2022」 東芝の最高出力2MWの超電導モーターやソニー「VISION-S 02」などモビリティ関連の出展をチェック

2022年10月17日 先行公開

 3年ぶりのリアル開催となる「CEATEC 2022」が、幕張メッセで10月18日~21日の期間開催される。開幕前日の10月17日、会場内一部展示が報道関係者に先行公開され、最高出力2MWの東芝の超電導モーターやソニーの試作EV「VISION-S 02」など、モビリティ関連の展示をいくつかピックアップしてお伝えする。

東芝エネルギーシステムズ、最高出力2MWの超電導モーターの実物大モックアップを展示

 東芝ブースでは、東芝エネルギーシステムズが試作機の開発に成功した最高出力2MWの超電導モーターの技術展示を行なっている。ブースには今回開発した超電導モーターの実物大モックアップとともに技術を紹介する展示が行なわれている。

 同社が開発した超電導モーターの大きさは外径約φ500×全長約700mmで、一般的な同レベルの出力モーターと比べて10分の1以下の軽量化と小型化を実現。超電導を実現するのに必要な冷却システムには、液体窒素などを使わないガスによる冷却システムを採用するという。

 大出力の高速超電導モーターの実現は世界初の事例といい、同社では大型トラック、船舶、航空機の電動化にも貢献できると考えていて、モビリティ業界との連携を進めて、2020年代後半の事業化を目指すとしている。

大型モビリティ業界のカーボンニュートラルに貢献する、超軽量・小型・高出力の「超電導モーター」の技術展示
次世代太陽電池として、高効率と低コストを両立し、電動モビリティの無充電走行を実現する「Cu2Oタンデム型太陽電池」のほか、設置場所にとらわれない「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」といったカーボンニュートラル社会の実現に向けて2種類の次世代太陽電池を紹介している

試作EV「VISION-S 02」を展示するソニーブース

試作EV「VISION-S 02」を展示するソニーブース
試作EV「VISION-S 02」

 ソニーグループのブースでは、2022年1月に発表したSUVタイプの試作EV「VISION-S 02」が展示されていた。VISION-S 02についての新情報はないが、新会社ソニー・ホンダモビリティの設立とは別に、ソニーとしてVISION-Sの取り組みを続けていくことを展示で示した。そのほか、今冬にソニー製カメラを搭載した超小型人工衛星の打ち上げを目指し、操作シミュレータを使って自由に宇宙や地球を撮影するサービスを予定している「STAR SPHERE(スタースフィア)」など、「地球」「社会」「人」の3つの視点から環境に貢献するさまざまな取り組みを紹介している。

今冬にソニー製カメラを搭載した超小型人工衛星の打ち上げを目指し、操作シミュレータを使って自由に宇宙や地球を撮影するサービスを予定している「STAR SPHERE(スタースフィア)」の取り組みを紹介する展示

3年ぶりリアル開催にJR西日本が鉄道事業者として初出展

CEATEC初出展のJR西日本は、駅構内の安全、線路や車両の保守管理など鉄道事業で培ったAI技術を紹介
スマートフォンで取得できるセンサー情報を道路の補修計画に活用しようという線路保守で培ったAI技術の応用例
監視カメラの映像にナイフが映し出されるとAIがそれを検出する画像認識技術

 モビリティ領域としては、JR西日本(西日本旅客鉄道)が鉄道事業者として初出展。ブースでは、JR西日本社内のデータアナリティクスチームが鉄道事業で培ったAI・データ分析ソリューションを紹介するとともに、これまでのオープンイノベーション活動の事例として、東洋紡、神戸電鉄をはじめとする共創パートナーとの取り組みも紹介。会場内には、そのほかにもモビリティ領域の出展を確認することができた。

日立ブースに展示されたインホイールモーター
企業向けショールーム構築サービス「MiraVerse ショールーム」で再現した「自動車ショールーム」など、トッパンはメタバース領域における表現技術力や最新のソリューションを紹介

会場の熱気と偶然の出会い、それを実現できるのはリアルの展示会

CEATECのエグゼクティブプロデューサーを務める鹿野清氏

 3年ぶりのリアル開催となる「CEATEC 2022」は、10月1日~31日の会期でオンライン会場もオープンしており、初のハイブリッド形式での開催となる。

 このコロナ禍の2年間について、主催者であるCEATECのエグゼクティブプロデューサーを務める鹿野清氏は「この2年間いろんな勉強をさせていただきました。オンラインの持つ特徴、付加価値、特にカンファレンスに関しては入場制限、予約のない、そしていつでも見られるということで、大変多くの方にご聴講いただけるという、この幕張会場ではなかなか実践できないことができたような気がいたします」と振り返った。

 3年ぶりのリアル開催に、鹿野氏は「やはり私自身もそうなのですが、会場で皆さんと対話してお話ができる、この熱気は残念ながらオンライン会議ではお伝えすることができませんでした。この2年間、私もいろんな出展企業の方、来場経験のある方々とお話をしましたけど、やはり皆さんが求めるのは自分で触ってみたい、お話を担当者から聞いてみたい、あの会場の熱気。それから歩いている途中に偶然見つかる出会い、私どもも共創、共に作ると長年言ってまいりましたけども、それを実現できるのはこのリアルの展示会会場ではないかなと思います」と開催への期待感を話した。