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ブリヂストンとトッパンフォームズ、通信性能を最大化するタイヤ用次世代RFIDタグの開発と実装に向けた共同開発開始

2022年10月28日 発表

車両に装着されたタイヤの個体情報の登録・確認作業のイメージ

 ブリヂストンとトッパン・フォームズは10月28日、これまで基礎検討を積み重ねてきたタイヤ用次世代RFID(Radio Frequency Identification)タグの早期実用化に向けて、実装技術の共同開発を2022年10月から開始すると発表した。

 今回の共同開発では、ブリヂストンが持つタイヤ開発・製造技術、とトッパンフォームズが持つRFID分野の技術を融合し、より離れた位置から正確に通信できる次世代RFIDタグの開発とタイヤへの実装技術の確立を目指していく。これにより、生産日時、工場検査情報、出荷日時、車両への装着日時、各種タイヤ点検情報など、個々のタイヤに関するさまざまなデータをより早く・より容易に管理することができるようになるとしている。

 ブリヂストンとトッパンフォームズは、双方の企業理念やビジョンなどへの共感を基に、両社が持つ技術を活用した非接触型個体管理技術のタイヤへの適用の可能性を探ってきており、今回の共同開発を通じて、RFIDタグの通信性能を大きく向上させ、既存技術では難しい、より離れた位置からの正確なデータ読み取りを実現するとした。

 RFIDは、電磁界や電波などの無線通信を用いて、ICタグなどの情報を非接触で読み書きする自動認識技術。この次世代RFIDを実装することにより、デジタルによる遠隔でのタイヤデータの読み取りやシステムへのデータ接続が可能となり、作業時間の短縮や安全性・作業性の大幅な改善につなげられるとともに、人手不足も課題となっている現場の作業を効率化し、作業負担の軽減と作業時の安全性のさらなる向上につなげることが期待される。

 また、タイヤ1本ごとの走行距離やメンテナンス履歴などの情報を次世代RFID通じて入手し、分析することで、ブリヂストンが提供する最適なリトレッド、メンテナンスなどのサービス・ソリューションも進化。それぞれの顧客のオペレーションに合わせた提供が可能となるとした。

 これらの取り組みを通じ、1本のタイヤの価値を最大化し、タイヤを安全に、長く、うまく、効率的に使用することで、CO2排出量削減や資源生産性の向上を通じて、カーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現にも貢献していくとしている。

 なお、現状では輸送業者やタイヤ販売店の現場におけるタイヤ個体管理は、タイヤ1本ごとに目視で確認作業が行なわれており、トラックなどに装着されているタイヤを確認するためには、車両下に潜り込んだり、タイヤを取り外したりする必要があり、現場での作業負担が大きくなることが課題となっているとのこと。

 ブリヂストン 常務役員 ソリューション・探索・化工品事業開発管掌の草野智弘氏は「ブリヂストンは、世界中のさまざまな現場でお客さまに寄り添うサービス・ソリューション拠点をベースにしたブリヂストン独自のリアル×デジタルプラットフォームを通じて、『断トツ商品』『断トツサービス』『断トツソリューション』を提供しています。このリアル×デジタルプラットフォームの深化にはRFIDが必要不可欠と考えており、2019年に欧州からRFIDを実装したトラック・バス用タイヤの展開を開始しています。今回、より高度な個体管理を可能にするRFID技術の開発とタイヤへの実装に向け、多くの知見を有するトッパンフォームズと共同開発を進めていくことに大きな喜びと可能性を感じています。当社はこの取り組みを通じ、企業コミットメント『Bridgestone E8 Commitment』で掲げる『Efficiency モビリティを支え、オペレーションの生産性を最大化すること』『Economy モビリティとオペレーションの経済価値を最大化すること』にコミットしていきます」とコメント。

 トッパン・フォームズ 企画販促統括本部 執行役員統括本部長の巣山幸一氏は「デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速や、労働力不足・働き方改革を背景とした業務効率化の進展など、社会環境は大きく変化しています。既存の業務プロセスの効率化を目指すだけでなく、製品・サービスやビジネスモデルの変革を目指す世の中になってきています。この『DX』に欠かせないキーテクノロジーの1つとして、RFIDが注目されています。トッパンフォームズでは過去20年来、RFIDを開発/製造/販売してきました。今までの経験値、蓄積した技術力を生かし、タイヤ・ゴム業界のリーディングカンパニーであるブリヂストンと技術の融合を行ない、RFID実装タイヤを実現することで、モビリティ変革の一助となるべく、取り組みを進めてまいります」とコメントしている。