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パナソニック、カーナビ「ストラーダ」新製品発表会 Fシリーズ2022年モデルのコンセプトは「みんなのクルマに楽しさ広がる大画面」
2022年11月1日 18:22
- 2022年11月1日 実施
進化の手を止めないストラーダ。細部にまで熟成を重ねた2022年モデル
パナソニック オートモーティブシステムズは11月1日、オンラインにて「カーナビステーション ストラーダ 2022年秋の新製品発表会」を実施した。登壇したのは、パナソニック オートモーティブシステムズ インフォテインメントシステムズ事業部 市販・用品ビジネスユニット ビジネスユニット長 荻島亮一氏と、同商品企画部 部長 長田秀雄氏の2名。
荻島氏は、国内のカーナビ市況について、2021年度は半導体不足による自動車の減産などの影響で落ち込んだほか、部材の高騰など厳しい要素が多かったが、今年に入り少しずつ回復の兆しが見えてきていると報告。また、10月からの海外渡航の緩和や旅行支援策などもあり、お出かけの機会も増えることが見込まれ、合わせてカーナビ需要の回復も期待しているとした。
製品については、パナソニックでは2016年から「みんなのクルマに大画面」を合言葉に、いち早く大画面シリーズを投入して好評を得てきたと紹介。あわせて、取り付け可能車種を拡大させ続けながら、画面のスイング機構や有機ELの採用、プラットフォームの刷新など常に進化させ続けている点を説明し、その結果2021年度の販売は前年比110%以上を達成できたと好調さをアピールする。
今回投入する新製品についても、これまでと同様の考え方で、細部にわたり熟成と進化を重ねつつ、装着可能車種をさらに拡大させたことで、新車だけでなく中古車まで幅広い車種に装着できると紹介した。また、荻島氏は最後に、ストラーダシリーズが来年20周年を迎えるにあたり、「今後もより魅力的な製品へと進化させて、ユーザーがさらに楽しいカーライフを送れるようしていきたい」と締めくくった。
2022年モデルのコンセプトは「みんなのクルマに楽しさ広がる大画面」
商品企画部の長田部長は、過去5年の数値を提示し、新車販売とともにカーナビの出荷台数も徐々に減ってきている現状を紹介するも、2022年度は2020年度ぐらいまでの回復を見込んでいると説明。今年は特に5万円~7万5000円台より上の価格帯の製品の伸びが期待され、「そこに新たな体験を提案をしていく」と述べた。
また、Fシリーズ製品の進化について長田氏は、「144車種から始まった取り付け可能車種は、2021年までに470まで増加、さらにスイング機構、10インチ化、有機EL、HD美次元マップなど、ユーザーのニーズに合わせて常に進化させてきた」と説明。実際に自社調査でも10インチ以上のナビを欲しいと回答しているユーザーが2019年の30%から2022年は35%へと顕著に増加しているとデータを出し、「今後も大画面のニーズは高まるだろう」と解説。
今回発表した新製品は“みんなのクルマに楽しさ広がる大画面”をコンセプトに、車内へ新しいエンターテインメント体験を提供する製品へと進化したモデル。注目の新機能は自宅のレコーダーと接続できる「レコーダーリンク」機能で、詳細な接続方法や楽しみ方を動画で紹介した。
また、レコーダーリンク機能を追加した背景として、外出規制緩和によりコロナ禍よりも全体の動画視聴数は低下しているものの、依然としてユーザーが普段視聴する動画の種類の上位に「リアルタイムのTV番組」「録画したTV番組」があるというデータを紹介。車内でBS、CS放送、録画した番組も見られることはユーザーにとって大きなメリットであると解説する。
さらに、パナソニック製レコーダー視聴アプリのダウンロード数が2年間で2倍に増加している点にも触れ、外出先から自宅のレコーダーを経由して動画見る層が年々増加している実態から、ストラーダでレコーダーリンク機能が使えることは強みになるという。
レコーダーリンク機能の具体的な活用方法としては、メジャーリーグの試合をリアルタイムで観戦したり、遠方に出かけた際でも自宅エリアの番組をいつも通りに視聴したり、保存しておいた撮影動画をDVDなどにコピーして持ち運ばなくても楽しむことができるなど、これまでよりも確実に車内のエンターテインメントの広がりを実現している。
さらに、ビットレート変更による画質調整でデータ通信量を抑え、毎月のデータ使用料を表示できるようにするなど、データ通信量が気になるユーザーへの配慮もしっかりと対応。きれいな画質で見たい番組など自分で通信量を調整しながら視聴することができるのも大きなメリット。
そのほかにも、チューナーの性能向上による受信性能アップや、ドラレコやETCといった周辺電子機器からの妨害電波の影響を受けにくくしたほか、ナビ機能に関しても交差点情報を強化することで、曲がる交差点を分かりやすくし、間違えにくい対策を施すとともに、通学路など安全を確保するための施策となる30km/h制限規制の「ゾーン30」へ対応させた。加えて、無料地図更新についても従来のその製品に設定されていた期限から、「利用開始日から3年間」へと変更し、地図更新の残り日数を気にせずいつでも購入できる安心感をプラスした。
長田氏は「取り付け可能車もさらに20車種増やして合計490車種以上とし、他社に対してアドバンテージがある」と説明。また、独自のフローティング構造により装着時に画面を左右に振っても画面が傾かない点や、車両特有の振動に対しても耐振動性を強化している点、豊かな表現力、高い色再現性、高コントラスト、高い視認性を誇る有機ELを採用しているのも、現時点ではパナソニックのみであると製品の強みを紹介した。
最後に、今回新たにCMキャラクターに、6歳からサーフィンを始め、14歳でプロサーファーとしてデビューし、現在パリオリンピックを目指している松田詩野さんを起用したことに触れ、長田氏は「松田選手がオフの日に自らクルマを運転し、海を離れてドライブを楽しんでいる姿をキービジュアルにした」といい、CMソングを担当するTAIKINGの楽曲「Holiday」でドライブの楽しさを演出したとしている。
なお、新製品は12月発売予定で、想定売価はBlu-ray対応の10V型HD有機ELの「CN-F1X10BGD」が26万円前後、10V型HD有機ELの「CN-F1X10GD」は24万円前後、9V型HD液晶の「CN-F1X109GD」は17万円前後、7V型HD液晶の「CN-HA02WD」「CN-HA02D」は10.5万円前後、「CN-HE02WD」「CN-HE02D」は9.5万円前後となっている。