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「オーテックオーナーズグループ 湘南里帰りミーティング 2022」 3年ぶりにリアル開催 車両319台と600人以上が参加
2022年11月14日 10:00
- 2022年11月12日 開催
NMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)は11月12日、神奈川県中郡の大磯ロングビーチ 第1駐車場で「オーテックオーナーズグループ 湘南里帰りミーティング 2022」を開催した。
2004年12月に初開催された湘南里帰りミーティングは例年秋口に開催されてきたが、コロナ禍の影響により2020年、2021年はオンライン開催となり、今回は3年ぶりに大磯ロングビーチの会場に集まって15回目の開催となった。また、従来はオーテックジャパンが手がけた“オーテック車”のオーナーを対象に参加を募っていたが、4月からニスモ(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)と統合して現在のNMCになったことから、今回は「NISMOロードカー」などのオーナーも多数参加して行なわれた。
秋晴れで絶好のイベント日和になった会場には、最多となったノート系70台を筆頭に、マーチ系53台、セレナ系50台など319台が集合。愛情を注ぎ込んだ自慢の愛車を披露した。参加車両は比較的年式の新しい車種が中心になっていたが、オーナーに愛され続けている1980年代のモデルも来場。また、通常ラインアップには存在しない“4ドアのスカイライン GT-R”や“オープントップのシルビア”など、オーテックによって生み出されたユニークな車両も来場者の注目を集めていた。
レースで培った技術を市販車に入れた具体的なプロジェクトを進めている
イベントの開会式では日産モータースポーツ&カスタマイズ 代表取締役社長兼CEO 片桐隆夫氏があいさつを実施。
NMC発足後初の開催となった湘南里帰りミーティングの冒頭でNMCが生まれることになった経緯を語り、日産自動車におけるモータースポーツのDNAを象徴するNISMO、日産におけるクラフトマンシップのDNAを象徴するオーテックというそれぞれの財産をこれからも守っていくために必要だったと説明。より大きな体制を築いて守っていきたいと考えており、それと同時に2つの事業部によるシナジーを生かし、これまで以上のレース成績や付加価値のあるクルマ造りを皆さまにお届けしたいとの考えから2社の統合を進めたと述べた。
9月に発表したカスタマー向けのレース車両「Nissan Z GT4」をNMC誕生の具体的な成果として挙げ、この車両では設計、開発、テストなどをNISMOが担当し、オーテックが茅ヶ崎の工場で生産。このような分業はこれまであまり行なわれなかったが、今後はこのような取り組みを積極的に進め、お互いに学びあってより強い会社にしていきたいとの考えを説明。レースマシンにオーテックのもの作り技術を、レースで培った技術をNISMOとオーテックの市販車に採り入れ、よりワクワクしてもらえるようなクルマ造りについて具体的なプロジェクトを進めているところなので期待してもらいたいと今後の活動についてアピール。
モータースポーツではSUPER GTのGT500クラス、GT300クラスの両方で日産勢のダブルチャンピオンを獲得。GT500クラスでは7年ぶりとなる年間優勝で、これは各チームやドライバー、全スタッフが重ねてきたこれまでの努力の結果であると同時に、応援してくれたファンの声援、叱咤激励のたまものであるとサポートに感謝した。
このほかに開会式では、2022年シーズンにKONDO RACINGの24号車「リアライズコーポレーションADVAN Z」でSUPER GT GT500クラスに参戦したレーシングドライバーの平手晃平選手、2020年からAUTECH レースクイーンを務めている美すずさんの2人がゲスト参加することを発表。平手選手は「マーチ 12SR」も所有するオーテックオーナーでもあり、美すずさんはこれまでの2年はイベントがオンライン開催となって今回が初のリアル開催となったとのことで、2人とも参加を楽しみにしていたと語った。
「フェアレディZはどんなコンディションでも安定して走れる」と平手選手
イベント中盤にはメインステージでゲストの平手選手と美すずさんによるトークショーを開催。SUPER GTでは参戦車両がGT-RからフェアレディZに移行して新たなチャレンジになったが、平手選手は佐々木大樹選手とのタッグで第4戦 富士スピードウェイと第7戦 オートポリスで3位表彰台を獲得。第7戦では予選でポールポジションを手にする活躍を見せた。
これについて平手選手は、新型Zが持つ空力性能に加えて横浜ゴム製のタイヤと自身の相性がよかったことを好調の理由として挙げ、他チームのマシンと共に速さを十分に見せてタイトル獲得に結びついたことで、フェアレディZのデビューイヤーとして素晴らしい戦いができたと語った。
車両としては空力性能の進化が大きく、GT-Rではコンディション変化によって左右されるシーンも出ていたが、フェアレディZではどんなコンディションでも安定して走ることができ、ドライだけでなくウェット路面、気温の上下に影響されず安定したパフォーマンスを発揮してくれたところが強みになったと分析。また、横浜ゴムがタイヤ開発を強力に進めてくれたことで、レースを重ねていくたびに強さを増すことができたと横浜ゴムに対する感謝を口にした。
このほか平手選手は、2021年7月に立ち上げたFacebookを拠点とする会員限定クラブ「平手晃平と車で遊ぼう!」について紹介。コロナ禍以降はファンと交流する場があまりなくなってしまったことから「ファンとつながれるコミュニティを作りたい」と考えて活動をスタート。クルマ好きなら誰でも気軽に参加できる「大人のクラブ活動」というイメージになっており、ツーリングやサーキットでのスポーツ走行会、クルマの撮影、オンラインミーティングなどを行なっているという。
また、この活動でレースなどに参戦するため最初はZ33型のフェアレディZを購入したが、運転にそれほど自信がないメンバーにもレース参戦を体験してもらえるようなクルマとしてマーチ 12SRを手に入れることになったとのエピソードを披露。マーチ 12SRはショートサーキットを走行したときにクイックな反応を見せ、自分でも楽しく運転していると語った。
美すずさんはオーテックとNISMOの両ブランド車両が多数並ぶ光景に感動したと語り、中でも初心者マークを貼った「シルビア ヴァリエッタ」がお気に入りで、車両に置かれていた紹介カードに「学生時代のアルバイトで貯金したお金で手に入れた」というエピソードが書かれており、同じようにクルマを手に入れたくて学生時代にアルバイトに励んだ自分自身の思い出と重なって印象に残ったと紹介した。