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メルセデス・ベンツの新型「SL」と蒸気機関車(SL)、京都鉄道博物館の扇形車庫に11月27日までコラボ展示中

2022年11月19日~11月27日 開催

入場料1200円(一般)、1000円(大学生・高校生)、500円(中学生・小学生)、200円(幼児)

開館時間:10時~17時(最終入館16時30分)

京都鉄道博物館の扇形車庫にメルセデス・ベンツの新型SLが期間限定で展示されている

「SL」つながりで実現したコラボレーション

 京都鉄道博物館は11月19日~27日の期間、蒸気機関車の「SL(Steam Locomotive)」と、メルセデス・ベンツ日本が10月に発表したばかりのラグジュアリーオープンモデル「SL(Super Light)」とのスペシャルコラボレーション企画「YANASE Mercedes-Benz Special Days in 京都鉄道博物館 2022」を開催している。京都鉄道博物館の開館時間は10時~17時(最終入館16時30分)で、入館料金は1200円(一般)、1000円(大学生・高校生)、500円(中学生・小学生)、200円(幼児)。水曜日は休館日。

 京都鉄道博物館は「交通科学博物館(大阪市)」「梅小路蒸気機関車館(京都市)」の展示を現在の地に集結させ、2016年に「鉄道を基軸とした事業活動を通じた地域の活性化に貢献する」という基本ミッションを掲げて開館した博物館。鉄道の総合博物館として、鉄道の安全性や技術を伝える場の創出、博物館職員によるガイドツアー、ワークショップなど、さまざまな文化活動を実施している。

京都鉄道博物館入口

 これまでにも「ハローキティ」「鬼滅の刃」「エヴァンゲリオン」など、さまざまなキャラクターとのコラボレーション企画を実施しているが、今回はメルセデス・ベンツを販売しているヤナセ近畿営業本部からの「SLつながりで一緒に展示イベントを行ないたい」とのオファーを快諾。世紀を超えた「SL」のコラボレーション展示が実現した。

国の重要文化財の「扇形車庫」にメルセデス・ベンツの最新モデル「SL」を展示

展示車両のボディカラーは「アルペングレー(有償塗装)」
SL×SLの世紀を超えたコラボ展示が実現

 扇形車庫には蒸気機関車の向きを変える転車台が備わっていて、京都鉄道博物館の扇形車庫には、明治~昭和にかけて活躍した代表的な蒸気機関車が展示されているほか、実際にJR西日本の社員による整備も行なわれている貴重な施設。

最終運転終了後には転車台が回転する様子が見られる

 今回コラボ企画により、メルセデス・ベンツの新型SLが11番車庫に収められている。会場では特別展示を知っていて見に来た人や、展示を知らずにきて自動車が止まっていることに驚いている人もいた。

メルセデス・ベンツの歴史も見られる特別展示を実施

「車両のしくみ」コーナーに自動車も4台並べられている

 今回のコラボレーション企画ではSLの展示だけではなく、「車両のしくみ」を紹介するゾーンにメルセデス・ベンツの歴史の一部が見られる4台の特別展示も実施されている。

 1台目はカール・ベンツが1885年に発明・完成させた世界初のガソリンエンジンを搭載した3輪自動車「ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン」のレプリカを展示。レプリカはアルコール燃料を入れれば実走もできるという。なお、実車は1886年~1893年にかけて約25台しか製造されなかったとのことで、超貴重な実車はミュンヘンのドイツ博物館に展示されている。

1885年式 ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン

 2台目は、メルセデス・ベンツがメーカーとしての威信をかけて作ったという乗用車の中でも上級バージョンとして登場した「170S」で、ボディが大型化されトランクが設けられたほか、エンジンも直列4気筒1.8リッターに拡大され、世界で初めて独立懸架サスペンションを採用したことで、乗り心地を大幅に向上させたという。クーペのほかに2人乗りのコンバーチブルを「A」、5人乗りのコンバーチブルを「B」としてラインアップされていた。

1951年式 メルセデス・ベンツ 170S カブリオレB

 3、4台目は、メルセデス・ベンツの100%EV(電気自動車)シリーズ「Mercedes-EQ」からラグジュアリーEVの「EQS」と、バッテリEV第3弾となる「EQB」を展示。

 EQSは「Sensual Purity(官能的純粋)」の思想を反映し、ゆったりとした面構成とつなぎ目の少ないシームレスなデザインを採用。運転席はダッシュボード全体を1枚のガラスで覆うワイドスクリーンの「MBUXハイパースクリーン」を搭載している。航続可能距離は700km(WLTCモード一充電走行距離)を達成している。

2022年式 メルセデス・ベンツ EQS 450+

 EQBは7人乗りで積載性に優れ、家族や友人と過ごすあらゆるライフスタイルにフィットする、新しいコンセプトのBEV。EQB 250は、フロントアクスルに新設計の永久磁石同期モーターを搭載した前輪駆動モデル。1充電での航続距離は520km(WLTCモード)を誇る。

2022年式 メルセデス・ベンツ EQB 250
展示車両の解説資料は博物館の展示物を見習って、子供でも読みやすいようにふりがな付きとなっている
特別コラボ展示に合わせて製作されたリーフレット(無料配布)。中にはヤナセと京都のつながりを紹介する資料も掲載されている
メルセデス・ベンツの秋冬コレクションも展示

 鉄道が石炭を燃やして走る蒸気機関車から電動化したように、自動車も石油を燃やして走る内燃機関から、電動化の波が押し寄せている。そんな100年に1度の大変革期を感じられる展示構成となっている。

見て、触って、食べて、買って、1日中遊べる京都鉄道博物館

ホームではなく室内の床から見ると、いつも以上に迫力を感じられる

 京都鉄道博物館は梅小路京都西駅から徒歩約2分の立地だが、京都駅からでも徒歩20分ほどで行ける。徒歩で行くと博物館の手前にある梅小路公園を通るため、博物館へ到着する手前からいろいろと見学しながら散歩ができておススメ。

 博物館は、車両や資料の展示からレストランやお土産屋さんも完備。また仕組みを学べるコーナーや、ジオラマ、キッズスペースなどもあり、1日フルで遊べる施設となっている。期間限定の展示やイベントも併催されているほか、定期的に展示内容を変更して足を運ぶたびに新しい発見があるように工夫しているという。

 自動車が鉄道用の扇形車庫に展示してあるのはとても貴重なので、ぜひ1度このタイミングで足を運んでみてはいかがだろう。

博物館に隣接する梅小路公園内にある京都水族館
公園内には使われなくなった路面電車を再利用したカフェやお土産屋さんが並ぶ
思い切り走り回れる広大な芝生広場もある

京都博物館の本館は平安時代の朱雀大路の上に位置しているため、遺構保存のため車両を持ち上げて展示することにしたという
車両の底面も見学できる
0系新幹線
0系新幹線の車内には資料が展示されている
キハ80系
100系新幹線
500系新幹線がエヴァンゲリオン弐号機仕様にラッピングされている特別展示は2023年1月29日まで
重要文化財・鉄道記念物の230形233号機も展示されている
皇室専用の臨時列車「お召列車」も並ぶ
蒸気機関車の運転席にも乗れる
SLスチーム号には乗ることが可能。高校生以上は300円、中学生以下は100円
単線で最初にバックしてから前進して戻ってくる。走行距離は約1km

博物館の2階にあるレストラン。窓側席は線路が見え、運がいいとドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車)も見られるため人気スポットになっている
レストランや屋上から見える景色。施設内を走っている蒸気機関車も見られる
連結部分やパンタグラフなどの仕組みを分かりやすく紹介する展示物も多数あり。また、ボタンを押すと動くものがあり、大人でもついつい見入ってしまう
大阪環状線のカットモデルは、ドアの開閉やパンタグラフの昇降などが体験可能
キップを買うところから体験でき、その先にはスケルトンの自動改札機があり、キップが機械の中をどうやって通っているか見ることができる
当時は手動で変更していたという回転フラップ式発車標を、実際に自分でボタンを押して表示内容を変更できる
自動改札機の展示物。開きっぱなしなのに思わず立ち止まってしまう……
この時刻表は実際に京都駅で表示している内容と同じというこだわりよう
昭和30年代~40年代をモチーフにした展示エリア
車両だけでなく制服や当時の備品なども展示されている
さまざまなトレインマークや実際の列車に使用されていた設備なども多数展示
鉄道開業150周年記念企画展として「鉄道いろいろいろは展~150年の歴史を彩った鉄道のあゆみ~」を2023年2月12日まで開催中
博物館の出口は過去に実際に使われていた「二条駅舎」が利用されていて、中ではお土産も売っている
収蔵車両は全54両。どれも貴重な車両ばかり