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アイシン、大開口ドアシステム「新リンク式パワードア」を2024年の市場投入目指す
2022年11月25日 12:39
- 2022年11月24日 発表
アイシンは11月24日、サステナビリティ実現に向けた取り組みを紹介する「アイシン サステナビリティ説明会2022」を開催した。
カーボンニュートラルに対する世界の要求や電動化開発ニーズの急速な高まりにともない、アイシンは経営理念に掲げている「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」を軸に、クルマによる移動だけではなく、人の心をも動かすようなあらゆる移動体験によって世界中のユーザーに感動を届け、笑顔になってもらうことに挑戦。今回の説明会では「電動化領域での競争力強化」「移動に感動を与える安心・快適・利便なモビリティの実現」「生産カーボンニュートラル推進と環境技術の事業化」「グループリソーセスの最適配分によるサステナブルな経営」と大きく4つの項目に分けて説明している。
電動化領域での競争力強化
電動ユニット、熱マネジメントデバイスや回生協調ブレーキ、空力デバイスなど、これまでアイシンが培ってきた幅広い製品・技術による車両全体のエネルギー効率化の取り組みを加速させるとし、BEV(バッテリ電気自動車)のトータル電費向上目標を2025年までに、2021年に発表した10%以上から15%以上へと引き上げた。
特に競争の激しい「eAxle(イーアクセル)」は開発を加速させ、2025年投入の第2世代モデルは全車格へのラインアップを進めている。2027年投入目標の第3世代モデルでは、革新技術を盛り込むことで圧倒的な小型化を実現させるとして、すでに試作が完了。実車搭載で検証を開始しているという。
eAxleをはじめとする電動ユニットについては、グローバルで生産体制を構築させ、2025年の450万基生産体制に向け、日本国内で約1000億円、米中その他で約1000億円の投資を計画。また、電動ユニット向けモーターは、新材料の活用などによる低コスト化など、競争力強化に向けた技術開発を進めることで、2025年には自社生産数、約400万個を予定し、2021年比で4倍に増加させるとした。
さらに、電費向上に大きく寄与する回生協調ブレーキおよび、モビリティ社会の変化により需要が拡大する電動パーキングブレーキは、ともに生産数と売り上げの拡大が見込まれ、2030年には2022年比で2倍以上の生産数になるとしている。
“移動”に感動を与える安心・快適・利便なモビリティの実現
安心・快適・利便なモビリティの実現に向けての取り組みとしては、コアコンピタンスであるアクチュエーター技術を軸に、センシングを活用したエントリーシステムや、快適な車内空間デバイス、安心につながる見守り機能や置き去り検知などの開発にも取り組み、モビリティ全体の安心・快適・利便に貢献するとしている。
なかでも強みであるパワースライドドアシステムの技術を発展させ、市場拡大が続くSUVに搭載可能な新リンク式パワードア(LPD)を開発し、2024年に市場投入予定とした。
生産カーボンニュートラル推進と環境技術の事業化
カーボンニュートラル実現に向けては、「動力源・熱源・無駄レス」「クリーンエネルギー」「廃棄物ゼロを目指した資源循環」の3つの軸で取り組みを加速させ、2050年目標だった生産カーボンニュートラルの達成を2035年に前倒し、さらに2040年には地球環境と人に優しいゼロエミッション工場の実現を目標に掲げた。
また、CO2固定化やペロブスカイト太陽電池などの環境技術をさらに進化させ、順次実証・市場への展開を推進。環境分野において1000億円規模の事業化を目指すとしている。
グループリソーセスの最適配分によるサステナブルな経営
経営に関しては、持続的成長の実現に向け、社会課題の解決や安心・快適・利便への貢献度が高く、収益性の高い戦略事業へアイシングループのリソーセスを振り向け、ポートフォリオを入れ替えるとしている。
また、設備投資、研究開発投資においては、ソリューション型商品への戦略投資を加速させることで、戦略事業への新規投資に加え、資産圧縮や既存設備の戦略事業への転用を並行して進め、事業資産を1.5兆円水準でコントロールしながら全体におけるソリューション型商品に資する資産の比率を高めていくとした。