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アイシン「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」でトヨタの新型BEV「bZ4X」に搭載されたeAxleや回生協調ブレーキを展示

2022年5月25日~27日 開催

入場無料(完全事前登録制)

人とくるまのテクノロジー展2022のアイシンブース

 5月25日~27日の期間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催されている「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)からアイシンのブースの模様をお伝えする。

 アイシンブースでは電動化に対応する製品「アイシンEVシステム」を展示していた。注目度が高かったのはパワーマネージメント製品であるeAxle。これは5月12日にリース販売されたトヨタの新型BEV(バッテリ電気自動車)「bZ4X」に採用されたものだ。

製品の多いアイシンなので展示するものをどれにするか社内でも意見が分かれたようだが、電動化に対応する「アイシンEVシステム」が展示された

 このeAxleは電動化システム、電動駆動モジュールの開発、販売会社のBluE Nexus、デンソー、アイシンにより共同開発された製品で、モーター、インバータ、トランスアクスルを一体化した電動駆動モジュールだ。用途はFF車向けで150kW(フロントのみ)と4WD向けの80kW(フロント・リア)がある。

 この製品ではeAxle内の最適な熱マネージメント技術を採用するとともに、インバータの積層両面技術によって高い動力性能を実現しているのが特徴。また、サイズは小型化され軽量となっているが、これにはケース形状(リブの入れ方など)の最適化によって壁厚を薄くしたことが貢献しているとのこと。なお、eAxleを小型化することによるメリットは軽さだけなく車体全長を抑えること、室内寸法を確保することを実現できるという。

 電費に関しても、モーターの最適時期設計、コイルエンド短縮溶合技術、eAxle向け低粘度オイルなどを採用することで、トップクラスの電費のよさを実現しているとのこと。

トヨタの新型BEV「bZ4X」に採用されたeAxle。軽量、小型、そして電費がいいとのこと
このeAxleは第一世代のもの。同クラスのeAxleは自動車メーカーを含めて競合が多いので、今後はさらに小型のものや、反対に大型のeAxleの開発を進めていくという
回生協調ブレーキの高機能バイワイヤモデル。こちらもトヨタの新型BEVのbZ4Xに採用されたもの。滑らかなブレーキフィールの実現と高効率な電力回収を高い次元で両立する
高機能バイワイヤモデルは前後でブレーキ圧を調整できるので、例えば急停車のブレーキをかけた際、リアを強めにきかせて過剰なノーズダイブを抑えることができる
BEV用のクルマへの空気抵抗を軽減する目的の空力デバイス。測度域によってシャッターの閉まるフロントグリルとアクティブフロントスポイラー
アクティブフロントスポイラーは以前、スポーツ系の要素として採用されていたが、こちらは空気抵抗を軽減して燃費、電費改善、走行安定性向上の目的で作られたもの。障害物に触れると自動で格納する機能もある
電動車はバッテリまわり、モーターなど冷却が必要な部位が分かれて搭載されるので冷却系の配管が増える傾向にある。そこでバルブ、ポンプ類を統合した冷却モジュールを製作。軽量化と室内スペース向上のメリットもある