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ZF、自動運転レベル4を実現する次世代EVシャトルをCES2023で発表

2023年1月4日(現地時間) 発表

ZFの次世代EVシャトル

 ZFは1月4日(現地時間)、アメリカのモビリティ・サービス・プロバイダーであるBeepとの戦略的パートナーシップ締結を発表すると同時に、ラスベガスで開催されるCES2023で、「Next Generation Mobility NOW」に向けた歩みとして、都市環境および混在交通での自律走行レベル4に対応した次世代EVシャトルを発表すると予告した。

 ZFは、自律走行型輸送システムによってモビリティの変革を推進するとともに、地域の公共交通機関における深刻なドライバー不足を解消するソリューションを提供するとしていて、次世代EVシャトルは主に一般道での使用を想定した従来モデルを補完するもので、Beepとの契約ではZFのATS(autonomous transport system)とBeepのモビリティサービスおよびサービス・マネジメント・プラットフォームを組み合わせ、単一ソースの自律移動ソリューションとして、今後数年間で数千台のシャトルの提供を目指すという。そして近い将来ZFは、主に分離レーンで使用されるシャトルと、主に都市環境や混合交通で使用する新モデル2種類のシャトルを提供するとしている。

 新型EVシャトルは、LiDAR、レーダー、カメラ、オーディオシステムからなる最新鋭のセンサー技術を搭載し、正確な環境検知を実現。さらにインフラやクラウドとの通信を可能にする「ZF ProConnectプラットフォーム」や、データを収束するスーパーコンピュータ「ZF ProAI」などの技術も採用する。これらの膨大な情報を処理し、人工知能によって安全運転戦略を導き出し、車載アクチュエーターに指示を出すのが、ZFのAD(自動運転)ソフトウェアである「バーチャルドライバー」となる。コンポーネントおよびシステムは、すべて自動車業界の高い安全・品質要件と、適用されるサイバーセキュリティ基準の両方を満たす「オートモーティブ・グレード」認証を取得済みという。

 また、搭載するバッテリは50kWhと100kWhの2つの容量を選択でき、最大で80マイルを走行可能。シャトルの乗客定員は22名で、最大15名が着席できるほか、アメリカ障害者法(American with Disabilities Act)に準拠し、自動スロープと車椅子用レストルームも完備。さらに、前後輪の操舵機能と傾き機能によって、停車時に歩道との距離と段差を最小限に抑え、バリアフリーな乗降を実現するとしている。

ZFとBeepの戦略的パートナーシップ署名の様子

 ZF自動運転モビリティシステムのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントのトーステン・ゴレウスキー氏は、「大都市圏における交通関連排出量を削減するためには、自動車による個人輸送を減らすと同時に、より持続可能で効率的、快適かつ安価なモビリティの選択肢を広げる必要があります」と述べている。

 一方、Beepの最高経営責任者であるJoe Moye氏は、「ZFと提携し、同社の次世代シャトルをアメリカで発売できることをうれしく思います。ZFのシャトルサービス一式、アメリカのパートナーネットワーク、自動車グレードの車両は、当社のターンキーモビリティネットワークと自律走行サービス技術プラットフォームを補完するものです。このシャトルにより、当社は、モビリティの公平性を拡大し、二酸化炭素排出量を削減するというビジョンを引き続き追求し、車両の耐用年数、性能、安全性に関する産業界の要件を満たしながら、使用事例を拡大していくことができます」とコメントしている。