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ZF、ザックス製「エアサスペンション」の新製品 交換作業を容易にしてメンテナンス性向上

2022年11月24日(現地時間) 発表

ZFがザックスブランドの新製品「エアサスペンション」を発表した

 独ZFのアフターマーケット部門は11月24日(現地時間)、サスペンションブランド「Sachs(ザックス)」の新製品「エアサスペンション」を発表した。

 ここ数年でエアサスペンション(以下、エアサス)は高級車だけでなく、中級車やSUVにも標準で搭載されるようになり、ヨーロッパではエアサスを搭載した車両がすでに600万台ほど走っているという。その結果、自動車整備工場にとってエアサスの修理が新たな課題となっていることから、ZFは整備工場でエアサスの交換が簡単に行なえるようにと、新製品を開発したという。

ザックス製エアサスの装着状態

 ザックスが開発したエアサスは、高品質の耐腐食性材料で作られていて、長い耐用年数と外部からの影響に対する高い耐性を備えているほか、独自形状と特殊なエアポンプにより、取り外しや取り付けが容易という。

 乗用車アフターマーケット部門の責任者であるMarkus Wittig氏は、「私たちは戦略的に重要なシャシー分野の技術革新によって、他の追随を許さない高品質な部品と先進的なサービスを用意しています。ザックス製エアサスは、当社のワークショップのお客さまに高品質な製品を提供するだけでなく、交換時の最適なサポートも提供します。また、脱着だけでなく、スマートフォンから簡単にアクセスして、モデル固有の情報も取得することが可能です」と述べている。

 このザックス製エアサスは、アウディ、BMW、メルセデス・ベンツの多くのモデルに適合するだけでなく、シトロエンなども含まれ、今後も適合車種は着実に増えるという。

ザックス製「エアサスペンション」ユニット

交換作業に必要な情報はWebサイトから入手でき、交換作業自体も簡単

 エアサスを交換するもっとも一般的な理由は「エア抜け」で、エアが抜けた状態で走り続けるとコンプレッサーの摩耗が進み、早期故障の原因になるという。

 エアサスの交換作業は、車種によってはサービスモードやリフトモードにする必要があるため故障診断装置の使用が不可欠なのと、自動車メーカーによってはエアサスのコンプレッサーのヒューズを外すことを推奨しているなど、整備工場は作業前にメーカーのモデル別の説明書を参照することが必須となる。

 しかし、ZF製エアサス利用者は、製品パッケージのQRコードから、各モデルの適切な修理情報を掲載したZFのWebサイトへアクセス可能で、交換に必要な技術情報はそこですべて確認できる。

診断装置にコマンドを入力するだけでエアサスのエアを抜くことが可能

 実際のメカニックの作業手順は、エアサスを取り外す前に残っているエアを抜く必要があるが、基本的に診断装置にコマンドを入力するだけで作業は完了し、完了すると診断装置にエア抜きが終了したことを表示して知らせてくれるという。

 エアがすべて抜けたらエアサスを取り外すことができるので、スプリングコンプレッサーが必要な鋼鉄製スプリングとは異なり、素早く簡単に取り外すことが可能とのこと。また、新しい部品にはあらかじめエアホースの接続部があり、そこにホースを差し込んで診断装置でエアを補充すれば交換作業は完了となり、取り付けも取り外しと同様に簡単だという。

ザックスのエアサスは、あらかじめエアホース接続部分を搭載している
エアホース接続部分にホースを差し込んでエアを充填すれば作業は完了