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トヨタ、WRC開幕戦ラリー・モンテカルロで1-2フィニッシュ オジエ選手が最多記録9勝目獲得

2023年1月23日 発表

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(以下、TGR-WRT)は1月22日(現地時間)、WRC(2023年FIA世界ラリー選手権)第1戦ラリー・モンテカルロに出場した、「GRヤリス ラリー1 ハイブリッド」17号車のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が優勝。TGR-WRT 69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合2位となり1-2フィニッシュを決めた。

 そのほか、33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合4位、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場した18号車の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が総合6位を獲得している。

 2023年シーズンのTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、ドライバーに関しては引き続きロバンペラ選手とエバンス選手の2人が全戦に出場してドライバーズタイトルの獲得を目指す。3台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDのシートはオジエ選手と勝田選手がシェア。勝田選手がオジエ選手がエントリーしないラリーではチームの3台目として出場し、それ以外のラリーでは引き続きTGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場することになる。

 開幕戦で優勝したオジエ選手は、ラリー・モンテカルロ通算9勝(WRC開催としては8勝)と、伝統のラリーでの最多勝利記録を更新し、WRC通算優勝回数を56に延ばした。なお、トヨタにとっては今回で5回目のラリー・モンテカルロ制覇となる。

17号車(セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ)

 優勝したオジエ選手は「完璧な週末でした。このラリーは自分にとって大きな意味があり、勝つことは常に特別なことなので、優勝の喜びを満喫したいと思います。自分自身、そしてチームのことも誇りに思います。この週末はチームにとってかなり優位な展開でした。トヨタは今回も素晴らしいクルマを提供してくれたので、感謝しています。1-2フィニッシュでシーズンをスタートできたのは素晴らしいことですし、カッレもよいパフォーマンスを見せてくれました。昨日はもっと速く走れると分かっていながら、リスクを冒したくないという気持ちが強く、ナーバスになっていました。今日はもっと純粋に走ることができると思っていましたし、ラリーの終盤を楽しむことができました。ヴァンサンが初優勝したことも本当に嬉しく思います。彼と組んで2戦目だったにも関わらず、私のサイドシートで完璧な仕事をしてくれました。優勝にふさわしい働きをしたと思います」とコメント。

69号車(カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン)

 一方、総合2位の、ロバンペラ選手は「非常に満足できる週末でした。ラリーの序盤は出走順による路面クリーニングの影響が予想以上に大きく、タイムをかなり失いましたが、その後はよいペースで走ることができました。路面クリーニングがなされたステージを走る時は、他のドライバーと同じペースで走ることが可能でしたし、ベストタイムを争うこともできました。最終的にはパワーステージでフルポイントを獲得し、シーズンの初戦で多くのポイントを得ることができました。チームの素晴らしい仕事によってわれわれのチームは全員が速く、自信を持って走ることができたと思います。モンテカルロのマスターであるセブに対しては、心からおめでとうと言いたいです」とコメントしている。

33号車(エルフィン・エバンス/スコット・マーティン)

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team会長 豊田章男氏のコメント

 開幕戦で1-2フィニッシュを果たしたことに、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team会長の 豊田章男氏がコメントを発表した。以下はその全文となる。

 セブは9回目、ヴァンサンにとっては初めてのラリー・モンテカルロ優勝おめでとう!

 GRヤリス ラリー1にとっては2年目のスタートでした。

 チームは昨年のラリージャパンから今シーズンを見据えたチャレンジをはじめ、短いオフの間にも車両へのアップデートを積み重ねて今回の初戦に臨んでくれました。毎年のことですがクリスマスもゆっくり休めずに準備をしてくれているチームメンバー全員に感謝します。また、その努力に応えるようにセブたちは優勝、他のドライバーたちも全SSを走り切ってくれました。チームとして気持ちのよいシーズンスタートになったと思います。みんな、ありがとう!

 今年のシーズンオフはもう1つ大きな変化がありました。

 チームが新たな会社「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team」として始動したことです。新会社はWRCでの勝利を目指すだけでなく、ラリーの裾野がもっと広がるような商品開発や、競技がもっとサスティナブルになるようなさまざまな取り組みにチャレンジしていきます。Chief Rally Sporting Officer(CRSO)のヤリ-マティ、Chief Technical Officer (CTO)のトムをはじめ、ここの社員はみんなラリーが大好きでクルマが大好きです。ラリーを通じて、クルマがもっと人々の笑顔を増やしていけるよう一緒にさまざまなチャレンジをしていきましょう!

 追伸 ドライバー、コ・ドライバーのみんなへ

 ラリージャパンの後、みんなでダート走行を楽しんだことを覚えていますか? あのコースがあるのは蒲郡という町です。その蒲郡市が「ここでラリーを開催してみたい! 蒲郡をモナコのようにしたい!」と盛り上がりはじめてくれました。今日、そのイベントがあったのでTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの一員としてみんなと同じレーシングスーツを着て楽しくドーナツの絵を描いてきました。見てくれていた皆さんにラリーの楽しさを知ってもらえたと思います。将来、蒲郡がモンテカルロのようになったらまたみんなで走りに来てください!

ラリー・モンテカルロの結果(現地時間1月22日14時時点のリザルト)

1位:セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)
2位:カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)
3位:ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID)
4位:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)
5位:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード Puma Rally1 HYBRID)
6位:勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)
7位:ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID)
8位:エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID)
9位:ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2)
10位:ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2)