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豊田章男社長、「いつかはGRヤリスにカッレ・ロバンペラエディションを計画していきたい」と特別仕様について言及

トークショー終了後に行なわれたデモランあいさつ風景。左から勝田範彦選手、モリゾウ選手こと豊田章男社長、ヤリ-マティ・ラトバラ代表、勝田貴元選手、カッレ・ロバンペラ選手

豪華なメンバーで行なわれた豊田章男社長司会のトークショー

 11月20日、TOYOTA GAZOO Racingが主催するラリーイベント「TGRラリーチャレンジ豊田」が豊田スタジアム(愛知県豊田市)を中心に開催された。ラリーチャレンジの最終戦となるイベントだが、前週にラリージャパンが開催されたばかりとあって、90台の上限に達する参加者、多くの観客が訪れていた。

 とくに昼の時間帯に開催されたステージイベントには、2022年WRC(世界ラリー選手権)でドライバー、コドライバー、マニュファクチャーとトリプルチャンピオンを2年連続で獲得したTOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表、最年少世界チャンピオンを獲得したカッレ・ロバンペラ選手、ラリージャパンで3位表彰台を獲得した勝田貴元選手、全日本ラリーを9度制覇している勝田範彦選手が参加。司会はトヨタ自動車 社長 豊田章男氏が務め、ノリノリのステージが展開されていった。

TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 2022 in 豊田 LIVE配信

 とくに最年少世界チャンピオンを獲得したカッレ・ロバンペラ選手とのやり取りの部分では、ロバンペラ選手にWRCラリー1車両である「GRヤリス ラリー1 ハイブリッド」をプレゼントした経緯を明かした。

 豊田章男社長によると、これはロバンペラ選手からリクエストがあったとのこと。ラリージャパンでは、岡崎SSの準備の際に待ち時間が発生した。その待ち時間のときに、豊田章男社長と勝田選手、ロバンペラ選手が長々と話している姿が見かけられたが、そのときにリクエストに関する条件が決められていたという。

 その条件とは、ラリージャパンを全力で戦い抜くことやモリゾウチャレンジと呼ばれるモリゾウ選手との戦いで勝利すること。ロバンペラ選手は、ラリージャパンは全力で戦ったものの、モリゾウチャレンジではモリゾウ選手の知略をつくした仕掛けにはまってしまっていた。ただ、豊田章男社長はロバンペラ選手が世界チャンピオンを獲得したことを評価しプレゼント。ロバンペラ選手は自分のミュージアムに、自分が獲得したチャンピオンマシンを加えていくことになる(すでに12台あるそうだ)。

GRヤリス カッレ・ロバンペラエディション

 そんな話の流れの中で出てきたのが、GRヤリスのカッレ・ロバンペラエディション。「いつかはGRヤリスにカッレ・ロバンペラエディションを計画していきたい」「(GRカローラに)モリゾウエディションがあるなら、GRヤリスにカッレ・ロバンペラエディションがないのはと、多く人が思っておられるのではないか」と、スペシャルバリエーションの計画について語る。

 ただ、「いつかはGRヤリスに」と語っているように、すぐに登場するのではなく、トヨタとしての特別なクルマ作りに取り組んでいき、その特別なクルマに特別な意味を持たせていくようだ。

 このようなストーリー性をもったクルマが増えることは、世界的なレーシング活動を行なうTOYOTA GAZOO Racingが鍛えたクルマを、一般の人が購入できるうれしさがある。ましてや、最年少記録を塗り替えたカッレ・ロバンペラ選手の知見が加えられたクルマなら、ファンでなくても興味のあるところだろう。TOYOTA GAZOO Racingのラリー活動とつながることのできるクルマの登場に期待したい。

「GRヤリス ラリー2 プロトタイプ」と「GRヤリス ラリー1 ハイブリッド」。市販車の「GRヤリス カッレ・ロバンペラエディション」には、これら本格的レーシングカーの要素がどのように組み込まれていくのだろうか?