三菱自動車、英国のKaluzaと協業 コネクティッド技術を活用した国内初のスマート充電サービスを開発

　三菱自動車工業は2月22日、電動車のコネクティッド技術を活用した国内初となるスマート充電サービスの開発に向けてKaluza（カルーザ）と協業を開始すると発表した。

　Kaluzaは英国第3位のエネルギー小売事業者であるOVO Energyをはじめ、大手自動車会社やエネルギー会社と提携し、事業を展開。Kaluzaが提供するプラットフォームでは、AIを活用し、電気自動車をはじめとするさまざまな分散型エネルギーの最適な制御を通じて、エネルギーコスト低減と、再生可能エネルギーの普及拡大や送配電網の混雑緩和を両立させ、脱炭素社会の実現に貢献している。

　このサービスは、顧客がスマートフォンのアプリから希望の充電スケジュールをあらかじめ設定することで、クルマの使用開始時間までに最適なタイミングで充電し、充電コストの低減とCO2排出量の削減に貢献するもの。また、充電コストの節約状況をアプリ上で簡単に確認することも可能。

　さらに、サービスでは、三菱自動車のコネクティッド技術を通して、Kaluzaのプラットフォームから対象車種の新型「アウトランダー」（PHEVモデル）に対して直接充電の制御が可能となるため、通信機能が付いた充電設備（スマート充電設備）などが不要となるとしている。

　三菱自動車工業 モビリティビジネス本部 本部長 岩本和明氏は「今後、電動車と再生可能エネルギーの導入拡大が並行して進む中で、需給バランス調整など電力系統への影響が懸念されています。三菱自動車は、これらの課題解決に貢献すべく、まずは電動車の充電を最適化するスマート充電サービスの開発に取り組みます。そしてカーボンニュートラル社会の実現とエネルギーの安定供給に貢献するため、大容量の電池を搭載した電動車を『調整力』として活用するほか、コネクティッド技術を用いたさまざまな先進的なサービス開発を行なってまいります」とコメント。

　Kaluza CMO ニール・グルハー氏は「電気自動車を“移動できる蓄電池”ととらえることで、顧客を中心とした、よりスマートで環境に優しいエネルギーシステムを構築することができます。Kaluzaの技術的なノウハウとグローバルでのスマート充電の経験、そして三菱自動車の世界をリードする車両を組み合わせることで、お客さまに、よりお手頃な電気自動車体験を提供する方法を証明するとともに、逼迫する日本の電力網の需給バランス安定化の一助として貢献できることを楽しみにしています」とコメントしている。