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トヨタ、WRC第3戦ラリー・メキシコでオジエ選手が優勝 今シーズン2勝目に豊田章男氏がコメント

2023年3月20日 発表

17号車のヴァンサン・ランデ選手とセバスチャン・オジエ選手

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは3月19(現地時間)、WRC(2023年FIA世界ラリー選手権)第3戦「ラリー・メキシコ」で、GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が優勝した。

 2023年シーズンのTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦しているが、3台目のシートはオジエ選手と勝田貴元選手がシェアしている。開幕戦ラリー・モンテカルロ、そして今回のラリー・メキシコに出場したオジエ選手は2戦2勝を達成した。また、ボーナスポイントで最大の5ポイントを獲得した結果、第2戦ラリー・スウェーデンに出場しなかったにも関わらず、オジエ選手はドライバー選手権でトップに立ち、ランキング2番手となるヒョンデのティエリー・ヌービル選手に3ポイントのリードを築いた。オジエ選手は、これまでに6回ラリー・メキシコを制してきたが、今回の勝利により通算優勝回数を7に更新した。

 優勝したオジエ選手は「本当に素晴らしい週末になり、優勝することができてとても幸せです。メキシコには、優勝するという明確な目標を持って臨みました。今回はクルマが素晴らしく、われわれにとっては完璧な週末になり、チームにとっても力強い戦いができた週末でした。30ポイントを獲得できたのですから、間違いなく完璧な週末だったといえます。必要に応じて速さを発揮することも、状況を上手くマネージメントをすることもできました。あのようなタイム差を管理するのは決して簡単なことではありませんでしたし、今日はこの週末で最もタフなステージ群だったと思います。多少のタイムロスは許容しながらも、集中力を保つことが重要でした。そして、最後のパワーステージに関しては私が好きなステージでしたし、チームのためにポイントを獲得することも重要だったので、頑張らなければならないと思いました。記録や数字を残すのはいいことですし、もちろん誇りに思いますが、自分にとって一番大切なのは優勝することです」とコメントしている。

 そのほかTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamでは、33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組は総合3位、69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は総合4位でフィニッシュ。TGR WRCチャレンジプログラムから4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場した18号車の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は総合23位となっている。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team会長の豊田章男氏がコメント

 2023年シーズン2勝目となることに、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team会長の豊田章男氏がコメントを発表している。以下はその全文となる。

 メキシコのラリーは“特に難しい”という想いが我々のチームにはずっと染み付いています。セブが3年前に優勝してくれましたが、それでも高温高地のメキシコを走る前はエンジントラブルの不安を拭いきれません。しかし今回、3年ぶりのメキシコでセブとデンソーが、そんな苦手意識を払拭してくれました。セブ、メキシコ2連覇おめでとう!ヴァンサンはメキシコ初優勝おめでとう!

 ヤリス参戦初年度、我々が熱対策に苦しむ姿を見て力を貸してくれたのがデンソーのラジエーター部隊でした。以来、冷却性能の改善を重ね続けてくれています。今回、GR YARIS Rally1 HYBRIDでの初メキシコでしたが、ドライバーたちはエンジンに不安を抱えることなく走ることができたと思います。デンソーの皆さんの“冷却魂”のおかげです。ありがとうございました。

 エルフィンは今季初のポディウムおめでとう! 最後に順位がひとつ落ちてしまったけど“もう一つのピース”が見つかりそうな走りだったと思います。エルフィンにとっての“もっといいクルマづくり”をチームみんなで続けていきましょう!

 カッレは“ディフェンディングチャンピオンの試練”のようなラリーが続いています。焦らず、これからもラリーを楽しんでいってください。

 貴元も、とにかく焦らず“自分の走り”をしていけば大丈夫! 新城でも見せてくれたようなリラックスした表情を頼みます。

 最後に、トヨタメキシコのみんなへ。メキシコらしい差し入れをありがとう! ヤリ-マティをはじめ、レスラーのような覆面姿のみんなの姿をSNSで見ました。あの差し入れでチームがリラックスできたことも勝因のひとつだったかもしれません。おかげで我々の“メキシコへの苦手意識”は完全に払拭されました!

33号車のエルフィン・エバンス、スコット・マーティン組
69号車のカッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン組
表彰式