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熱田護のホンダ「シビック TYPE R」で福島県南相馬市へ GWに向けて「なの花めいろ」作りをお手伝い

 本田技研工業「シビック TYPE R」。現時点でホンダとして唯一新車で買えるスポーツカー。大人気で、買いたいと思っても今は注文もできないという……。

 FL5という新型になってカッコよくなりました。FFの2.0リッターでターボ付き。330馬力!

 サーキットで爆速になっていると聞いています。

 そんなシビック TYPE Rをホンダさんからお借りして、福島県南相馬市に行ってきました。

 このクルマのインプレッションは、雑誌やWebでたくさん出ています。でも、クルマでもバイクでもやっぱり自分で乗ってどうかじゃないですか。実際はどうなんだって思いますよね。

 南相馬まで往復で、約700kmくらい走りました。

 2022年のF1 日本GPのときに、前期型のシビック TYPE Rを借りました、記憶はだいぶ薄まっているとはいえ比較すると都内で渋滞の中ゆっくりと移動していたらその差はほとんど感じないくらい同じ雰囲気じゃんかというのが第一印象。

 外観は大きく変化しましたよね、大半の人が新型に好印象なのは僕も同じ。

 高速道路に入ってみると、より速くなってますし、シフトレバー横にあるドライブモードスイッチでコンフォート/スポーツ/+Rという3種類が選択できるんですけど、その変更の差がより大きくなったように思います。あと、シフトダウン時にアクセルを合わせなくてもブリッピングしてくれるんですが、その回転が大きくなってよりスムーズになったように思います。

 安心感抜群の車体のしっかり感、ブレーキも変わらずいい感じ。サーキットでタイムを出すわけじゃないので、街中で快適で、高速道路やワインディングでちょっとワクワクしたいときに、変化を楽しむというのにはピッタリでいいのではと思います。

 シビックですから荷物もちゃんと載ります。乗り心地は全然快適。コンフォートでどこでも大丈夫。車内で排気音はあまり聞こえてきません、スピーカーからの排気音はちょっとなくてもいいかもって感じ。太いタイヤの走行音は、低速で聞こえますけど、そこまで気になりません。

 中央のナビ画面に触れるだけで、トルクの出方とか乗り心地を、そのときの気分で変えられるというのは素晴らしい。現代のクルマって感じです。

 でも30年とか50年、はたまた100年後に、このシステムがちゃんと動くんだろうか? と思うのはおじさんになったからなのかもしれませんが、歴史に残るクルマだと思うのでちょっと心配ではあります……。

 F1に置き換えてみても、昔のDFVを積んだマシンは今でも元気に走ってますけど、電池を積んだF1はほぼ走行不可になってますよね。

 一応計ってみた燃費は11km/Lでした、いいですよね。こういうクルマは燃費ってあまりどうでもいいって思います。だって、あんなに素晴らしいエンジンが載っているクルマなんですからね。

 そうだ、高速道路でたった2000rpmちょい回っている6速でですよ、アクセルをちょっと踏めばその分だけ普通に加速していきます。ビックリです。

 もちろん、シフトダウンすれば怒涛の加速が得られるんですけど、ズボラ運転もできちゃうエンジンです。

 加速のフィーリングは回転が上がるのと同期して、速度が直線的に上がっていくターボって感じの加速。昔の1.6リッターのVTECのような、“カムがのってきたぞ~!”って段付き加速的な感じではありません。扱いやすく速いというエンジンフィールですね。

 LEDレブインジケーターは、シフトアップ時に分かりやすく気分アゲアゲにさせてくれます! 6速のシフトフィールも素晴らしい。アルミ製のノブが寒いときに冷たいとかは、カッコイイので問題全くないです。

助手席の前にあるプレート。自分のクルマに割り当てられた番号。こういうのって、オーナーにとっては嬉しい!
菜の花畑の中を行く

 家族4人乗れて、荷物も載って、理解ある奥さまでしたら乗り心地も許せる範囲にあるし、ワインディングはもちろんサーキットでも気持ちよく走れるという広~い使い勝手のよさがこのクルマの持ち味だと思います。

 F1チャンピオンのホンダが作った内燃機関スポーツカー。この性能で乗り出し価格で530万円くらい。バーゲン価格だと思います。

 多くのバックオーダーがあると聞いています。転売目的の購入はぜひやめていただきたい!

 徐々に半導体不足の解消ができてくると思うので、受注の早期再開を期待したいと思います。多くのシビック TYPE Rが大事に乗ってくれるオーナーに届いてほしいと思います。

 さて、今回の旅の目的地は福島県南相馬市。

 南相馬という地名をご存知の方は多いと思います。2011年の東日本大震災で津波と原発の事故で大きな被害があった場所です。

 現在の現地はほとんど当時の建物などは撤去されています。しかし、元通りという姿には戻っていません。更地になっている土地が圧倒的に多いです。

一番右側、笑顔で立っているのが上野敬幸さん

 今回紹介する「なの花めいろ」は、南相馬の萱浜(かいばま)というところにあります。

 福興浜団という団体の代表を務めて、捜索活動などを行なってきた上野敬幸さんが、「なの花迷路」の発起人。津波でご両親と、長女の永吏可ちゃん、長男の倖太郎くんの4人を亡くしています。

 上野さんは現在この萱浜で、ゴールデンウイークには広大な菜の花の中に迷路を作り、夏には追悼福興花火を行なっています。「なの花めいろ」は子供たちに笑顔になって走りまわって遊んでほしいという思いで始めました。毎年1万人以上のお客さまでにぎわっています。

 広大な畑に菜の花のタネを撒き、肥料を入れたり雑草を取ったり、手間と時間とお金がかかります。ちなみに、肥料代だけでも120万円がかかるそうです。2023年はクラウドファウンディングにも挑戦して開催することができました。

 今回僕がお手伝いに行ったのは、迷路を作るため菜の花畑の中に事前に計画した図面に従ってビニールテープが引かれていて、それに沿って菜の花を抜いていく作業です。

 ただ抜けばいいんです。

 でもね、10本や20本ならなんてことはないんですけどね……抜くのに力がいるんです。中腰になって引っこ抜き、そして根っこに付いた土を払って、抜いて抜きまくる……。

 握力もなくなって、腰が痛くなってきて、息が切れ始めて……普段使わない筋肉ばかりなので、これがかなりの運動量です。翌日からの筋肉痛が半端ない……。

 でも3年ぶりに行った南相馬の皆さんや浜団のみんなと話すのはむっちゃ楽しかった。

マル秘の迷路設計図! でも、これをもらっても畑の中に入るとどこなんだか分からなくなってました

 今年は、思ったより菜の花の生育が早いそうです。

「なの花めいろ」は4月29日・30日から正式にオープン、5月3日~7日までやる予定だそうです。

 ぜひ、ゴールデンウイークに行ってみてください! 天気がいい日は、すごく菜の花が綺麗です!

 場所は福島県南相馬市原町区萱浜(かいばま)です。

左から2番目が上野さんの次女の倖吏生(さりい)さん。その同級生が手伝いに来てくれました!
つくしもニョキニョキ

 東京からは常磐自動車道で3~4時間くらいで着きます。浪江焼きそばでも食べてください!

 詳しくは福興浜団のFacebookページをご覧ください!

 あと、2022年末から2023年1月に東京門前仲町のM16ギャラリーで開催した写真展「0.2sec」の会場に「なの花めいろ」の募金箱を設置させていただき、多くの方から、応援の募金に協力していただきました。無事に代表の上野さんに手渡すことができました。

 重ねて、協力ありがとうございました!