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自工会、2022年度の普通トラック、小型・軽トラック市場動向調査結果公表

2023年4月11日 発表

2022年度普通トラック市場動向調査の説明スライドより

 日本自動車工業会は4月11日、2022年度に実施した「普通トラック 市場動向調査」「小型・軽トラック市場動向調査」の結果をまとめて公表した。

 同日、オンラインで説明会が開催され、「2022年度普通トラック市場動向調査」について普通トラック分科会長 桒原史一氏(いすゞ自動車販売 営業企画部)、「2022年度小型・軽トラック市場動向調査」について小型・軽トラック分科会長の村木政志氏(スズキ 国内営業本部営業推進部調査グループ)より、詳細が報告された。

 同調査は、普通トラック、小型・軽トラックの保有・購入・使用実態を把握するために行なっているもので、普通トラック市場動向調査では「ドライバー不足に関する意識・意向」「安全に対する意識」「環境意識と次世代環境車」「先進技術への期待と不安」「社会情勢の影響」、小型・軽トラック市場動向調査では「環境問題・次世代環境車・電気自動車に対する意識」「輸送状況の変化とサービスへの期待」「安全意識と先進安全技術」「運転手不足の現状と課題」「農家におけるトラック・バン」「個人軽貨物輸送業者の実態」といったテーマも設けて調査結果が説明された。

2022年度普通トラック市場動向調査の説明スライドより

 その中で、両調査で共通するものとして「ドライバー不足」があり、普通トラック市場動向調査で報告された「ドライバー不足に関する意識・意向」では、2023年・2024年問題の取り組みが進みつつも、高速活用増、運賃・給与引き上げといった眼前の課題対応が中心という背景が紹介された。

 具体的には、運輸業・自家用ともに輸送上の問題点として「ドライバー不足」「ドライバーの高齢化」が引き続き上位にあがっていて、このような中、働き方改革関連法の改正・施行による人件費のコストアップ、ドライバーの収入減等により、さらなるドライバー不足が懸念される「2023年・2024年問題」については、運輸業の4割弱で「現在取り組みを進めている」、4割半ばが「未着手だが今後進める予定」と回答したという。多くの事業所で対応が進んでいるが、現在の取り組み内容は、「高速道路の活用を増やす」「荷主への運賃値上げの交渉」「ドライバーの給与引き上げ」等が上位となっており、IT・車両導入等よりも、直面する課題への対応が中心となっている背景が紹介された。また、荷主側では、2023年・2024年問題の影響として「トラック輸送運賃の上昇」が6割という、最も高い結果となった。

2022年度小型・軽トラック市場動向調査の説明スライドより

 小型・軽トラック市場動向調査で報告された「運転手不足の現状と課題」では、運輸業では運転手不足困窮度が減少するも約半数は未だ困窮している背景が紹介され、具体的には60代以上の男性運転手の採用率が最も高く、「運転操作等で問題」「荷役作業が困難」等が障害点としてあがる。現在、今後ともに30~50代男性運転手の採用意向が高く、今後の運転手採用に有効な対策として「給与水準の引き上げ」「未経験者を育成する為の教育の充実」を検討していることが紹介された。

 また、環境対応に関する調査では、普通トラック市場動向調査の「環境意識と次世代環境車」に関する調査では、エコドライブ、低燃費車両はユーザー・荷主ともにニーズがあるとしながら、カーボンニュートラル対応となるハイブリッド車導入意向は、運輸業で中型の2割強にとどまるとしている。

 小型・軽トラック市場動向調査の「環境問題・次世代環境車・電気自動車に対する意識」の調査では、環境意識の醸成と燃料価格高騰の背景から、小型・軽トラックで次世代環境車の導入意向が増加。「電気自動車」は事業所調査では軽トラックで、ユーザー調査では軽バンでの意向が最も高いとした。「車両価格」「充電設備」「バッテリー」「航続距離」の懸念は残るも、事業所調査では「航続距離」の懸念は減少していると報告された。

2022年度普通トラック市場動向調査の説明スライドより
2022年度小型・軽トラック市場動向調査の説明スライドより

 そのほか、需要状況については、小型・軽トラック市場動向調査における、小型・軽トラック・バン全体の販売台数は2020年(新型コロナウィルス感染拡大)以降大きく減少。普通トラック市場動向調査における国内全体の輸送総量は、新型コロナの影響により2020年に大きく減少したが、運輸業の大規模事業所、経営が好調な事業所でのトラック購入意向は高いと報告された。

2022年度普通トラック市場動向調査の説明スライドより
2022年度小型・軽トラック市場動向調査の説明スライドより
2022年度小型・軽トラック市場動向調査の説明スライドより