ニュース

フォルクスワーゲン、新型バッテリEV「ID.7」世界初公開 最大700kmの航続距離と286PSのハイパワーモーターを備えたリムジン

2023年4月17日(現地時間) 発表

ブランド初となるアッパーミッドサイズのBEV「ID.7」をワールドプレミア

 独フォルクスワーゲンは4月17日(現地時間)、ブランド初となるアッパーミッドサイズのBEV(バッテリ電気自動車)「ID.7」をワールドプレミアした。ID.7の発売はまずは2023年秋に欧州と中国で予定され、これに次いで2024年に北米でリリースする。生産は欧州および北米市場向けはドイツ エムデン工場で、中国市場向けは現地で行なわれる。

 グローバルに向けられた新しい電動モデルであるID.7は、最大700km(WLTP)の航続距離、優れたパワートレーン、広々としたインテリアといった特徴を備え、長距離移動に適した快適なリムジンとの位置付け。

 MEB(モジュラーエレクトリックドライブ)プラットフォームを採用したモデルとして、ID.シリーズでもっともパワフルで高トルクの電気駆動モーター「APP550」(内部呼称)を搭載。モーターの最高出力は210kW(286PS)とアナウンスされている。バッテリサイズによるものの、WLTPでの航続距離は最大700km、充電容量は最大200kWを想定しており、これをもって長距離走行に適していることを強調する。

 エクステリアデザインはルーフがクーペスタイルのように優雅に後方に向かって傾斜し、車両装備によってCd値は約0.23と優れた空気抵抗係数を達成。長いホイールベースと短いオーバーハングにより、すべての乗員に向けて車内に十分なスペースを確保しているという。

ID.7のエクステリア。全長は約5mとした

 インテリアでは運転席まわりの計器類を大幅に小型化するとともに、「AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ」を標準装備。また、15インチのインフォテインメント・システム・ディスプレイでは操作性を根本的に見直し、エアコン操作をトップ画面に常設するなどユーザーの声を反映した。さらにタッチコントロールで透明/不透明の設定を切り替えられるパノラマサンルーフ、クーラー/ヒーター機能に加えてマッサージ機能も搭載するシートといった上級装備がオプションで用意される。

 そのほか運転支援システム「Travel Assist(トラベル アシスト)」も強化され、90km/h以上で走る複数車線の高速道路において、車線変更を支援する機能も用意された。

さまざまな上級装備が用意されるID.7のインテリア

 ID.7の発表に伴い、フォルクスワーゲン最高経営責任者(CEO)のトーマス・シェーファー氏は「ID.7は高いレベルの快適さと長距離走行を提供します。2026年までに2万5000ユーロ未満のエントリーモデルから、ID.シリーズの新しいトップモデルとしてのID.7まで、欧州のすべてのメーカーの中で最も幅広い電動モデルを提供する予定です。私たちの目標は、2030年までに欧州での電気自動車のシェアを80%にすることです。2033年からフォルクスワーゲンは欧州で電気自動車のみを生産します」とコメントしている。